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2019-07-14

ルームロンダリング

★★★★(4.0)
wルームロンダリング
鑑賞No:02926
製作:2018年/日本/109分
監督:片桐健滋
出演:池田エライザ/渋川清彦/伊藤健太郎/光宗薫

18歳で天涯孤独の身となってしまった八雲御子。そんな御子の前に叔父の雷土悟郎が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれることになった。そのアルバイトとは訳あり物件に住み、部屋の履歴を帳消しにする「ルームロンダリング」という仕事だった。このアルバイトを始めたことで、幽霊が見えるようになった御子は、幽霊と奇妙な共同生活を送り、彼らのお悩み解決に奔走させられる。そんな中で御子は失踪した母親と再会を果たすが・・・・。

「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM2015」で準グランプリに輝いたオリジナルストーリーの映画化。予備知識がなく観始めたため、オープニングシーンを見たときは、すっかりオカルトホラー映画だと思い込んで観ていた。しかし、ストーリーが進むにつれ、主演の池田エライザが醸し出す独特の空気感がオカルトホラー感を完全に払拭し、ストーリー自体もそれにつられるがごとくコメディーファンタジー化していく。そしてそれを決定づけるのが渋川清彦演じる幽霊の登場。ここから完全にコメディー映画に変わっていく。そして主人公の御子自身も行動や考え方に次第に変化が見られ、ストーリーの本来の目的も変わってくる。そう、タイトルの「ルームロンダリング」は、単なる映画の取っ掛かりの理由づけにすぎなくなり、本来のルームロンダリングの話は無くなっていた。面白い設定だっただけにその点は残念だったが、映画全体としてはラストはホロリとさせられる作品。映画の印象は主演の御子約を演じた池田エライザの雰囲気・存在感とまさに一緒。

劇場公開日 2018年7月7日



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2019-01-15

LIAR GAME The Final Stage

★★★★+(4.5)
wLIAR GAME The Final Stage
鑑賞No:01975
製作:2010年/日本/133分
監督:松山博昭
出演:戸田恵梨香/松田翔太/田辺誠一/鈴木浩介

神崎直は一度は辞退した「ライアーゲーム」最終決戦に、秋山深一を助けるために参加することに。今回のエデンの園ゲームは、金・銀・赤の3色のリンゴのうち、プレイヤーが一つを選ぶという単純なもの。赤が揃えば全員+1億円。誰かが裏切り、金か銀に投票すると赤の投票者が負債を負うルール。赤がない場合は、金と銀の多い方が+1億円となる。直はみんなに「赤を揃えましょう」と呼びかけるが・・・・。

ありえない状況設定と、その中で繰り広げられる心理ゲームは、「カイジ 人生逆転ゲーム」を思わせるが、「カイジ 人生逆転ゲーム」が3つのゲームで構成されているのに対し、こちらは「エデンの園ゲーム」一つ。それもごく単純なルールで、これを13回行うというのだから、最初ちょっとうんざりしかけたが、意外とこれが面白い。これがこのドラマの醍醐味なのだろうか(TVドラマは見てなので詳しくは知らないが・・・)、騙しあいの連続に、ゲーム展開はスリル満点。TVドラマは見ていなくても十分楽しめる。

劇場公開日 2010年3月6日



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2019-01-04

ラプラスの魔女

★★★+(3.5)
wラプラスの魔女
鑑賞No:02907
製作:2018年/日本/116分
監督:三池崇史
出演:櫻井翔/広瀬すず/福士蒼汰/志田未来

妻と温泉地を訪れた初老男性が硫化水素中毒で死亡する事件が発生した。捜査を担当する刑事・中岡は妻による遺産目当ての計画殺人を疑うが、事件現場の調査を行った地球化学専門家・青江修介は、気象条件の安定しない屋外で計画を実行するのは不可能として事件性を否定。しかし数日後、被害者男性の知人が別の地方都市で硫化水素中毒により死亡する事故が起きる。新たな事故現場の調査に当たる青江だったが、やはり事件性は見受けられない。もし2つの事故を連続殺人事件と仮定するのであれば、犯人はその場所で起こる自然現象を正確に予測していたことになる。行き詰まる青江の前に謎の女・羽原円華が現われ、これから起こる自然現象を見事に言い当てる。彼女は事件の秘密を知る青年・甘粕謙人を探しており、青江に協力を頼むが……。

原作は読んでいないのでよく分からないが、東野圭吾作品の映画化ということで期待して観たが、思ったほどの面白さはなかった。まず、ピエール=シモン・ラプラスが提唱した「ラプラスの悪魔」という物理学の概念が犯罪に関連しているが、そもそもポピュラーな概念ではないので知らないと何のことかわからない。その上、リアル感が薄いため、どうも入り込めなかった嫌いがある。若手俳優で固めた作品だが、存在感があったのは円熟味の増してきた豊川悦司だったような気がする。

劇場公開日 2018年5月4日



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2018-08-26

リバース・エッジ

★★(2.0)
wリバース・エッジ
鑑賞No:02900
製作:2018年/日本/118分
監督:行定勲
出演:二階堂ふみ/吉沢亮/上杉柊平/SUMIRE

女子高生の若草ハルナは、元恋人の観音崎にいじめられている同級生・山田一郎を助けたことをきっかけに、一郎からある秘密を打ち明けられる。それは河原に放置された人間の死体の存在だった。ハルナの後輩で過食しては吐く行為を繰り返すモデルの吉川こずえも、この死体を愛していた。一方通行の好意を一郎に寄せる田島カンナ、父親の分からない子どもを妊娠する小山ルミら、それぞれの事情を抱えた少年少女たちの不器用でストレートな物語が進行していく・・・・。

主演の二階堂ふみ以外は無名なのか、それとも有名だけど私が知らないだけなのか、俳優は名前も知らない人ばかり。でも、分からなかったのは俳優の名前だけでなく、映画そのものもよく分からなかった。そもそも原作は岡崎京子の同名漫画らしいが、もちろん知らない作品で、なおかつ現代ではなく、90年代が舞台だそうだ。ただ、映画からは時代観は伝わってこなかった。つまり、いつの時代の話なのかといった設定からして分からない内容。そして登場人物。不良と付き合い、授業をさぼって学校の屋上でたばこを吸う、優等生とは言えない主人公のハルナが一番まともで、あとの登場人物はみんな変な奴らばかりだ。そして、展開していくストーリーや設定も何か暗く、気味悪く、汚く、残酷なシーンの連続である。とても食事中などに観るべきではない内容である。これが実話の映画化ならまだ分からないでもないが、結末もスッキリしない中途半端な作品と言わざるを得ない。二階堂ふみの体当たり演技には女優魂を感じはするが、興業的にも大コケした理由は分からないではない。

劇場公開日 2018年2月16日



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2018-04-15

ラヂオの時間

★★★★★(5.0)
wラヂオの時間
鑑賞No:00752
製作:1997年/日本/103分
監督:三谷幸喜
出演:唐沢寿明/鈴木京香/西村雅彦/戸田恵子

初めて書いたシナリオがラジオドラマに採用された主婦の鈴木みやこ。スタジオでは本番を待つばかりとなっていた直前、主演女優の千本のっこが自分の役名が気に入らないと言い出し、急遽役名を変更する。これをきっかけにシナリオの辻褄を合わせていくために次第に内容が大きく変貌していく・・・。

生放送のラジオドラマのスタジオを舞台に繰り広げられるドタバタ劇。三谷幸喜の本領を発揮したコメディ映画。熱海を舞台にしたメロドラマが、いつのまにかシカゴに舞台となってバイオレンスに始まり、大洪水は起こるわ、挙句の果てには宇宙にまで飛び出していくという大スペクタルに変わっていく。やや行き過ぎな部分もあるが、辻褄を合わせるためにスタッフや出演者たちがあたふたする場面は観ていて楽しい。このまま行くと最後はどうなるか?とハラハラしながら観るようになるが、最後はハッピーに終わるところが三谷作品らしい。

劇場公開日 1997年11月8日



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2018-02-12

落語物語

★★+(2.5)
w落語物語
鑑賞No:02192
製作:2011年/日本/111分
監督:林家しん平
出演:ピエール瀧/田畑智子/柳家わさび/柳家権太楼

引っ込み思案な若者・春木真人は、たまたま寄席で聴いた落語に惹かれ、弟子入りを希望して東京下町にある今戸家小六師匠の家を訪れる。そして住み込みで落語家の道を歩み始め、“小春”という芸名もつけてもらうが、失敗の連続でなかなか芽が出ない・・・・。

何を描きたかったのか、さっぱりわからない映画。落語家を目指す若者の成長物語にもなっていないし、落語界の内幕を描いたというほどでもないし、この手の映画にしては人情ドラマ的かと思いきや後半は重い内容でちょっと冷めるし・・・・。いかにも素人監督の撮った素人映画としか言わざるを得ない。落語の良さ、真髄を見せつけてもらえるのかと思っただけに、期待外れの残念な作品。

