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2019-10-14

夜明け

★★★+(3.5)
w夜明け
鑑賞No:02938
製作:2019年/日本/113分
監督:広瀬奈々子
出演:柳楽優弥/小林薫/YOUNG DAIS/鈴木常吉

ある日、川辺を歩いていた初老の哲郎は、水際に倒れていた1人の青年を見つける。哲郎の自宅で介抱された青年は自ら「シンイチ」と名乗った。哲郎とシンイチは徐々に心を通わせ、哲郎は自身が経営する木工所でシンイチに技術を教え、周囲もシンイチを受け入れていった。しかし、シンイチは本名を明かすことができないある秘密を抱えており、哲郎もまた決して忘れることができない過去があった・・・・。

初老の男と若者のひょんなことからの出会い。初老の男は8年間、あることで罪悪感と後悔に苛まれてきた。そんなところに誰かの救いが必要な若者が現れる。若者にはどこか暗い影があり、訳有りの様子。しかし、「シンイチ」と名乗ったその若者に初老の男はなぜか親近感を持つのである。それは罪悪感と後悔の元凶である、死んだ息子と同じ名前だったからだ。それ以来、初老の男は実の息子と変わらぬ面倒をその若者に対して見せる。そうすることが初老の男にとって贖罪になるのではないかと思った。一方、若者にも、誰にも言えない秘密があった。それに気づいた初老の男は敢えてそのことに触れずにいた。そうすることが、若者に対する最大の優しさと思ったからだ。やがて、若者は耐えきれず、背負いきれない十字架を降ろすが如く、初老の男に真実を語る。誰かに秘密を漏らすことで、どうにかして今の苦境から脱したい若者の精一杯のもがきだった。その手段を知りたかった。しかし、初老の男は2人だけの秘密にしようと言った。再び、十字架を背負うことになり、さらに自分に対して身内以上に親身に世話をしてくれた初老の男にも十字架を背負わせることになった。それに耐えきれなくなったのであろう。ラストは予想外の展開だったが、これが若者の、初老の男に対する優しさだったのだ。結局、お互いを想う気持ちが強過ぎて、うまく噛みあわなかったのであるが、本当の優しさとは何か、考えさせられた。

劇場公開日 2019年1月18日



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2019-01-07

友罪

★★★(3.0)
w友罪
鑑賞No:02904
製作:2018年/日本/129分
監督:瀬々敬久
出演:生田斗真/瑛太/佐藤浩市/夏帆

ジャーナリストの夢を諦めて町工場で働き始めた益田は、同じ時期に入社した鈴木と出会う。無口で影のある鈴木は周囲との交流を避けている様子だったが、同じ年の益田とは少しずつ打ち解けていく。しかしある出来事をきっかけに、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人なのではないかと疑いを抱くようになり・・・。

やはり注目は瑛太が演じる少年Aのその後の青年役。感情を心の奥底に隠し、得体の知れない狂気的な男を演じるところは「アヒルと鴨のコインロッカー」を彷彿させるし、NHK大河ドラマ「西郷どん」での大久保利通役にも通ずる。そのため、全体的には暗く、重い作品だが最後まで見入ってしまう。ただ、「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督作品なのである程度は仕方ないが、佐藤浩市の役どころや演技が「64 ロクヨン」と被るのには観ていて困った。

劇場公開日 2018年5月25日



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2018-05-10

八日目の蝉

★★★★(4.0)
w八日目の蝉
鑑賞No:02178
製作:2011年/日本/147分
監督:成島出
出演:井上真央/永作博美/小池栄子/森口瑤子

会社の上司で妻帯者の丈博を愛した希和子は彼の子供を身ごもるが、産むことは叶わず堕胎してしまう。そんなとき、丈博とその妻・恵津子の間に生まれた子供のことを知らされた希和子は、彼らの生後6か月の赤ん坊を誘拐し、子供には薫と名付け、各地を転々とする逃亡生活を続けることに。そして最後にたどりついた小豆島でひと時の安らぎを得るが、逃避行から4年、ついに捜査の手が希和子に迫り・・・・。

久々に見ごたえのあるドラマを見た感じの映画。誘拐事件を軸に、誘拐後の逃亡生活と、薫が成長し、過去の記憶をたどる旅をうまくリンクさせて展開していくストーリーはなかなか良かった。ただ、悲しく切ない物語で、それぞれの立場は分からないでもないが、観ていてちょっと腑に落ちない描き方に疑問を持った。 いったい誰が悪いのか?どうも映画では、永作博美演じる希和子に同情的に描かれているきらいがあり、そのため薫の実の母親をヒステリックに描くことでそれを強調しているかのようであるが、冷静に考えれば、最大の被害者は薫を除けば実の母親ではないか? そしてどんな理由があろうとも、誘拐は最も憎むべき犯罪であり、希和子の取った行動は弁解の余地のない、許されざる犯罪である。そこの部分にほとんど触れられずに、希和子と薫の疑似親子の物語になっているのがちょっと不満の残るところ。
(子を持つ親としては、森口瑤子演じる実の母親の姿、言動が本当で、真に迫っていると思う)

劇場公開日 2011年4月29日



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2018-04-30

容疑者Xの献身

★★★★★(5.0)
w容疑者Xの献身
鑑賞No:01712
製作:2008年/日本/128分
監督:西谷弘
出演:福山雅治/堤真一/松雪泰子/柴咲コウ

顔を潰され、指紋を隠すため指を焼かれた男の死体が発見される。しかし、すぐ身元は判明し、その男の別れた妻・花岡靖子に警察は疑いの目を向ける。しかし、花岡靖子には完璧すぎるほどのアリバイがあった。貝塚北警察署の内海は、物理学者・湯川に事件の相談をし、湯川は靖子の隣人が大学の同窓・石神哲哉だと知る。彼こそ、湯川が唯一認める天才だった。そしてこの犯罪の裏に石神がいるのではと推理するように・・・・。