劇場公開日 2011年3月12日



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2018-01-27

雷桜

★★★(3.0)
w雷桜
鑑賞No:02096
製作:2010年/日本/133分
監督:廣木隆一
出演:岡田将生/蒼井優/小出恵介/柄本明

将軍家斉の十七男に生まれた斉道。早くに母親を亡くし、母の愛情を知らずに育った斉道は、心の病を抱えていた。そんな彼はある日、療養を兼ねて家臣の瀬田助次郎の故郷・瀬田村を訪れ、女の天狗と出会う。その女天狗の正体は、幼い頃に誘拐され、山奥で育てられていた瀬田助次郎の妹・遊だった。斉道は、自由奔放な遊に惹かれていき・・・・。

時代劇版ロミオとジュリエットのような作品。身分の差によって現世ではかなわぬ恋を若手俳優2人の熱演で演じてはいるが、お涙ちょうだいとまではいかない内容ようだった。どうもこの2人、どうしても感情移入できない役柄というか演技というか・・・。もともとラブ・ストーリーはあまり好みではないからかもしれない。それでも観れたのはむしろ脇役の人たちの存在で、特に柄本明の存在・演技で、かろうじて時代劇としての風格を保っていたよう。この人がいなかったら、時代劇の格好をした単なるラブドラマにすぎなかったかもしれない。

劇場公開日 2010年10月22日



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2018-01-13

落語娘

★★★★(4.0)
w落語娘
鑑賞No:02160
製作:2008年/日本/109分
監督:中原俊
出演:ミムラ/津川雅彦/益岡徹/伊藤かずえ

12歳のときに落語に目覚めた香須美は、大学の落研で学生コンクールを総なめにし、プロの門をたたく。しかし、女性ということで受け付けてもらえずにいると、彼女を拾ってくれたのは業界の異端児と言われた三々亭平佐だった。しかし平佐は一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こして寄席にも出入り禁止となっていた。そんな平佐にTV局から、これまで演じた者は必ず命を落とすといわれる「緋扇長屋」に挑む話が舞い込んできて・・・・。

まったく知らない映画だったが、これが意外と面白く、ストーリーもよくできている。女落語家が主役という設定も変わっていていいが、それゆえまだまだ閉鎖的な古典芸能の世界を奇しくもより明確に表現している。また、この難しい役を、ミムラがこれまでのイメージを払拭したかのごとく好演している。最初は人間ドラマと人情ドラマが混ざったライトコメディかと思いきや、途中からはミステリーとホラーの要素も垣間見せ、興味津々な内容に。そして意外とあっさりと流されてしまうかと思った「緋扇長屋」の話を、津川雅彦の見事な語り口と再現ドラマで堪能させてくれた。最後もオチも粋で、最後まで楽しませてくれた映画。

劇場公開日 2008年8月23日



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2017-12-12

ルート225

★★★+(3.5)
wルート225
鑑賞No:02104
製作:2005年/日本/101分
監督:中村義洋
出演:多部未華子/岩田力/石原裕太/小南千明

中学2年生のエリ子は、両親と一つ年下の弟・ダイゴの4人で暮らす、ごく普通の女の子。ある日、母親に頼まれて、帰りの遅いダイゴを探しに行ったエリ子は、隣町の公園でダイゴを見つける。どうも学校でいじめられ、制服のシャツに落書きをされて帰るに帰れなかったらしい。エリ子はなんとか説得して一緒に帰路についたが、どうも周りの様子が変になっていて・・・・。

「君に届け」で好感度が大いにアップした多部未華子の、まだ初々しさの残る2005年の主演作。パラレルワールドに迷い込んだ姉弟が元の世界に戻るために奮闘するストーリーだが、絶望的な状況の中で悲壮感をあまり漂わせず、明るく前向きに事態に対応する姿には好感が持てる。この手の映画は最後はハッピーエンドで終わるのが常套だが、この映画は予想に反した終わり方。しかし、前向きさを失わない彼女の生き方には、たとえば今回の大震災で不幸にして両親を失った子供たちの何らかの励みになるのかもしれません。SFファンタジー映画というより、姉弟愛を描いた映画ではないでしょうか?

劇場公開日 2006年3月11日



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2017-10-18

リング0 ~バースデイ~

★★★(3.0)
wリング0 ~バースデイ~
鑑賞No:00929
製作:2000年/日本/99分
監督:鶴田法男
出演:仲間由紀恵/田辺誠一/田中好子/麻生久美子

女優を目指し、日々舞台の稽古に励む貞子。そんな中、劇団の看板女優が怪死を遂げ、次の公演の主役に新人の貞子が抜擢される。稽古場ではその後も怪現象が続き、貞子のせいだと噂が立つ。そんな貞子を音響担当の遠山だけがかばう。一方、新聞記者の宮地は密かに貞子の過去を探っていた。婚約者を貞子の母・志津子の超能力の公開実験で失った彼女は貞子への復讐に燃えていたのだ・・・・。

「リング」シリーズ3作目にあたる本作だが、前2作は恐怖の対象である貞子を主人公にして、貞子を一人の人間として描いている。そのため、本来の恐怖の対象=貞子はなりを潜め、恐怖を呼び起こすような演出も控えめになっている。また、貞子を演じるのは仲間由紀恵と、貞子とは全くつながらないキャステイングをしている。ただ、視覚的な恐怖を感じる演出は抑えられているが、得体のしれない恐怖は色々と感じる作品だ。

劇場公開日 2000年1月22日



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2017-10-08

リング2

★★★(3.0)
wリング2
鑑賞No:00781
製作:1999年/日本/95分
監督:中田秀夫
出演:中谷美紀/大高力也/小日向文世/佐藤仁美

「見たら死ぬ、呪いのビデオ」。リング事件から一週間。30年間誰も開けることがなかった井戸から見つかった貞子の遺体は、解剖の結果、死後1~2年であった。つまり、貞子は井戸の中で30年近く生きていたということである。一方、変死した高山竜司の恋人・高野舞は事件の真相を調べようとするが・・・・。

「リング」「らせん」の続編となる作品。松嶋菜々子演じる記者が謎を追う過程で、次々に分かる謎と貞子の存在が恐怖を呼ぶ「リング」と、謎解き的な内容の「らせん」の中間に位置する本作だが、もともと原作にない、映画用に作ったストーリーなので、取ってつけた感があり、物語の説得力はないし、本作だけ観ても全然わからない。ストーリー性が弱いため、その分、恐怖感を増長しようと考えたのか、貞子の登場シーンが多い。貞子の登場は恐怖感を増しはするが、前作のような衝撃度はない。

劇場公開日 1999年1月23日



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2017-07-30

リアル鬼ごっこ

★★★
リアル鬼ごっこ
鑑賞No:01607
製作:2007年/日本/98分
監督:柴田一成
出演:石田卓也/谷村美月/大東俊介/松本莉緒/吹越満

日本全国各地で“佐藤”姓の人々が事故や病気で次々と死亡する事件が起こっていた。そんな頃、高校生の佐藤翼は、敵対する佐藤洋率いる不良グループに追われ逃げ回っている最中、突然別世界にワープしてしまう。そこは元の世界と平行して存在するパラレル・ワールドで、そこでは王の命令により佐藤姓の人間を囚人が扮した鬼に追い、捕まえると殺すというゲーム“リアル鬼ごっこ”が繰り広げられていた・・・。

山田悠介の同名ベストセラー小説の映画化。鬼ごっこで捕まった佐藤姓を処刑するという、単純だがアイデアは興味をそそるもの。また、現実世界でもなく、近未来でもない、パラレルワードという異次元で、かつ現実世界とリンクしているという設定も面白い。ゆえに前半は面白かったが、次第に謎解きされていくと、逆につまらなくなってきたのは何故だろうか?(これ以上言うとネタばれになるが、単純な設定に対し、色々と理由をこじつけていくと却ってつまらなくなる例かな?と思った)子供にも楽しめそうな内容だったが、子供に見せるには少し凄惨なシーンがあるので要注意。鬼ごっこだけに映像的に走るシーンが多く、緊張感があったが、小説ではどう表現されているか逆に興味を持ったので一度読んでみたい。(息子が原作を持っているので・・・。息子は山田悠介作品が好きらしい。)

劇場公開日 2008年2月2日

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2017-06-29

輪廻

★★★+
輪廻
鑑賞No:01577
製作:2005年/日本/96分
監督:清水崇
出演:優香/香里奈/椎名桔平/治田敦/杉本哲太

昭和45年に、あるホテルで11人もの人が殺される事件が起こる。犯人はこのホテルに家族で宿泊に来た大学の教授で、自分の子供まで殺害していた。それから35年後。この事件に執着する映画監督の松村はこの事件を映画化しようとしていた。そして映画の主役に新人女優の杉浦渚が抜擢されるが・・・。

相変わらず訳の分からない心霊物あるいはゾンビ物かと思いながら観ていたら、ラストの結末は意外で、そこに至るまでの伏線が改めて理解できた。ただ、メインキャストの優香と香里奈の接点がなく、また実際に事件で殺された人と35年後に亡霊にとり憑かれる人との関係(関係はない?)がよく分からなかった。本作品で一番評価できるのは優香の演技だろうか。単なるバラエティタレントとは思えないほど、35年前の事件で犠牲になった人の怨念に悩まされる新進女優を見事に演じていた。

劇場公開日 2006年1月7日



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2017-06-19

らせん

★★★
らせん
鑑賞No:00708
製作:1998年/日本/97分
監督:飯田譲治
出演:佐藤浩市/中谷美紀/真田広之/鶴見辰吾

息子を海の事故で亡くした医師・安藤は、自身も死ぬことを考えていた。そんなとき、死んだ友人・高山竜司を司法解剖すると、高山の体内から謎の数字の羅列が書かれた紙が見つかる。安藤は、自分自身の死期を悟った高山が、自分に何かメッセージを残したのではないかと考え・・・・。

タイトルも監督も違うが、あの「リング」の続きで、作品的には「リング」が前編、この「らせん」が後編に当たる。よって、同じ感じで観たかったが、監督が前編と後編で違ったため、どうも続き物の感じが薄らいだ感は否めなかった。ストーリー的にもつながりが分かりにくいところもあり、「リング前編」「リング後編」として、監督も中田秀夫ひとりで撮ればよかったのにと思った作品。

劇場公開日 1998年1月31日

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2017-06-15

リング

★★★★
リング
鑑賞No:00707
製作:1998年/日本/95分
監督:中田秀夫
出演:松嶋菜々子/真田広之/中谷美紀/沼田曜一

「見ると一週間後に死ぬ」という呪いのビデオの噂が広まる中、そのビデオを見た女の子たちが死ぬ。死んだ女の子の取材をしていたTVディレクターの玲子もそのビデオを入手し、ビデオを見て市の先刻をされる・・・。

呪いのビデオにまつわる恐怖を描いたホラー映画。本作は和製ホラーブームを巻き起こすきっかけとなった。まさに和製ホラーブームを起こすだけのことはあるシーンはお馴染みのTVから這い出てくるところ。似たようなシーンは「呪怨」にもあるが、貞子が這ってきて目を剥くシーンはさすが背筋が凍った! ビデオテープという容易にコピーで恐怖を普及できるアイテムを選んでいるのは感心。ただ全体的なストーリーはやや古風で単純。

劇場公開日 1998年1月31日



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2017-01-23

理由

★★★★
理由
鑑賞No:01270
製作:2004年/日本/160分
監督:大林宣彦
出演:村田雄浩/加瀬亮/岸辺一徳/根岸季衣

東京都荒川区の超高層マンションで一家4人の殺人事件が起こる。住民台帳から犯行現場の2025号室には小糸一家が住んでいたことが分かり、殺害された4人は小糸一家とみなされた。しかし捜査を進めるうちにこの4人が全くの赤の他人同士だったことが分かり、謎が深まっていく・・・。

直木賞作家・宮部みゆきの同名ミステリー小説の映画化。大林監督の強い思いから出演者は全員ノーメイク、登場人物は107名に及び、原作と同様るポタージュ形式で進むなど、話題性盛りだくさんの作品。登場人物の視点から事件が語られ、その一人一人の証言によって真相が明らかになっていくという手法は斬新で面白かった。しかしその手法が延々と長時間にわたって続くため、少々間延びしがちになり、またストーリーもだんだん膨らんで複雑になっていくため、分かりにくい部分があった。キャストも豪華(というかやたら出演者が多い)だが、皆チョイ役程度の扱いでややもったいない(原作に忠実なためやむを得ないか)。原作に重きを置いているのは分かるが、映像化に当たって映像のよさを引き出す工夫がもう少しあれば冗長にならずもう少し分かりやすくなったかもしれない。ただ全体的にはまずまず面白かった。なかなか豪華な出演者(主役級とまではいかなくても名前はよく知られている俳優が多い)なので、一部紹介します。

劇場公開日 2004年12月18日

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2016-12-31

64 ロクヨン 後編

★★★+
64 ロクヨン 後編
鑑賞No:02833
製作:2016年/日本/119分
監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市/綾野剛/榮倉奈々/夏川結衣

昭和64年に発生し、犯人が捕まらないまま迷宮入りした少女誘拐殺人事件・通称「ロクヨン」。事件から14年が過ぎた平成14年、新たな誘拐事件が発生。犯人は「サトウ」と名乗り、身代金2000万円を用意してスーツケースに入れ、父親に車で運ばせるなど、事件は「ロクヨン」をなぞっていたが・・・。

警察内や警察と記者クラブとの熱い確執が印象的だった前編に比べ、ロクヨン模倣誘拐事件も起きてさらに盛り上がるかと思われた後編だったが、意外にも急激にトーンダウンし、全編とは違った印象の作品になっている。また、警察関係の伽sとは多いが、犯人サイドになりえる登場人物が少ないため、ロクヨンの犯人や、模倣誘拐事件の犯人も容易に推測でき、意外性は低い。あとは、予告編でも強調されていたラストで涙する結末に期待したが、それも肩透かしを食わされた感じ。ロクヨンの犯行動機もはっきりせず終り、あまりにも作品として前編と後編で落差のある作品。

劇場公開日 2016年6月11日



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2016-12-05

64 ロクヨン 前編

★★★★+
64 ロクヨン 前編
鑑賞No:02828
製作:2016年/日本/121分
監督:瀬々敬久
出演:佐藤浩市/綾野剛/榮倉奈々/夏川結衣

わずか1週間の昭和64年に発生した少女誘拐殺人事件・通称「ロクヨン」。事件は未解決のまま14年の時が流れ、平成14年、時効が目前に迫っていた。かつて刑事部の刑事としてロクヨンの捜査にもあたった三上義信は、現在は警務部の広報官として働き、記者クラブとの確執や、刑事部と警務部の対立などに神経をすり減らす日々を送っていた。そんなある日、ロクヨンを模したかのような新たな誘拐事件が発生する・・・・。

主人公の三上が所属する警務部広報室の位置づけがイマイチよく分からず観たので、前半はやや戸惑うし、登場人物も多く、県警の色んな部署が出てきて当初は混乱する。さらに舞台は平成14年だが、ストーリーの原点が昭和64年に起きた未解決事件(ロクヨン)ということで、人物群像だけでなく、時間軸でもより複雑にしている。ただ構成がいいのか、あるいは前編と後編に分けたことでじっくり描かれているのか、意外とストーリーは分かりやすい。前編はまださほどミステリー性はなく、三上を中心に、記者クラブとの確執、キャリヤ組や刑事部との攻防など、組織内での人間関係や対立が中心に描かれている。ただ終盤に、ロクヨン模倣事件が勃発したところで俄かにミステリー性が強くなってくるが、それは後編のお楽しみということで、期待感をふんだんに残して前編が終わってしまう。後編を乞うご期待といったところか。佐藤浩市演じる三上が、警察上部のやり方や組織内対立などの狭間にあって苦悩しながらも最後は自分の信念のもと行動する姿には胸を打たれる。

劇場公開日 2016年5月7日



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2016-06-06

レインツリーの国

★★★★
レインツリーの国
鑑賞No:02974
製作:2015年/日本/108分
監督:三宅喜重
出演:玉森裕太/西内まりや/森カンナ/阿部丈二

高校時代に大好きだった「フェアリーゲーム」という本について、何気なくネットで検索していた向坂伸行は、「レインツリーの国」というブログを見つける。そこに書かれていた感想に共鳴した伸行は、ブログの管理人のひとみにメールを送る。数日後、ひとみから返信が届いたことをきっかけに、2人はパソコンを通じて親しくなっていく。やがて伸行は、ひとみに直接会いたいと思うようになるが、ひとみには伸行に会うことができない理由があった・・・・。

ベストセラー作家・有川浩の人気小説の映画化。ネットで出会うという今風のラブストーリーだが、女性の方が感音性難聴を患っているという設定で、この病気のことが原因で、2人の関係は揺れ動くという内容。観ていて腹立たしくなるシーンもあるが、伸行の前向きな姿勢はやがて利香の病気に対する考え方を変えていく。ヒロインを演じた西内まりあのことはまったく知らなかったが(人気モデルらしいが・・・)、病気で卑屈になる必要など無いような可愛さで、ある意味ミスキャストだったかもしれない。(映画では、伸行にデートに誘われた際に、容姿には自信がないと言っていたが・・・) 難聴はただ単に聞こえにくい病気という認識だったが、昔、父親が突発性難聴になって単に聞こえにくいだけではないことは知っていたが、これほど種類や症状の違いがあるとこは驚きだった。