いわずと知れたTVドラマ「探偵ガリレオ」の映画化だが、相変わらずTVドラマは見たことないので、このシリーズもこの映画が初見となる。ただ、登場人物も少なく、事件も突発的に起きた殺人事件ということで、ストーリーの中心は天才数学者が犯人である花岡靖子をかばうために考えたトリックを、天才物理学者である主人公が解いていくという単純さで分かりやすい。ただストーリーは分かりやすいが、さすが天才VS天才の知能戦だけ会って次々出てくる工作は秀逸。そして結末の驚きのトリック。しかし、本作が評価されるのは単なるトリックだけではないと思う。原作も読んだことがないので多少意味不明だったタイトルが、ラストでジーンとくるほど切なく迫ってくる悲しいドラマでもあることだと思う。悲しい結末ではあるが、最後は人間としてあるべき姿を見せられて、一番納得のいくラストでよかった。

劇場公開日 2008年10月4日



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2018-02-07

洋菓子店コアンドル

★★★+(3.5)
w洋菓子店コアンドル
鑑賞No:02194
製作:2010年/日本/115分
監督:深川栄洋
出演:江口洋介/蒼井優/江口のりこ/戸田恵子

東京で人気の洋菓子店“パティスリー・コアンドル”に、鹿児島から恋人・海を追いかけて上京して来た少女、なつめが訪ねてくる。しかし、恋人の海は既にコアンドルを辞め、居場所が分からなくなっていた。行く宛のないなつめは、海を探すため泊り込みで働かせてくれと頼み込むのだが・・・・。

江口のりこ演じる先輩パティシエ・マリコの、蒼井優演じるなつめに対する評価や言いぐさは、いちいち尤もと頷いてしまうほど、強気で根拠のない自信過剰ぶりで周りをイラつかせる女性・なつめ。私だったらこんな女性は勘弁願いたいし、なつめの元を去った恋人・海の気持ちも良くわかる。原作ではどう描かれているか分からないが、観ている者をもイラつかせるなつめを見事に演じきった蒼井優はすごい女優かもしれない。主人公(?)の江口洋介の存在や、もう一つの主役である、劇中数々出てくる洋菓子が霞むほど、存在感を出していた蒼井優の映画となっている。マリコ役の江口のりこの存在も光る。

劇場公開日 2011年2月11日



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2017-09-06

世にも奇妙な物語・映画の特別編

★★★(3.0)
w世にも奇妙な物語・映画の特別編
鑑賞No:01130
製作:2000年/日本/130分
監督:鈴木雅之/落合正幸/星護/小椋久雄
出演:タモリ/山本耕史/佐藤隆太/相島一之

人気TVシリーズの劇場版。4つのエピソードで構成されたオムニバス映画。
【雪山】
ジャンボ機が雪山に墜落し、かろうじて生き残った4人は山小屋に避難する。飢えや寒さに耐えながら交代で眠ることにした4人だったが、そこに5人いないとおかしいことに気付き・・・・。
【携帯忠臣蔵】
ある日、大石内蔵助は携帯電話を拾い、討ち入りの事実を確認するために未来から電話をかけてきた男と話をすることに。内蔵助は本気で討ち入りなど考えていなかったが、未来の歴史で自分が有名人になっていることを知り、次第に考えが変わっていく・・・。
【CHESS】
コンピュータとのチェス対戦に敗れた元・チャンピオンの晃はある日、大金持ちの老人からチェスの対戦を申し込まれる。しかしその対戦は単なるチェスではなく、現実の世界を盤にして実際に人間が殺しあうゲームだった・・・・。
【結婚シミュレーター】
婚約中の千晴と有一はヴァーチャルで結婚生活を体験できる結婚シミュレーターに申し込むことに。しかしいざシミュレートしてみると色々な問題が噴出してきて、ついには離婚の危機に・・・・。

映画にするほどのことではないという印象だが、やはりTVではここまではお金かけれないだろ~ナといった位置づけでしょうか。どの作品も短編モノとしてはまずまずだったと思います。【雪山】はうちでも人気が高かったですが、実はこのエピソード、結構有名な話で知ってました。私が行っていた大学でも、そっくりそのままこのエピソードがもとで心霊研究会がつぶれたなんて噂がまことしやかに囁かれてました。チェスの話はチョット怖いですが、携帯電話とシミュレータは現実にあるとイイですね。

劇場公開日 2000年11月3日

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2017-05-11

妖怪大戦争

★★+
妖怪大戦争
鑑賞No:01288
製作:2005年/日本/124分
監督:三池崇史
出演:神木隆之介/宮迫博之/南果歩/成海璃子/佐野史郎

タダシは両親の離婚によって、母と祖父と共に田舎で暮らすことになる。都会育ちのタダシはなかなか田舎育ちのクラスメートに馴染めないが、ある日神社のお祭りでタダシは“麒麟送子”に選ばれ、妖怪が見れるようになってしまう・・・。

妖怪研究の第一人者水木しげると、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきの作家陣のプロデュースチーム「怪」が作り上げた原案を映画化。1968年に同名の映画が作られているが、内容はかなり異なる。ストーリーは至って簡単で、人間が捨てた物や捕獲した妖怪を組み合わせて作った悪霊で人類滅亡を図る加藤保憲に対し、主人公や妖怪たちが力を合わせて対抗するというもの。豪華なキャストはいいが、ほとんどは妖怪役で本人とはわからないほどのメイキャップ技術により無駄な豪華配役の感は拭えなかった。また、豪華なメンバーによる原案の割りに内容がつまらなかったのもどこに問題があったのだろうか?
子供向けの映画と思えるが、我が子もソッポを向いてしまうほどの出来は残念。ただし、昔なじみの妖怪が、昔のような着ぐるみではなくリアルだったので何か懐かしい気がしたのは幸いだった。