劇場公開日 2015年11月21日



(キャスト一覧)
玉森裕太(向坂伸行)
西内まりや(人見利香)
森カンナ(ミサコ)
阿部丈二(井出広太)
山崎樹範(向坂宏一)
片岡愛之助(澤井徹)
矢島健一(人見健次郎)
麻生祐未(人見由香里)
大杉漣(向坂豊)
高畑淳子(向坂文子)


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2016-02-20

ロマンス

★★
ロマンス
鑑賞No:02770
製作:2015年/日本/97分
監督:タナダユキ
出演:大島優子/大倉孝二/野嵜好美/窪田正孝

新宿・箱根間を結ぶロマンスカーで、車内販売を担当しているアテンダントの北條鉢子。仕事の成績も常にトップで、今日もつつがなく業務をこなすつもりだったある日、鉢子は怪しい映画プロデューサーの桜庭と出会う。ふとしたきっかけで桜庭に母親からの手紙を読まれてしまった鉢子は、桜庭に背中を押され、何年も会っていない母親を探すため箱根の景勝地を巡る小さな旅に出ることになる・・・・。

元AKB48の大島優子主演の映画。登場人物は少なく、ほぼ大島優子と大倉孝二2人のロードムービーのような映画。ただし、あまり内容も感動もない。そもそも2人が出会ってから旅に出るまでの経緯が不自然で弱い。旅の最中に2人の過去が明らかになっていくが、どちらも陳腐でありきたり。鉢子の子供時代は多少同情するシーンもあるが、珍しい話ではないし、桜庭に至ってはただ単に才能がないだけ。そんな2人が探す母親が自殺するかもという切迫感は全く感じられないし、結局みつからないという消化不良感だけが残る始末。何を描きたいのかよく分からない映画。

劇場公開日 2015年8月29日



(キャスト一覧)
大島優子(北條鉢子)
大倉孝二(桜庭洋一)
野嵜好美(久保美千代)
窪田正孝(直樹)
西牟田恵(北條頼子)


  1. 邦画-ろ
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2016-02-17

ラブ&ピース

★★+
ラブピース
鑑賞No:02747
製作:2015年/日本/117分
監督:園子温
出演:長谷川博己/麻生久美子/西田敏行/渋川清彦

ロックミュージシャンの夢に破れ、楽器の部品会社で働くサラリーマン鈴木良一。想いを寄せる同僚の寺島裕子にもまともに声をかけることもできず、うだつのあがらない日々を過ごしていた。ある日、良一がデパートの屋上で出会った一匹のミドリガメ。その亀に運命的なものを感じ、ピカドンと名前をつけてかわいがる良一だったが、会社で同僚にからかわれピカドンをトイレに流してしまう。しかし、下水道を流れていったピカドンが地下に住む謎の老人に拾われたことにより、良一とピカドンに思いもよらない展開が待っていた・・・・。

冒頭は結構面白い展開が期待できる内容だったが、トイレで亀のピカドンが流され、行き着いたところで西田敏行扮する謎の老人が出てくるあたりから映画の雰囲気というか、せっかくの面白そうな期待感が一気に萎んでしまう。そして、映画はファンタジックなコメディぽくなってしまう。それでも地上の人間界の方は良一に意外な展開が起こり、成り上がり人間の醜さがよく出ていて面白かったが、如何せん、地下世界に場面が移るとクールダウンしてしまう。そしてもうラストは救いようのない展開に・・・。人生が変わるきっかけは別にして、この映画、地下世界はない方がよいかも。

劇場公開日 2015年6月27日



(キャスト一覧)
長谷川博己(鈴木良一)
麻生久美子(寺島裕子)
西田敏行(謎の老人)
渋川清彦(マネージャー/稲川さとる)
マキタスポーツ(良一の会社の課長)
深水元基(田中透)
手塚とおる(科学者)
奥野瑛太(Revolution Q)
長谷川大(Revolution Q)
谷本幸優(Revolution Q)
IZUMI(Revolution Q)
小倉一郎(良一の会社の同僚A)
真野恵里菜(女子高生)
神楽坂恵(ユリの母)
菅原大吉(記者)
波岡一喜(良一のアパートの隣人)
松田美由紀(レコード会社のプロデューサー/松井)
田原総一朗(司会者)
水道橋博士(コメンテーター)
宮台真司(コメンテーター)
茂木健一郎(コメンテーター)
津田大介(コメンテーター)
星野源(PC-300(声))
中川翔子(マリア(声))
犬山イヌコ(スネ公(声))
大谷育江(大谷育江(声))
横尾和則(スーツアクター)


  1. 邦画-ら
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  3. CM(0)

2015-12-25

羅生門

★★★★+
羅生門
鑑賞No:00694
製作:1950年/日本/88分
監督:黒澤明
出演:三船敏郎/京マチ子/森雅之/志村喬/千秋実

平安時代、都にほど近い山中で貴族女性が山賊に襲われ、供回りの侍が殺された。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、山賊と貴族女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は巫女の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得ようとする、それもまた二人の言い分とは異なっていた・・・・。

世界にクロサワの名を知らしめた歴史的作品。原作は芥川龍之介の短編「藪の中」。ミステリーでもよく使われる、1つの事件に関して複数の証言者による異なった証言で事件が迷走化するという手法の、まさに原点ではないかと思われる作品。言い分のかみ合わない話がフラッシュバック形式で再現され、次から次に出てくる事実に驚きながらも、すぐにその事実も疑わしくなる。まさに先のまったく見えないストーリーで、もはや信じられるものは何もないと思ってしまうほどである。ちょっと暗く、寂しい話だが、黒沢作品の傑作のひとつであることには間違いない。

劇場公開日 1950年8月26日



  1. 邦画-ら
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2015-11-25

ライアの祈り

★★★+
ライアの祈り
鑑賞No:02734
製作:2015年/日本/119分
監督:黒川浩行
出演:鈴木杏樹/宇梶剛士/武田梨奈/宅間孝行

ある日、桃子は鮮烈なイメージの不思議な夢を見る。それは縄文時代、巨大イノシシに襲われた若い女(ライア)が仲間の若い男(マウル)に助けられ、2人の親代わりである族長(テレマン)により新たな運命を受け入れるというものだった。桃子は縄文遺跡の発掘を研究している佐久間五朗と出会い、2人は交際へと発展する。縄文時代の夢をたびたび見るようになった桃子は夢を現実の自分と重ね、夢で出てきた祈りの紐を五朗に贈るために編み始める。そんな矢先、五朗は研究のためにパプアニューギニアに行くこととなる・・・・。

現代の青森県と夢の中の縄文時代、この2つの時代をつなぐ男女の運命的な出会いと絆を描いた、森沢明夫の同名小説の映画化。不妊が原因で離婚し、二度と再婚はないと断言している桃子と、考古学研究に没頭し、恋愛には奥手のクマゴロウのもどかしいほどピュアなラブストーリーを描いている。作品中では、縄文時代に関する豆知識もたくさん出てきてとても興味深い。

劇場公開日 2015年6月13日




  1. 邦画-ら
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2015-10-15

龍三と七人の子分たち

★★★+
龍三と七人の子分たち
鑑賞No:02721
製作:2015年/日本/111分
監督:北野武
出演:藤竜也/近藤正臣/中尾彬/品川徹/樋浦勉

金も居場所もなくなり、毎日くすぶった生活を送っていた元ヤクザの元組長、龍三。ある日オレオレ詐欺にひっかかってしまった龍三は、詐欺で人々を騙す若者たちを成敗しようと、昔の仲間を呼び寄せて世直しに立ち上がるが・・・・。

かつてはダンディな役柄の多かった藤竜也が、最近はおじいさん役が多くなり、さらに本作ではここまでやるかという演技を見せる負けず嫌いで天然な元ヤクザの組長を好演している。藤竜也演じる龍三のもとに集まる子分たちも見覚えのあるバイプレイヤー達が演じ、アクの強い集団を構成している。それだけインパクトの強いジジイ集団なので、敵役である詐欺集団のインパクトが小さすぎたのが残念。全体的にはテンポよく進み、軽妙な掛け合いとハチャメチャな展開で大いに楽しませてくれはするが、何かもう一つ物足らなさが残るのはなぜだろうか・・・?

劇場公開日 2015年4月25日



  1. 邦画-り

2015-09-18

Love Letter

★★★★
Love Letter
鑑賞No:00445
製作:1995年/日本/113分
監督:岩井俊二
出演:中山美穂/豊川悦司/酒井美紀/柏原崇

神戸に住む渡辺博子は、婚約者だった藤井樹の三回忌の帰り道、彼の母に誘われ、彼の中学時代の卒業アルバムを見せてもらう。そして彼に対する忘れえぬ思いから、そのアルバムに載っていた、昔彼が住んでいた小樽の住所に手紙を出してみることにした。すると来るはずのない返事が返ってきて・・・・。

死んだ婚約者が昔住んでいた住所に手紙を送ったら返事が返ってきたという、いかにも映画らしいミステリアスな導入部だが、そのミステリアスな事件の真相が明らかになっていく話かと思いきや、そうではなく、婚約者と同姓同名の女性がいて、中学時代二人は同級生で、そのころの淡い恋心が描かれていくという展開に多少驚きながらも、とても興味深く入り込んでしまう映画に仕上がっている。この中学時代の婚約者の思いや行動を知ることで、自分の知らなかった婚約者の横顔を、この映画の主人公は知ることになるのだが、直接的ではない彼の愛情表現にじれったさといじらしさを感じてしまった。淡い思春期の恋心を描いた珠玉作。

劇場公開日 1995年3月25日


  1. 邦画-ら

2015-08-01

竜馬の妻とその夫と愛人

★★★★
竜馬の妻とその夫と愛人
鑑賞No:01418
製作:2002年/日本/115分
監督:市川準
出演:木梨憲武/中井貴一/鈴木京香/江口洋介

坂本竜馬が暗殺されて13年。竜馬の十三回忌に彼の元妻であるおりょうを招くこととなった。その役目を任された、おりょうの妹の夫で今は新政府の役人となっている菅野覚兵衛は、おりょうが住む横須賀のおんぼろ長屋を訪れる。おりょうは現在、テキ屋の松兵衛と再婚していたが、おりょうが竜馬そっくりの愛人・虎蔵と駆け落ちする計画しているということを松兵衛と覚兵衛が知って・・・。

おりょうの他、主な登場人物である菅野覚兵衛や松兵衛は実在の人物。菅野覚兵衛は実際におりょうの妹(起美)の夫であり、松兵衛はおりょうの実際の再婚相手である。本作はコメディタッチで描かれているが、実際に、再婚しても坂本竜馬を失った悲しみから完全に立ち直れなかったといわれているおりょうの内心をよく描いていた。そんなおりょうを取り巻く男たちの、おりょうに対する密かな想いと、竜馬の妻という犯しがたいおりょうの立場に対して腫れ物に触るかのごとく振舞う滑稽さが面白い。(3人とも情けない男を好演している。その中でも中井貴一の情けない男役は際立っている)最後の竜馬暗殺の謎に絡むオチもいい。

劇場公開日 2002年9月14日


  1. 邦画-り

2015-06-29

六月燈の三姉妹

★★★★+
六月燈の三姉妹
鑑賞No:02671
製作:2013年/日本/104分
監督:佐々部清
出演:吹石一恵/徳永えり/吉田羊/津田寛治

鹿児島県のとある寂れた商店街。その一角にある家族経営の和菓子店「とら屋」も、大型ショッピングセンターに客を奪われ赤字が続いていた。そんな店を建て直すべく、離婚した父と母や出戻りの長女、離婚調停中の次女、結婚直前に婚約破棄した三女、さらに東京から次女を追ってきた夫も加わり、六月燈の夜に発売する新作和菓子「かるキャン」で逆転を狙うが・・・・。

経営不振の店を再建すべく3姉妹が奮起する姿を描いたホームドラマとの触れ込みだったが、是が非でも店の再建が必要だという深刻さは伝わってこなかった。むしろ、次女の離婚問題を中心に家族の在り方や男女関係など、人間関係を描いたドラマではないか。そもそもこの家族もちょっと複雑。単なる普通の両親と三姉妹の5人家族かと思いきや、母親はバツ2で、旦那(父親)と思ったおじさんは別れた2番目の夫で今は単なる同居人、長女もバツ1で次女は離婚調停中、三女は不倫中という始末。また長女と次女は本当の姉妹だが、三女は父親が違う(三女の父親は同居人のおじさん)。こんな事情は最初分からず、観ていて次第に分かってくる。そんな中、復縁するため必死に努力する次女の旦那の姿がどこかせつない。さらに次女と三女は家族に明かせない秘密を持っている。そんな設定ではあるが、かといって暗い内容ではなく、全体的にはほのぼのとしたホームドラマ。登場人物は基本的に皆いい人なので、観ていても気持ちよかった。バツ1の長女に関するエピソードはほとんど触れられなかったが、長女のエピソードが絡めばさらに面白かったかも。

劇場公開日 2014年5月31日


  1. 邦画-ろ

2015-06-27

聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実

★★★+
聯合艦隊司令長官 山本五十六
鑑賞No:02668
製作:2011年/日本/140分
監督:成島出
出演:役所広司/玉木宏/柄本明/柳葉敏郎

昭和14年夏。日独伊三国軍事同盟をめぐり、締結を強く主張する陸軍だけではなく、国民の大半も同盟に希望を見いだしていた。そんな中、海軍次官の山本五十六、海軍大臣の米内光政、軍務局長の井上成美は、陸軍の圧力や世論にも信念を曲げることなく同盟に反対の立場をとり続ける。しかし、第2次世界大戦が勃発し・・・・。

「この空の花 長岡花火物語」を観て、この作品の中で長岡の著名な歴史上の人物として、河井継之助、小林虎三郎、そして山本五十六の名がたびたび出てきて、この3人に興味を持ったので、まずは容易に映画で観れる本作を鑑賞した。本作は単なる人間ドラマではなく、できるだけ忠実に再現し、山本五十六の実像に迫ろうという意図のもと製作された作品だけあって、イメージしていた山本五十六像とはちょっと違った、人間臭い山本五十六を垣間見れて良かった。そして、さいごまで戦争に反対した男、自分の本意とは別に開戦に踏み切らざるを得なかったこと、戦争中も常に講和に持ち込むための戦いを考えていたことなどを知らされる。それだけに、志半ばで亡くなり、この志を継げる日本人は誰もいなくなり、日本は泥沼の戦争に向かったことが今となっては悔やまれることであるが、それが後世に伝わる作品である。

劇場公開日 2011年12月23日


  1. 邦画-れ

2015-06-16

Laundry ランドリー

★★★★
Laundry ランドリー
鑑賞No:02650
製作:2001年/日本/126分
監督:森淳一
出演:窪塚洋介/小雪/内藤剛志/田鍋謙一郎

脳に障害を抱える青年テルは、祖母が営むコインランドリーで洗濯物を盗まれないように見張り続けている。そんなある日、水絵という女性に出会ったテルは、ランドリーにワンピースを残したまま故郷へ帰ってしまった水絵を追って外の世界へと足を踏み出すが・・・・。

脳に障害がありながら、非常にピュアな心を持つテルを窪塚洋介が好演していた。窪塚洋介はあまりすきな俳優ではなかったが、やはり上手いのかなぁ。最近は悪役が多く、それはそれで板についていて、今のイメージを固めつつあるが、その対極ともいえるこんな役も何とも自然に演じ切れているのは素晴らしい。映画はタイトルが示す通り、テルの働き場所であるコインランドリーを中心に、やってくる人々との出会いを描いているが、それは前半部で、後半はコインランドリーを離れ、ロードムービーの様相を呈してくるという、予想外の展開。最後はホロリとさせられる逸品。

劇場公開日 2002年3月9日


  1. 邦画-ら

2015-06-13

ロック わんこの島

★★★+
ロック_わんこの島
鑑賞No:02218
製作:2011年/日本/123分
監督:中江功
出演:佐藤隆太/麻生久美子/土師野隆之介/岡田義徳

伊豆諸島・三宅島で民宿を営む野山家は父・松男、母・貴子、祖母・房子、そして息子の芯の4人で幸せに暮らしていた。しかし2000年8月、三宅島の噴火により全島民が避難することとなり、芯は生まれた時から育てていた愛犬ロックとの別れを余儀なくされる・・・。

フジテレビの情報番組「めざましテレビ」の人気コーナー「きょうのわんこ」で話題を呼ん だ実話を基に製作された作品。実話については全く知らないし、どの部分が実話で、どの部分が創作かもわからないけれど、観る者に感動を与えるようなストーリーになっている。ただ、出来すぎの内容に創作性の強さは感じられ、ネットでもこの作品に対する賛否両論は激しい。三宅島噴火に関するメッセージ性は逆に弱く、子供と動物を使うことによる安易なお涙頂戴ドラマの感は拭えない。

劇場公開日 2011年7月23日


  1. 邦画-ろ

2015-04-23

リュウグウノツカイ

★★
リュウグウノツカイ
鑑賞No:02638
製作:2013年/日本/60分
監督:ウエダアツシ
出演:寉岡萌希/武田梨奈/佐藤玲/樋井明日香

開発工事の影響で漁業不振に陥っている田舎の小さな漁師町に暮らす女子高生・幸枝。友人の孝子と真姫は、それぞれ親が開発業者側と漁師側で対立しており、幸枝は2人の間を取り持つために苦労していた。そんなある朝、幸枝たちは、深海魚のリュウグウノツカイが浜辺に打ちあげられているのを見つける。リュウグウノツカイには「豊漁の兆候」と「災いの予兆」という両極端な言い伝えがあったが、そんな最中、3年前に上京した同級生の千里が戻ってくる・・・・。