劇場公開日 2005年8月6日



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2017-05-08

闇金ウシジマくん ザ・ファイナル

★★★
闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
鑑賞No:02849
製作:2016年/日本/130分
監督:山口雅俊
出演:山田孝之/綾野剛/永山絢斗/真飛聖

ある日、ウシジマの中学時代の同級生・竹本優希がカウカウファイナンスに現れ、生活のための金を貸してほしいと言うが、ウシジマはその頼みを断る。金を借りられずに事務所を去った竹本は、住み込みで労働ができるという「純愛の家」に入居することになるが、「純愛の家」の実態は、入居者に過酷な労働を強いる貧困ビジネスだった・・・・。

Part3では露出度が少なく、目立たなかった感が強かったが、本作ではウシジマくんがメインでストーリーが展開される。それもこれまでは触れられなかったウシジマくんの過去がクローズアップされ興味深い。原作のコミックさえ読んでいなかったので、本シリーズは全作観ていながら、カウカウファイナンスの人間関係もよく知らず、本作でウシジマくんと柄崎の関係を知って驚いた始末。Part3同様、本来の闇金業界ネタは少ないが、緊張感ある展開で面白い。

劇場公開日 2016年10月22日



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2017-05-07

闇金ウシジマくん Part3

★★★★
闇金ウシジマくん Part3
鑑賞No:02848
製作:2016年/日本/131分
監督:山口雅俊
出演:山田孝之/綾野剛/本郷奏多/白石麻衣

派遣の仕事で食いつなぐ沢村真司はある日、街で撮影中のタレントの麻生りなを見かけ、社会の格差を実感する。ネット長者の天生祥が主宰する「誰でも稼げる」というセミナーに半信半疑で参加した真司は、人生の一発逆転を狙った億単位のマネーゲームに巻き込まれていく。一方、妻がいながらキャバクラに通うサラリーマンの加茂守は、美人キャバ嬢を落とそうと躍起になっていたが・・・・。

前2作とは異なり、闇金ウシジマくんはどちらかというと主役というより、主軸に絡んでくるといった設定。そして主軸となるのが、ネットビジネス詐欺に巻き込まれる沢村真司と、酒と女に溺れ破滅していく加茂守の2つのストーリー。全体的に面白くはあったが、闇金業の裏側、小ネタ的なストーリーがなく、主人公の魅力を大いに引き出した作品とは言い切れず、物足らなさは残る。本作は「ザ・ファイナル」と2部作構成になっており、ウシジマくんの出番は「ザ・ファイナル」中心となっている。

劇場公開日 2016年9月22日



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2017-04-25

夕凪の街 桜の国

★★★★+
夕凪の街 桜の国
鑑賞No:01526
製作:2007年/日本/118分
監督:佐々部清
出演:田中麗奈/麻生久美子/堺正章/吉沢悠/中越典子

原爆投下から13年後の広島。地元の小さな会社で働く皆実は、同僚の打越から愛を告白されるが、原爆で死んだ父や妹のことを思うと自分だけが幸せになることはできないと彼を受け入れられずにいた。しかし、自分の被爆体験を彼に語ることで次第に心を開いていくが、やがて皆実にも原爆症の症状が現れてくる。時は過ぎ、平成19年の東京。皆実の弟、旭は家族に内緒で広島に向う。父の行動に不審を抱いた娘の七波は駅でバッタリ会った友人の東子と共に父の後を追うが・・・。

こうの史代原作の同名コミックの映画化。タイトルは「夕凪の街」と「桜の国」の2部構成であることを示す。「夕凪の街」では原爆症の不安を抱えながら、自分だけが生き残った苦悩に苦しむ皆実を、「桜の国」では、父の秘密を追うことで自分のルーツが明らかになっている七波をそれぞれ描きながら、後半は2つの時代がうまく交錯しながらストーリー展開していく見事な構成となっている。原爆がテーマなので重くはあるが、それぞれ悩みながらも明るく振舞う2人の女性により、決してすごく暗いというイメージではなかった。ただ、それだけに起こる現実は物悲く、せつなかった。すでに終戦から60年以上経ち、私も含め戦争の恐ろしさ・悲惨さが風化しつつある今こそ、この映画を観て再認識して欲しいと思える映画。(私も広島県出身ですので、より強く感じます)それにしても、藤村志保の台詞、「あんた、被爆者と結婚する気ね」は胸にグサリときた。被爆者だからこそ、重みのある、子を思う言葉だが、こんな言葉を言わなくてはいけない現実が実際に数多くあったのかと思うと、怒りと悲しみで思わず涙がこぼれた。

劇場公開日 2007年7月28日



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2017-03-22

誘拐

★★★★
誘拐
鑑賞No:00764
製作:1997年/日本/109分
監督:大河原孝夫
出演:渡哲也/永瀬正敏/酒井美紀/柄本明

東昭物産の常務が誘拐され、犯人グループから身代金として3億円を要求してくる。また身代金受け渡しの様子をテレビ中継するようにとの前代未聞の条件も指示される。身代金の運び役は同じ会社の重役が指名され、何十ものテレビカメラが生中継する中、犯人はまるでゲームを楽しむかのごとく、運び役を走らせる。やがて運び役は心筋梗塞の発作で倒れてしまう・・・。

身代金目的の誘拐事件では身代金授受が最大のキーポイントとなるが、それを全国民監視の下、堂々と行うという意表をついた設定にまず興味を惹かれる。実際に身代金を持って走る運び役のシーンも迫力があって緊張感も伝わって来る感じ。ラストの意外な真相に至るまで、なかなか惹き付けて止まない展開はよかった。

劇場公開日 1997年6月7日



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2016-11-22

雪に願うこと

★★★+
雪に願うこと
鑑賞No:01417
製作:2005年/日本/112分
監督:根岸吉太郎
出演:伊勢谷友介/佐藤浩市/小泉今日子/吹石一恵

東京で起業した会社が倒産しかかり逃げてきた上、帯広のばんえい競馬で持ち金をすってしまった学は、調教師の兄を訪ねる。事情を知った兄は、身勝手な学に腹を立てながらも厩務員の仕事を与える。
やがて厩舎での仕事や、自分と二重写しの馬ウンリュウ号を通して人生の挫折から立ち直っていこうとする・・・。

北海道の障害物レース“ばんえい競馬”を舞台にした、家族の絆を描くドラマ。自分では頑張ってきたつもりだが結果的に挫折し八方ふさがりとなってしまって世間から逃避しているにも拘らず自尊心の強い弟、そんな弟に辛く当たりながらもなんとか助けてやろうとする兄。対立しながらもお互い次第に打ち解けあっていく兄弟の姿をよく描いている。老人ホームに入っている母親に弟を会わせることにした兄の心境の変化には拍手喝采したが、母親に会ったときの厳しい現実には涙してしまう。彼らを取り巻く人々も厳しい生活の中、伸び伸びイキイキと生きている様はいかにも北海道らしい。実際のばんえい競馬は経営難から廃止の危機に瀕しているようだが、本作をきっかけに再興できればと思う。

劇場公開日 2006年5月20日



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2016-09-29

夜のピクニック

★★★+
夜のピクニック
鑑賞No:01360
製作:2006年/日本/96分
監督:長澤雅彦
出演:多部未華子/石田卓也/郭智博/西原亜希

全校生徒が徹夜で80kmを歩く行事で、貴子は一度も話したことがないクラスメートの融に話しかける決意をする。しかしなかなか話しかけられないまま、時は過ぎていく・・・。

茨城県の高校で実際に行われている行事を題材にした、恩田陸の同名小説の映画化。映画のほとんどは歩行祭と呼ばれる80kmを歩く行事が中心。はっきり言って約2時間ダラダラ歩くシーンが大半だが、これが意外と面白かった。時間の流れは緩やかでまったりしており、もどかしい気もするが、このまったりさが心地よくなってくる。歩くシーンが多いと言いながら、随所に回想シーンやエピソード風の話が満載で飽きさせない構成になっているのがすごい。主演の二人も素人ぽっさが残っているのがかえってさわやかに感じた。

劇場公開日 2006年9月30日



(キャスト一覧)
多部未華子
石田卓也
郭智博
西原亜希
貫地谷しほり
柄本佑
加藤ローサ
池松壮亮
嶋田久作
田山涼成
南果歩


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2016-07-26

やじきた道中 てれすこ

★★+
やじきた道中てれすこ
鑑賞No:01567
製作:2007年/日本/103分
監督:平山秀幸
出演:中村勘三郎/柄本明/小泉今日子/ラサール石井

5年前に亡くした妻とそっくりの花魁・お喜乃に想いを寄せる弥次はある日、彼女から遊郭を抜け出し病気の父を見舞うために一緒に故郷の沼津に行って欲しいと頼まれる。その遊郭で偶然再会した幼馴染の喜多さんも加え、3人で西に向う珍道中が始まるが・・・。

「東海道中膝栗毛」に「てれすこ」「狸賽」などの落語ネタを取り入れた人情時代劇。中村勘三郎と柄本明という少々年配の役者を配したことで、演技的には安心して観れたものの地味さは拭えなかった。原作の「東海道中膝栗毛」よりも落語ネタ満載の内容で、ストーリーを彩る小ネタ的役割は果たしていたものの、メインストーリーは配役同様やはり地味で単純という感じがした。タイトルに冠している「テレスコ」についても落語ネタ以上の突っ込みはなく、本編との絡みもあまりなかったのが残念。その分、キョンキョンが紅一点、目立っており、いい女優になってきたと感心した。常道の時代劇ではあるが、少々中だるみのする作品。

劇場公開日 2007年11月10日



(キャスト一覧)
中村勘三郎(弥次郎兵衛)
柄本明(喜多八)
小泉今日子(お喜乃)
ラサール石井(梅八)
笑福亭松之助(与兵衛)
淡路恵子(おきん)
間寛平(奉行)
松重豊(地廻りの太十)
山本浩司(地廻りの甚八)
吉川晃司(沓脱清十郎)
鈴木蘭々(清十郎の妻・菊)
藤山直美(お仙)
國村隼(代貸)
笹野高史(お喜乃の父・杢兵衛)


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2015-12-08

予告犯

★★★★
予告犯
鑑賞No:02744
製作:2015年/日本/119分
監督:中村義洋
出演:生田斗真/戸田恵梨香/鈴木亮平/濱田岳/荒川良々

ある日、動画サイトに新聞紙製の頭巾で顔を隠した謎の男が現われ、集団食中毒を起こした挙句に開き直った食品加工会社に火を放つと予告する。警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香は、その謎に包まれた予告犯「シンブンシ」の捜査を開始。シンブンシが単独犯ではなく複数犯であることを見抜く。やがて予告通り、食品加工会社の工場が放火される事件が発生。その後もシンブンシは、警察や法律で罰することのできない犯罪者たちへの制裁を次々と予告しては実行に移す。ついには政治家の殺人予告にまで至り、シンブンシの存在は社会現象を巻きおこしていく・・・・。