アメリカの小さな漁村であった女子高生集団妊娠騒動に着想を得た作品。60分という短尺ながら、最近のチャラチャラした青春ものとは一線を画し、少し重い内容でインパクトは強い。ただ、アメリカの実際の事件の概要を詳しく知らないが、騒動に至るまでの経緯がやや分かりにくい。大人社会における閉塞感からの脱却というのは何となく分かるが、イマイチ個々が描かれておらず、なぜという疑問は残った。騒動を起こすきっかけの一つともなったタイトルの「リュウグウノツカイ」も登場した時のインパクトはあったが、タイトルになるほどのストーリーの影響度はなかったような気がした。

劇場公開日 2014年8月2日


  1. 邦画-り

2015-02-22

ルパン三世

★★
ルパン三世
鑑賞No:02613
製作:2014年/日本/133分
監督:北村龍平
出演:小栗旬/玉山鉄二/綾野剛/黒木メイサ

所有する者は世界を統べると言われる秘宝「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」が鉄壁のセキュリティを誇る要塞「ナヴァロンの箱舟」にあることを知ったルパン三世は、銭形警部の追跡をかわしながら、仲間である次元大介、石川五ェ門と秘宝強奪計画を進めていくが・・・・。

モンキー・パンチ原作の名作「ルパン三世」の実写映画化。だが、長年TV・映画放映されてきたアニメ版の印象が強すぎるのか、どうも馴染めなかった。まずキャラクター。小栗旬のルパン三世、玉山鉄二の次元大介、綾野剛の石川五エ門、そして浅野忠信の銭形警部。どれも似せてはいるが、微妙にマッチングしていない。しいて言えば、黒木メイサの峰不二子が一番イメージに近かったか? ただ不二子はじめアクションシーン満載過ぎるのには辟易した。本来のルパン三世はアクション派というよりは、頭脳派で、かつコメディ要素の高い作品だが、アクションに重視した感が強かった。あと、世界観を出すために海外を舞台にしているが、登場人物の中心は日本人もしくは一見日本人かと思った台湾・韓国人、そして舞台も日本、香港、タイなど東南アジアがメイン。どうもアジアテイストの抜けない「ルパン」という印象が拭えない作品。


  1. 邦画-る

2015-01-22

るろうに剣心 伝説の最期編

★★★
るろうに剣心 伝説の最期編
鑑賞No:02606
製作:2014年/日本/135分
監督:大友啓史
出演:佐藤健/武井咲/福山雅治/藤原竜也

海を漂流し流れ着いたところを、剣術の師匠である比古清十郎に助けられた緋村剣心。その後剣心は、山中で居を構え陶器作りに励む師匠に対し、飛天御剣流の奥義を教えてほしいと懇願する。一方、甲鉄艦・煉獄に搭載した大砲で一つの村を襲撃した志々雄真実は、政府に対して剣心を指名手配し、捕らえて処刑するように求める・・・・。

原作でも人気の高いエピソード「京都編」2部作の後編。1本に纏めるには盛り沢山な内容のような気もするが、かといって2部作にしたことでスピード感あふれる展開の前編に比べ、この後編は妙に間延びした内容で正直、前半は眠くなった。(感じとしては、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の2作目ラストから3作目前半のような展開と似ている) さすがに師匠との特訓の成果があり、四乃森蒼紫や瀬田宗次郎との対決は思ったほど苦戦しなかったが、さすがに志々雄真実は強すぎるほど強く敵ながら天晴。もはや剣心だけでは歯が立たず、斉藤一や四乃森蒼紫、相楽左之助も加勢して戦うという、主役側では通常考えられないなりふり構わない所業に、却って志々雄を応援したくなったほど。それほど、藤原竜也の入れ込んだ志々雄は主役を食うほどの存在感だっただけに、前半の間延びは残念。


  1. 邦画-る

2014-12-18

るろうに剣心 京都大火編

★★★★
るろうに剣心 京都大火編
鑑賞No:02592
製作:2014年/日本/139分
監督:大友啓史
出演:佐藤健/武井咲/青木崇高/蒼井優/藤原竜也

かつては「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心は、新時代の訪れとともに穏やかな生活を送っていた。しかし、剣心の後継者として「影の人斬り役」を引き継いだ志々雄真実が、全身に大火傷を負わせた明治政府へ復讐を企てていると知った剣心は、逆羽刀を手にとり、単身で志々雄のいる京都へ向かう・・・・。

「るろうに剣心」(2012年)の続編。原作のクライマックスともいうべき「京都編」を前後編で実写映画化したもので、「京都大火編」はその前編にあたる。続編ではあるが、前作からは時代も変わっており、特に予備知識を復習しなくても十分わかる、分かりやすいストーリー。ただ、色々興味深いキャラは出てきたけど、前編ということで本作は後編の前フリ的な位置づけなので、主人公との対決シーンは後編にお預けという少し消化不良感が残る作品。よって、一番盛り上がった対決は意外と主人公ではなく、伊勢谷友介演じる四乃森蒼紫と田中泯演じる柏崎念至の対決。見ていても手に汗握る。
  1. 邦画-る

2014-09-29

ライヴ


ライヴ
鑑賞No:02562
製作:2014年/日本/105分
監督:井口昇
出演:山田裕貴/大野いと/森永悠希/入来茉里

うだつの上がらないフリーター・田村直人のもとに、ある日突然、謎の男から山田悠介の小説「ライヴ」が届けられる。同時に母親が何者かに拉致監禁されている動画がケータイに届き、「母親を助けたければ、小説の内容をヒントにレースを完走しろ」と脅される。直人は状況も理解できないまま、同じように家族や恋人を拉致された人々とレースを開始するが・・・・。

最近、質が低下した邦画が目立つが、この作品もその代表的なもの。設定自体、興味深いものではないし、リアリティはないけど、かといって非現実世界の話でもない。よって、全然入り込めない。俳優も全くダメ。個人的にはほとんど知らない俳優だが、演技は素人同然。ストーリー展開もぎこちなければ、演技もぎこちない最悪の状態。さらにグロいシーンだけはてんこ盛りなので、もうまともには観れたものではない作品。
  1. 邦画-ら

2014-09-22

RETURN ハードバージョン

★★★+
RETURN ハードバージョン
鑑賞No:02555
製作:2013年/日本/105分
監督:原田眞人
出演:椎名桔平/水川あさみ/山本裕典/キムラ緑子

暴力団幹部を殺害し、アルゼンチンに逃亡していた北原は、ある悪徳日本人実業家の暗殺を強いられ、身の危険を覚悟で10年ぶりに日本へ帰国。殺された兄弟への敵討ちに燃える凶暴な3姉妹=御殿川シスターズと闇組織の2つの勢力を相手に、三つ巴の死闘を繰り広げることに・・・・。

三つ巴の死闘の展開予想にワクワクの冒頭で期待は高まったが、中盤に行くにつれ、緊張感も緩み、中だるみし始めた。三つ巴も期待したような絡み合いの展開ではなく、ドタバタ劇のような少々安っぽい演出のような感は否めなかった。そんなドタバタ感満載の中、一人、主人公の椎名桔平だけが妙に落ち着いた演技だったのが印象的。こんな調子でラストはどうなるかと思っていると、意外というか、こんなのあり?的終わり方で呆気にとられるかも!?
  1. 邦画-り

2014-08-05

ララピポ

★+
ララピポ
鑑賞No:01794
製作:2008年/日本/94分
監督:宮野雅之
出演:成宮寛貴/村上知子/中村ゆり/濱田マリ

風俗スカウトマンの栗野は、街行く女に声をかけては部屋に連れ込み、一晩中セックスの相手をする毎日。そんな栗野に口説かれ、OLからAV嬢へと堕ちていくトモコ。栗野の階下に住む杉山は対人恐怖症のフリーター。そんな杉山をたらしこみ、デブ専AVを隠し撮りしている声優志望の小百合。SFヒーローに憧れるオタク青年と、ゴミ屋敷に住む欲求不満な中年女。東京という大都会の底でうごめくダメ人間6人の生活ぶりを描く・・・。

個人的には全くといっていいほど面白くなかった作品。下ネタ連発でうんざりするほどだが(下ネタは嫌いではないが)、別にいやらしさは感ぜず、ただ下品というか、あまりにも品がなさ過ぎで、観ていて不快感すら感じられた。ただ共感はできないものの、大都会・東京で生きる人々の、特殊ではあると思いますがこんな世界もあるのかと、一種驚きと興味を持って観ることができた。人はみんな生きている。生きるために必死になっている。そして生きるためにいろんな手段がある。そんなことが伝わってくる映画ではあった。「ララピポ」なる変なタイトルも、作品中にその名の由来が分かる。