高度情報化社会におけるテロリズムを描いた筒井哲也の同名コミックの映画化。小説(あるいは映画)の中での世界としてはとても面白く、出来すぎと感じるほどの計画的犯罪すぎて、逆にリアル感が乏しく感じる嫌いはあった。ただ、最初の予告対象の食品加工会社こそ社会性は感じられるものの、その後の予告は個人対象で、公開制裁するには対象としてあまりにも小さすぎたため違和感があったが、犯人の真の目的と実行力を持ってすればむしろ現実的という理解もできる。主人公の計算された計画にはラスト驚かされるが、真の目的と、犯罪の動機が必ずしも直結せず、納得できない点は残った。

劇場公開日 2015年6月6日



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2015-10-17

八つ墓村

★★★+
八つ墓村(豊川版)
鑑賞No:00829
製作:1996年/日本/127分
監督:市川崑
出演:豊川悦司/浅野ゆう子/高橋和也/宅麻伸

岡山と鳥取の県境に位置する山村の八つ墓村は、戦国時代に村人によって惨殺された8人の落武者の祟りがあると言い伝えられていた。そんな村の青年・辰弥は村の資産家・田治見要蔵の遺児であることを知らされ、田治見家を継ぐように言われる。このことを巡って、村で次々と連続殺人事件が起こることに・・・。

八つ墓村で起こった連続殺人事件に、名探偵・金田一耕助が挑む本格推理サスペンス。遺産相続、祟り、鍾乳洞、双子の老婆・・・・といった具合に横溝ミステリー特有のキーワードが出てきてミステリアスな雰囲気を醸し出している。本作の題材となった津山事件は1938年に起こっており、別名“津山30人殺し”として有名な大量殺人事件が実際に起こっているだけに、単なるフィクションにとどまらないおどろおおどろしさが醸し出されている作品である。本作は1951年に片岡千恵蔵の金田一、1977年には渥美清の金田一で映画化されている。本作の豊川悦司の金田一とあわせ、石坂・金田一、古谷・金田一を見慣れた人には映画版・八つ墓村は、他の横溝作品と比べ少し趣が異なる映画となっている。

劇場公開日 1996年10月26日


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2015-08-12

ゆきゆきて、神軍

★★
ゆきゆきて神軍
鑑賞No:00347
製作:1987年/日本/122分
監督:原一男
出演:奥崎謙三

1982年、兵庫県神戸市。妻・シズミと二人でバッテリー商を営む奥崎謙三は、ニューギニア戦の生き残りであり、69年に、死んだ戦友の怨念をこめて“ヤマザキ、天皇を撃て!”と叫んで天皇にパチンコ玉4個を発射した男である。奥崎はニューギニアの地に自分の手で埋葬した故・島本一等兵の母を訪ね、彼女をニューギニアの旅に連れていくことを約束した。奥崎の所属部隊・独立工兵第36連隊で、終戦後23日もたってから“敵前逃亡”の罪で二人の兵士が射殺された事件があったことを知った奥崎は行動を開始した・・・・。

個性的な記録映画で、一般にはとても受け入れられないと思われた作品だったが、ロングラン上映される異例のヒット作となった作品。ただ、奥崎の執拗な追及を原監督は忠実にカメラで追っていくドキュメンタリーだが、その様子は傍若無人で苦々しい感情に何度もさせられる。それが一方では受けて、ロングラン上映になったのだろうけど、気分のいい映画ではない。

劇場公開日 1987年8月1日


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2015-03-08

蘇える金狼

★★★★+
蘇える金狼
鑑賞No:00349
製作:1979年/日本/131分
監督:村川透
出演:松田優作/風吹ジュン/佐藤慶/成田三樹夫

朝倉哲也は、昼間は平凡なサラリーマンを装っているが、夜はボクシングジムに通いながら体を鍛え、自らが勤める東和油脂の乗っ取りを企んでいる。彼は3億円事件を真似て銀行から1億円の強奪に成功するが、その紙幣の番号は控えられていて・・・。

大藪春彦原作の同名小説を村川透・松田優作のコンビで映画化したハードボイルド作品。松田優作の本領を発揮させたハードボイルド映画の傑作。同様の作品に「野獣死すべし」があり、こちらも面白い。ラストの意味不明な一言が印象的。



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2014-11-18

ゆれる

★★★★+
ゆれる
鑑賞No:01344
製作:2006年/日本/119分
監督:西川美和
出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文

母の一周忌法要のために帰省した弟・猛は、兄・稔と、稔が店長を勤めるガソリンスタンドで働く千恵子の3人で近くの渓谷にドライブに行く。千恵子は昔の猛の恋人で、稔が千恵子に好意を抱いていると知りながら、前日2人は関係を持っていた。そして単独行動をとっていた猛が遠目で見る中、稔と一緒に渓谷の吊り橋にいた千恵子が転落する・・・。

第28回ヨコハマ映画祭や第61回毎日映画コンクールの作品賞などを受賞した人間ドラマ。千恵子の死をきっかけに、兄妹の絆がゆれる様をゆれる吊り橋にかけているのはわかったが、裁判の結末とラストの兄・稔の表情には釈然としないものが残った。まったく違う道を歩んでいる兄と弟は表向き近いようで実は遠い存在なのか?男の子2人の親である私には複雑な思いに駆られる映画だった。オダギリジョーは観るたびに俳優として成長している感があり、その他の出演者も皆地味な俳優だが個性的な俳優を揃え、淡々と進むストーリーを飽きさせない旨みを出していた。
  1. 邦画-ゆ

2014-11-04

闇金ウシジマくん Part2

★★★★
闇金ウシジマくん Parts2
鑑賞No:02574
製作:2014年/日本/133分
監督:山口雅俊
出演:山田孝之/綾野剛/崎本大海/やべきょうすけ

ある日、ウシジマの事務所に暴走族のヘッド・愛沢とトラブルを起こしたヤンキーのマサルが、愛沢に連行されてくる。愛沢はマサルに借金をさせ、その金を自分への慰謝料として払うよう要求するが、マサルはウシジマに懇願してカウカウ・ファイナンスで働くことに。当てがはずれてしまった愛沢だが、彼にもまた、すぐにでも金が必要なある事情があった・・・・。