  1. 邦画-ら

2014-07-01

利休にたずねよ

★★
利休にたずねよ
鑑賞No:02526
製作:2013年/日本/123分
監督:田中光敏
出演:市川海老蔵/中谷美紀/市川團十郎/大森南朋

信長の寵愛を受け、天下一の茶人として名を馳せながらも、秀吉の不興を買い、切腹を命じられた千利休。刻一刻と最期のときが迫る中、妻・宗恩の問いかけを機に、自らの人生を回顧しはじめた利休は自分の美学の原点となった、若かりし頃、色街に入り浸っていたときのある事件を思い出し・・・・。

千利休を題材とした映画には「千利休 本覺坊遺文」「利休」があるが、本作も含め、いずれも地味で暗く、面白さに欠ける。そもそも茶道にまつわる話だし、戦国時代とはいえ戦闘が主ではなく、いわば秀吉と利休との心理戦のようなものなので、地味さを免れないのは致し方ないか。その上、数々の歴史的出来事も、目立たないような地味な演出のため、観ていて退屈感は否めなかった。ただ終盤、少々変化する。切腹までのカウントダウン形式で進んできたストーリーが、突然、若かりし頃の利休になり、違和感を感じた。内容はちょっと色っぽく、人間臭くなって興味深くはなったが、史実とは異なるようで、テーマである美学の原点としては説得力がないようだ。




  1. 邦画-り

2014-06-29

ラストゲーム 最後の早慶戦

★★★+
ラストゲーム
鑑賞No:01818
製作:2008年/日本/96分
監督:神山征二郎
出演:渡辺大/柄本佑/柄本明/石坂浩二

昭和18年。戦争は激化し、東京六大学は解散が決定、学業優先で徴兵を猶予されていた学生も学徒出陣に備えるよう圧力がかけられていた。そんな中、早稲田大学野球部顧問の飛田のもと選手たちは、出陣のその日まで野球を続けようとしていた。そんなある日、慶応大学の塾長・小泉が飛田のもとに早慶戦の実施を申し込んできた・・・・。

1943年10月16日に、太平洋戦争中の学徒出陣前に壮行試合として行われた“最後の早慶戦”を映画化。早慶戦自体に縁がない人には、戦時中に早慶戦をやる意義があまり伝わってこないが、やはり実話が元になっていると思うと感情移入してしまう映画。戦時中ということで、軍人は野球にうつつを抜かす学生に冷たい一方、世間の早慶戦に対する期待は大きく、学生の最後のはなむけのために柄本明演じる飛田の早慶戦実現に向けての熱意には思わず感動する。戦時中という緊迫感はあまりなかったし、試合の結果そのものにはあまり盛り上がりには欠けたが、試合後のエール交換はさすがにジーンときた。一応、反戦映画のようでもあるが、あまりメッセージ性はなく、最後の早慶戦という実話を淡々と描いたという感じの映画。

ラストゲーム 最後の早慶戦-2 ラストゲーム 最後の早慶戦-1

  1. 邦画-ら

2014-06-26

レイクサイド マーダーケース

★★★★
レイクサイド マーダーケース
鑑賞No:01819
製作:2004年/日本/118分
監督:青山真治
出演:役所広司/薬師丸ひろ子/柄本明/豊川悦司

名門中学受験のための勉強合宿に3組の家族と塾講師が湖畔の別荘に集まった。並木俊介も気が進まないながら、娘・舞華のために別居中の妻・美菜子と仲のよい夫婦を演じていた。その晩、急に俊介の愛人・英里子が別荘に訪ねてくる。俊介は夜中、彼女と落ち合う約束をするが、彼女が現れないため別荘に戻ると、英里子は殺されていた。犯人は妻の美菜子だったが、事件が公になり、子供の受験に影響が出ることを恐れた他の2家族は事件を闇に葬ろうと提案し・・・・。

ミステリー映画だと思って観ていたが、真相がうやむやでハッキリしなかった?ため、消化不良感の残る作品だった。そして何よりも怖いのは、誰が殺したにせよ、殺人という行為が目の前で行われているのに、合宿に来ている全員が冷静であること(少なくとも極度の混乱は無く、粛々と死体を処理する姿は怖い)。さらに犯人と目される(少なくとも大人はそう思っている)子供たちが一番冷静なことだった。自己中と言葉がまさに当てはまるようなこの集団に恐怖を感じるが、これが現代社会の縮図とも言わんばかりの作者の本当の狙いは何だったのか?前半のハラハラするストーリー展開が興味深かっただけに後半の展開と作者のメッセージがイマイチ分からなかったのが少々残念だった。




  1. 邦画-れ

2014-05-30

Little DJ ~小さな恋の物語~

★★★+
Little DJ
鑑賞No:01804
製作:2007年/日本/128分
監督:永田琴
出演:神木隆之介/福田麻由子/原田芳雄/広末涼子

ある日学校で倒れ、入院することになった野球とラジオのDJ好きの少年・太郎。入院生活に飽きた頃、お昼に聞こえる音楽に興味を持った太郎は、やがて院内放送のDJを行うようになる。太郎は放送を通じて周りの患者たちとの交流を深めていき、やがて美しい少女・たまきと出会い、恋が芽生えていくことに・・・・・。

鬼塚忠原作の同名小説の映画化。主人公の太郎が明るく、前向きな子供なので観ていて応援したくなり、周りの人々も優しく受け入れてくれるので観ていて気分の晴れる展開だったが、実は悲しく切ないストーリーで、前半が幸せモードだっただけに余計にラストは悲しくなった。大人顔負けのDJができるのに、面と向って好きな女の子に告白できないといったことや、15年の年月を超えて好きな女の子のリクエストをかなえてあげるなど、ストーリーの中にちりばめられた主人公の思いや行為がジンジンと伝わってくる映画です。ちなみに主人公・太郎が持っていたラジカセ、私も同じモノを持っていました。思わず昔が思い起こされて懐かしかったです。



出演者
神木隆之介(高野太郎)
福田麻由子(海乃たまき)
広末涼子(大人になった海乃たまき)
佐藤重幸(若先生)
村川絵梨(かなえ)
松重豊(捨次)
光石研(結城)
西田尚美(高野ひろ子)
石黒賢(高野正彦)
原田芳雄(大先生)


  1. 邦画-り

2014-05-04

ルームメイト

★★★★
ルームメイト
鑑賞No:02516
製作:2013年/日本/110分
監督:古澤健
出演:北川景子/深田恭子/高良健吾/尾上寛之

派遣社員として働く23歳の萩尾春海は、交通事故に遭い入院した病院で、看護師の西村麗子と出会う。2人は意気投合し、春海の退院をきっかけに2人はルームシェアを始める。だが、ある日、春海は麗子の奇妙な言動を目撃し、それ以降、周囲で不可解な事件が続発する。そして、ついには殺人事件まで起こってしまう・・・・。

多重人格ものというのはすぐわかったけど、それほど単純ではなく、後半の謎解きで思わず唸ってしまうほど、思っていた以上に面白かった。また、真相を解く伏線が前半にあるのだが、それを見逃していたのは悔しかった。主演2人の女優は美女だが、心から怖い演技ができる女優ではなかったので、ホラー度は低いが、サスペンス度は高い。ちょっとエグいシーンもあるが、ジョニー・デップの「シークレット ウインドウ」を彷彿させる内容であり、「サイコ」も頭をよぎった作品。



出演者
北川景子(萩尾春海)
深田恭子(西村麗子)
高良健吾
尾上寛之
大塚千弘
筒井真理子
螢雪次朗
田口トモロヲ


  1. 邦画-る

2014-01-16

らくごえいが

★★

鑑賞No:02439
製作:2013年/日本/110分
監督:遠藤幹大/松井一生/坂下雄一郎
出演:田島ゆみか/山田孝之/安田顕/加藤貴子


「ビフォーアフター」
大ヒット漫画の映画化でロケ地探しに苦労する映画製作会社の社員・林田かるほは、ある企みをもって上司を実家に連れていく。
「ライフ・レート」
死神に命を救ってもらった上に特殊能力まで授かった男は、ある約束を破ってしまったことから運命が狂い始める。
「猿後家はつらいよ」
映画版「古典落語『猿後家』」の撮影現場に主役の役者がなかなか現れず、困ったプロデューサーが監督にあるお願いをするが・・・・。


古典落語の「ねずみ」「死神」「猿後家」を原作・原案に、それぞれ舞台を現代に移して描いた3つの短編からなるオムニバス。ただ、これら古典落語を題材にはしているが、内容に相通じる点はあるものの、そのまま映画化しているわけではなく、古典落語自体とは違った作品に仕上がっている。3話ともイマイチ感はあったが、その中で個人的に一番面白かったのは「猿後家はつらいよ」で、一番落語を映像化できた落語っぽい作品だった。