真鍋昌平の人気コミックを山田孝之主演で2010年にテレビドラマ化、2012年には映画化された劇場版第2作。闇金業者、ヤクザ、ホスト、風俗嬢、ヤンキー、ストーカーといった裏社会に生きる人々が描かれており、非現実でありながら、まんざら嘘でもないそこそこリアル感があって、恐怖が伝わってくる。裏社会の怖さ、そして際限のない欲望のエスカレート、その先には破滅、そして死が待っているという、負の連鎖。決して関わりたくない、別世界である。そんな中、クールで毅然に生きるウシジマはある意味、魅力的。ただ、Part2はエピソードが多すぎて、逆にどれも中途半端で、かつウシジマがイマイチ目立たなかった感は否めない。
  1. 邦画-や

2014-09-12

黄泉がえり

★★★★
黄泉がえり
鑑賞No:01170
製作:2002年/日本/126分
監督:塩田明彦
出演:草なぎ剛/竹内結子/石田ゆり子/哀川翔

九州・阿蘇の山村で、死んだ人間が次々と甦る現象が起こった。それも死んだ当時の姿のままで、ある日突然何事もなかったように現れるのだった。厚生労働省に勤める川田は、自分の故郷で起こったこの不思議な現象の調査に乗り出す。そして川田は、死んだ親友・俊介の婚約者だった葵と再会する。葵もまた、死んだ俊介が甦ることを願い続けていた・・・・。

年を取るにつれ、「死」というものがより身近になってくる。親・親類縁者・友人・知人と、次々と親しき人の死を経験するようになる。この映画は観る人の年齢によっても感じ方は大きく異なるかも知れないが、愛する人と再び会いたいという気持ちが短期間ながら叶えられ、そして再び悲しい別れを迎えるという切ないファンタジーです。いくつかのエピソードが語られますが、それぞれ胸に迫る内容です。1つ1つのエピソードには時間の関係もあってさほど深みがないのが残念ですが、二度と会えないと思っていた人に会える喜びには単純に共感できました。ただ死を受け入れられない人にとっては、ある意味残酷な出来事になるかも知れません。(二度、死を経験することになるのですから・・・)ほんと、この年になると、切なく感じる映画です。
  1. 邦画-よ

2014-06-19

陽気なギャングが地球を回す

★★
陽気なギャングが地球を回す
鑑賞No:01306
製作:2006年/日本/92分
監督:前田哲
出演:大沢たかお/鈴木京香/佐藤浩市/松田翔太

偶然出会った4人が持つ個性豊かな能力を活かして銀行強盗チームを結成、完全計画で銀行強盗を成功させるが、ある日計画がばれて謎の覆面強盗に襲われる。仲間の裏切りを知るが、真相を知った3人は裏切った雪子の元恋人も仲間に入れて復讐に乗り出す・・・。

配役はなかなか豪華で、テンポもよいが、くだらないといえばくだらない作品。最後は「スティング」ばりのどんでん返しがあるが、基本的にマンガチックな内容。あまり期待せずに、暇つぶし程度で観るにはいい映画。




  1. 邦画-よ

2014-05-05

許されざる者

★★★★
許されざる者(2013年)
鑑賞No:02514
製作:2013年/日本/135分
監督:李相日
出演:渡辺謙/佐藤浩市/柄本明/柳楽優弥

幕末、幾多の志士を斬りまくり、「人斬り十兵衛」と恐れられた釜田十兵衛は、幕府崩壊後いつしか姿を消し、人里離れた場所で静かに暮らしていた。やがて月日は流れ、妻に先立たれた十兵衛のもとにかつての仲間が現れ、無残に傷つけられた女郎と賞金のため、再び刀を手にすることになるが・・・・。

クリント・イーストウッド監督・主演で第65回米アカデミー作品賞、監督賞ほか4部門を受賞した傑作西部劇「許されざる者」(1992)の日本版リメイク。明治初期の北海道が舞台で、旧幕府側の人間、新政府側の人間、アイヌ人、女郎など色々な立場の人間が登場し、権力を持つ者と、その権力に従わざるを得ない者との格差をまざまざと見せつけられます。ただ、どちらも、いい、悪いでいうと、みんな脛に傷持つ悪い人ばかりで、心から同情したり共感することはできません。主人公の十兵衛だって、今は権力者の前にひざまづかなければならない立場だが、改心したとはいえ、かつては非常な人斬りで多くの命を奪っていた人間ですから・・・。しいて同情できるのは女郎たちと残された十兵衛の子供たちでしょうか。ただ、それでも最後は虐げられた人間の復讐を果たし、溜飲は下がります。



出演者
渡辺謙(釜田十兵衛)
佐藤浩市(大石一蔵)
柄本明(馬場金吾)
柳楽優弥(沢田五郎)
忽那汐里(なつめ)
小池栄子(お梶)
國村隼(北大路正春)
小澤征悦(堀田佐之助)
三浦貴大(堀田卯之助)
滝藤賢一(姫路弥三郎)
近藤芳正(秋山喜八)


  1. 邦画-ゆ

2014-03-07

野獣死すべし

★★★★

鑑賞No:00344
製作:1980年/日本/118分
監督:村川透
出演:松田優作/小林麻美/室田日出男/鹿賀丈史


ある夜、警視庁の警部補・岡田が殺され、拳銃を奪われるという事件が起こる。さらに、賭博場が襲われ、暴力団3人が射殺され、現金三千万円が奪われる。岡田の部下だった柏木は、執念深く事件を追い、通信社の戦場カメラマンだった男・伊達邦彦を容疑者として追うことに・・・・。


「蘇える金狼」と並ぶ、松田優作のハードボイルド映画の傑作。主人公は戦場カメラマンとして幾多の地獄絵図を見てきた経験が、まさに野獣の如く狂気を帯びた男を作り上げているが、そんな男を松田優作が見事に演じていた。周りを固める役者、特に鹿賀丈史のキレた演技も秀逸で松田優作に劣らない狂気を醸し出しているし、刑事役の室田日出男も松田優作との対峙シーンで印象強い演技をしています。狂気に満ちた内容だけに部分部分で分かりにくいところはありますが、好奇心と緊張感の持続する映画です。それにしてもハードボイルドとはいえ、あまりにも無抵抗の人を殺しすぎ!?また前半の緻密な銀行強盗計画に比べ、実践は意外と乱雑だったのが残念。





  1. 邦画-や

2013-09-25

山のあなた ~徳市の恋~

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01684
製作:2008年/日本/94分
監督:石井克人
出演:草なぎ剛/加瀬亮/マイコ/堤真一


目の不自由な二人の按摩、徳市と福市は冬場を海の温泉場で過ごし、春先からは山の温泉場で稼ぐのが毎年の恒例だった。そんな彼らが山の温泉場に向う途中、彼らの横を1台の馬車が駆け抜けていった。馬車には東京から山の温泉場に向う女性・三沢美千穂と、大村真太郎、真太郎の甥・研一が乗っていた。徳市らが温泉場に着くと、早速呼び出しがかかるが、お客は美千穂だった・・・。


古きよき時代の人々の触れ合いと自然の美しさを感じさせる映画。徳市の一途な恋を柱に、温泉街で巻き起こる騒動を描いているが、騒動といってもそんな大したものではなく、緊張感というものはあまり感じられずにストーリーは淡々と進んでいく。目の不自由な按摩役というちょっと難しい役どころを草なぎ剛はよく演じていたが、腰の低いイメージのある按摩(草なぎ剛も勝手にそんなイメージを持っているが・・・)だが、草なぎ演じる徳市はちょっと過激な言動もあり、意外感はあった。昨今邦画に多いゆるめの感じの映画で面白味には欠けるが、ゆったり自然を満喫しながら観るにはいい映画かも?(温泉に行ってマッサージを受けたい気分にはなるかも?)


  1. 邦画-や

2013-09-12

約三十の嘘

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01875
製作:2004年/日本/100分
監督:大谷健太郎
出演:椎名桔平/中谷美紀/妻夫木聡/田辺誠一


大阪駅から、札幌行きの豪華寝台特急トワイライトエクスプレスに乗り込んだ5人の男女。彼らは、落ちぶれた天才詐欺師・志方をはじめ、クールな美女・宝田、アル中の佐々木などで、偽者の羽毛布団を売ってひと儲けをたくらんでいた。途中で乗り込んできたボインの美女・今井を加え、彼らは札幌でひと儲けに成功するが、大金の詰まったスーツケースが列車から消えてしまって・・・・。


映画の舞台の大半が列車の中という、いわゆる密室劇で、登場人物はほとんど6人だけ、そして彼らは詐欺師ということになれば、「キサラギ」のような次々にくるどんでん返しというのをいやがうえにも期待してしまう。その期待が大きかったゆえ、期待を上回るどんでん返しはなく、ちょっと期待はずれの内容だった。最後くらいはあるかと思った「まさかの展開」も、来るか来るかと思わせておいて来ないという残念さ。クールなイメージの椎名桔平のとぼけた演技、誠実で優しいイメージの妻夫木聡のチョイ悪イメージの演技は新鮮でよかった。

  1. 邦画-や

2013-08-15

横道世之介

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02407
製作:2012年/日本/160分
監督:沖田修一
出演:高良健吾/吉高由里子/池松壮亮/綾野剛


1987年、大学進学のため長崎から上京した世之介は、入学式で出会った倉持とサンバ・サークルに入り、慌ただしい毎日を送っていた。そんなある日、友人からWデートに誘われ、そこで社長令嬢の与謝野祥子と出会う。意気投合した2人はやがて付き合うようになるが・・・・。


1980年代の学生ライフを描いているが、さほど大きな事件や展開がないにも関わらず、160分の長尺さはちょっと中だるみしてしまう。それでも最後まで観れるのは、登場人物に悪い人は誰も出てこず、嫌な気分にならないからだろうか。まして、主役の世之介は大らかでお人よしのいい人、恋人の祥子も天真爛漫で嫌味がないので、観ていて心地よい。それだけに終盤のラジオDJが伝えるニュースには衝撃で耳を疑った。何か、こんな終わり方はこの作品には似つかわしくないように思われた作品。





  1. 邦画-よ

2013-08-04

山桜

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01680
製作:2008年/日本/99分
監督:篠原哲雄
出演:田中麗奈/東山紀之/篠田三郎/檀ふみ


江戸後期。野江は若くして最初の夫に先立たれ、現在は二度目の嫁ぎ先である磯村家にいたが、実家の浦井の家とは環境がまるで違っていた。武士ながら蓄財に勤しむ夫と舅、“出戻りの嫁”を蔑む姑、そんな中でも野江は磯村の嫁として懸命に耐えていた。そんな折、野江は山道で偶然、手塚弥一郎と名乗る武士と出会う。その武士は野江が磯村に嫁ぐ前に、縁談を申し込んできた相手だったが、母一人子一人の家と聞いて会うこともなく断っていたのだった・・・。