  1. 邦画-ら

2014-01-10

ラーメンより大切なもの 東池袋大勝軒 50年の秘密

★★

鑑賞No:02464
製作:2013年/日本/90分
監督:印南貴史
出演:山岸一雄/谷原章介(語り)


創業以来50年、伝説のラーメン屋東池袋大勝軒の店主を勤めてきた名物店主・山岸一雄の半生に迫るドキュメンタリー映画。、ラーメンの味はもとより、店主・山岸さんの人柄にひかれて日々やってくる常連客や弟子たちでにぎわう店の様子を克明に映していく・・・・。


私もラーメン好きなので、もちろん東池袋大勝軒の名前は知っていたが、さすがに首都圏に住んでいないので実際に食べに行ったことはないが、やはりこの映画を観ると、一度は食べてみたかったラーメンで、今となっては叶わないのが残念。また、ラーメンの味だけではなく、大将・山岸一雄の人柄も余すところなく、カメラはとらえており、行列のできる店である理由の一端が見える。だから、店主が入院し、弟子が代わりに厨房に入っても、常連さんや通の人には分かるのでしょうね。すぐに行列が途絶える店になってしまったのには必然性と、それまでの店主の味のすごさが感じられます。ちなみに、某地方都市にある、のれん分けした大勝軒でラーメンを食べましたが、感動するほどの味ではありませんでした。





  1. 邦画-ら

2013-12-08

リアル 完全なる首長竜の日

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02448
製作:2013年/日本/127分
監督:黒沢清
出演:佐藤健/綾瀬はるか/オダギリジョー/染谷将太


浩市と淳美は幼なじみで恋人同士だったが、淳美は1年前に自殺未遂で昏睡状態に陥り、いまも眠り続けていた。浩市は淳美を目覚めさせるため、「センシング」という最新医療技術を使って淳美の意識の中へ入り込み、彼女がなぜ自殺を図ったのかを探るが・・・・。


勝手にラブ&ファンタジー映画かと思って観始めたが、いやいやファンタジーどころか、ホラー色の強い作品。その上、意識の中に入るという設定なので、不条理感もあり、最初はよかったが段々判りにくくなっていく。そして極めつけは開始80分ぐらいのドンデン返し。変に意表を突かれ、ちょっと呆れてしまう。あと首長竜。タイトルにも使われており、映画のイメージにもなっているが、首長竜が出てくる必然性というか、なぜ首長竜なのかという納得いく説明は一切ないのが残念。そして何よりリアルに不気味だったのがCGで再現した人間だった!?


  1. 邦画-り

2013-10-28

レイン・フォール/雨の牙

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01846
製作:2009年/日本/111分
監督:マックス・マニックス
出演:椎名桔平/長谷川京子/ゲイリー・オールドマン


日系アメリカ人の殺し屋ジョン・レインは、依頼人の依頼を受けて国土交通省の高級官僚・川村を暗殺する。しかし川村から奪うようにいわれていたメモリースティックを見つけることができなかった。そのメモリスティックには日米関係を揺るがす機密データが入っていたため、レインを拘束すべく、CIAアジア支局が動いていた・・・・。


舞台は東京ながら、CIAが日系アメリカ人殺し屋を追うという設定でCIA支局長としてゲイリー・オールドマンを登場させ、純粋な邦画とは違った雰囲気を醸し出しているようだが、それが却って中途半端なイメージも拭えない結果となっていた。ストーリーは、機密情報を手にした殺し屋をCIAが追うという至って単純な話で、前半はやや引き込まれるシーンもあるものの、後半はあまり緊迫感もなく、終り方も「何これ?」といった大いに不満の残るもの。国家機密の争奪戦というスケールの大きな設定でありながら、世界観の極めて狭い映画。

  1. 邦画-れ

2013-04-20

ROOKIES 卒業

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01861
製作:2009年/日本/137分
監督:平川雄一朗
出演:佐藤隆太/市原隼人/小出恵介/城田優


春になり、ニコガク野球部のメンバーは3年に進学、最後の夏の甲子園を目指すことに。そんなメンバーに、メジャーを目指す赤星と、平塚をヒーローと崇める濱中の2人の新人が新たに加わる。だがエリートの赤星は練習不要と豪語して練習に参加せず、平塚の正体を知って呆れた濱中も拗ねてしまう。そんな時、不良に絡まれた赤星を救おうとしてキャプテンの御子柴が負傷してしまう・・・・。


人気TVドラマの続編劇場版。最近のTVドラマの映画化に共通していえることですが、スケール、内容的には劇場版にする必要は感じられない作品。特に1クール(3ヶ月)で描いていたドラマを、続編とはいえ2時間に集約して描くとなると制約が多すぎて細かいところが描ききれず消化不良になりがちなのは否めない。それでもROOKIESの持つ一種昭和40年代のスポコン物を彷彿させる雰囲気がうまく心を揺さぶり感動できる仕上がりにはなっている。もともとTV版でニコガク・メンバーの目標が甲子園だったので、その結末を描くところにあるため、人間ドラマよりも甲子園出場できるかどうかが主眼に描かれているようだった。

  1. 邦画-る

2013-01-28

LOVE まさお君が行く!

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02329
製作:2012年/日本/109分
監督:大谷健太郎
出演:香取慎吾/広末涼子/光石研/成海璃子


松本秀樹は売れない芸人だったが、そんな松本君にチャンスがやって来る。ラブラドール・レトリーバーのまさおと松本君が二人で旅をするというペット・バラエティ番組に、ギャラが安いという理由で抜擢されたのだ。怪力で大食いのまさおに振り回されてばかりだったが、やがて彼らの間には友情が芽生えていき、番組もだんだんと人気が出てきて・・・。


動物モノとういうことで、もっと真面目で感動的な内容を想像していたが、いやいや内容は薄くて安っぽく、やたらドタバタが目立ち、シリアスでもなければ笑えるほどのコメディさもない中途半端な作品となってしまっていた。後半はまさお君が病気ということでちょっとシリアスな展開を予感させるが、最後まで感動することもなければ、と言って本気で涙することもないラストに落胆した。この映画でも芸人タレントの多用が目立ち、日本映画の将来に不安を覚える今日この頃。

  1. 邦画-ら

2012-12-31

るろうに剣心

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02317
製作:2012年/日本/134分
監督:大友啓史
出演:佐藤健/武井咲/吉川晃司/蒼井優


明治10年の東京に、神谷活心流の人斬り抜刀斎を名乗る人斬りが現れ、多くの人が惨殺される事件が起こっていた。その人斬りの正体は鵜堂刃衛で、アヘンを使って日本を牛耳ろうと企む実業家・武田観柳の護衛のひとりだった。父親から道場を継いだ神谷活心流の師範代・神谷薫は、神谷活心流の名を汚す抜刀斎を探す最中、緋村剣心という逆刃刀を持ったるろうに(流浪人)と出会い、彼を居候させることとなる。実は剣心こそが、幕末に世を騒がせた伝説の“人斬り抜刀斎”だったが・・・・。


和月伸宏の人気コミック「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」の実写化。緋村剣心はコミックの中での架空の人物だが、幕末に実在した人斬り以蔵こと岡田以蔵らを彷彿させる人物のように描かれている。ちなみに監督の大友啓史は以前、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の演出をしており、この作品で岡田以蔵を演じていたのが今回主演の佐藤健。ちょっとしたつながりがあるようだ。映画自体はまずまず面白い。特にスピード感ある殺陣シーンは見もの。普段は愛くるしい笑顔と腰の低い態度の緋村剣心だが、闘う時はガラッと表情も変わり、相手に対峙するところはブルース・リーも彷彿させる。





  1. 邦画-る

2012-12-15

臨場 劇場版

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02315
製作:2012年/日本/129分
監督:橋本一
出演:内野聖陽/松下由樹/渡辺大/平山浩行


2010年、波多野進という男が4名の死者を出す無差別通り魔事件を起こす。しかし、波多野は心神喪失と判断され刑法第39条1項により無罪となる。その2年後、通り魔事件に関係した弁護士の高村則夫、精神科医の加古川有三が殺された。警視庁刑事部鑑識課検死官の倉石義男は、この二つの事件は同一犯の犯行ではないかと推察するが・・・・。


相変わらずTVドラマの映画化は後を絶たず、この作品もTVでは全く見ていないので、ドラマでの延長では観れなかったが、特に映画版を観るのに不自由はなかった。また、検視官を主人公とした作品は興味深く、2時間を超える作品ではあったがなかなか楽しめた。ただ、検視官などは従来の警察モノでは脇役的存在だが、内野聖陽演じる倉石検視官がどうしてあんなに偉そうなのかよく分からなかった。作品が楽しめたのは予備知識なくても分かりやすかった点が大きいが、その分、犯人も途中で分かってしまうし、割と使い古された刑法39条もあまり突っ込んで描かれていなかったのは残念。ただし、被害者の家族側は良く描かれており、涙を誘うシーンも多々あった。

  1. 邦画-り