自分の不遇な現状にもじっと耐える健気な嫁を田中麗奈がよく好演していた。二度ので戻りを演じる女性としては少々若い気もしたが・・・。でも時代とはいえ、相手を確認せずに結婚の承諾や断りをするところにこのような不幸が起こるのだが、そんな中、野江の母親が野江に言う一言が印象的。「あなたはただ遠回りしているだけですよ。」この一言に、不幸な過去に後悔せず、まだ見ぬ未来に一条の光明を見出すことができる。人には避けることのできない運命というものがあるのかもしれないが、この一言はその運命を受け入れながらポジティブに生きていく希望を持たせる一言に聞こえた。ありがちなストーリー展開ではあるが、やはり涙を誘ってしまう良品に仕上がっている。ラストはちょっと消化不良気味の終り方。結論を観る者に委ねる手法もよいが、ここは結論を出して欲しかった。まして不幸な結婚生活を耐え忍んでいただけに、最後は野江が幸せな人生を掴み取るところを見たかった。ベタでもいいから納得いく殿様の裁断でスッキリ終りたかったのが正直な感想。





  1. 邦画-や

2013-05-26

山形スクリーム

★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01902
製作:2009年/日本/116分
監督:竹中直人
出演:成海璃子/AKIRA/マイコ/竹中直人


歴史研究会の女子高生4人組が、落ち武者伝説の残る山形県の村を訪れる。その日は村で村長らにより、落ち武者を祀る祠を壊す行事が行われていたが、祠を壊したことにより、落ち武者4人がゾンビとなって復活してしまう。そしてゾンビたちは村人を次々と殺していき・・・・。


竹中直人の監督第6作だが、これは酷かった。何でこんな映画を撮ったのか?わけの分からないストーリーの上、怖くも面白くもないコメディホラーだから最悪。色んな映画などのパロディもあるが、それも意味のないパクリにしか見えなかったし、映像的に汚いシーンもあるし・・・。ここ何年か洋画を抑え、いい邦画が増えてきた反面、お笑いタレントの安易な映画作りから駄作も増えてきているように思えるが、これもそのうちの1本。

  1. 邦画-や

2013-04-16

野性の証明

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:00345
製作:1978年/日本/143分
監督:佐藤純彌
出演:高倉健/中野良子/薬師丸ひろ子/夏八木勲


自衛隊特殊工作隊の味沢岳史は東北山中の単独踏破訓練中、近くの寒村で起こった大量殺人事件に遭遇する。その中で唯一頼子という少女が生き残るが、彼女はそのときのショックで記憶喪失となっていた。時は流れ、自衛隊を除隊した味沢は羽代市で保険の外交をしていた。そして彼の元には養女として引き取られた頼子がいた・・・・。


森村誠一の同名小説の映画化。公開当時は「人間の証明」で一躍有名になった森村誠一の小説が売れに売れていた時期で、それに当時としては大々的な宣伝を行う角川映画の効果もあって一大旋風を起こした作品のようなイメージが残っている。さらに主演が高倉健に加え、この映画がデビュー作となり、やがて超アイドル映画スターになる薬師丸ひろ子だったということもヒットの要因だったように思う。ストーリーとしては、本来の推理ミステリーの要素を残しつつ、ある地方都市の腐敗した権力構造に立ち向かう男を描いているが、自衛隊も絡ませた社会派映画の雰囲気が強い。もう30年前の映画だが、薬師丸ひろ子演じる頼子のセリフ「お父さん、怖いよ!」は今でも記憶に新しい。



  1. 邦画-や

2013-03-07

夢売るふたり

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02346
製作:2012年/日本/137分
監督:西川美和
出演:松たか子/阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木砂羽


東京の片隅で小料理屋を営む貫也と妻の里子。店は小さいながらも繁盛していたが、調理場からの失火が原因の火事で全てを失ってしまう。絶望して酒びたりの日々を送っていた貫也はある日、常連客だった玲子と再会、酔った勢いで一夜を共にしてしまい、それがきっかけで大金を手にする。その事を知った里子は、結婚詐欺で金をだまし取る事を思いつき・・・・。


結婚詐欺を始めるきっかけまでは非常に面白い展開で興味津々で観ていたが、具体的に結婚詐欺を働くようになってからがさっぱりダメ。結婚詐欺の対象を多くしたがために、一人一人のエピソードに全く深みがなく、話も省略しまくっているため、全然感情移入できない始末。これはトリックを全く明かさないミステリーを見せられているようで、制作サイドの怠慢とも取れる。さらに後半に入って分かりにくいシーンが多く、ラストに至ってはこれで終わり?と首をかしげたくなる終わり方。やはり詐欺の対象者をもっと絞り、話に深みを持たせ、そしてもっとドロドロしい復讐劇にするなど、面白くなる要素の多い題材だっただけに残念である。





  1. 邦画-ゆ

2013-02-10

闇金ウシジマくん

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02333
製作:2012年/日本/129分
監督:山口雅俊
出演:山田孝之/大島優子/林遣都/崎本大海


借金の回収のためにセレブたちのホームパーティに訪れた丑嶋は、イベント系サークル代表のジュンと出会う。数日後、丑嶋の経営する「カウカウ・ファイナンス」に現れたジュンは、イベントの資金調達のための借金を懇願する。一方、ギャンブルにハマった母親の借金を背負い、丑嶋の容赦ない取り立てに追われる未來。借金返済のため“出会いカフェ”でバイトを始めた未來は、簡単に手にした大金に次第に気持ちが揺らいでいく・・・・。


原作がどのようなものか知りませんが、ジュンと未來がストーリーの中心として表だって描かれており、主役であるはずの丑嶋の露出が少し少ないのは残念でした。(もう少し、闇金業者の実体を見てみたかった) 映画の尺が長い割には間延びした感のある展開で、かつ構成・編集に問題があるのか、ストーリーがやたら飛んでいるようで分かりにくい個所が目立った。全体的には割と面白かったが、最後のジュンに対する仕打ちは酷く、後味の悪いものとなった。それにしても山田孝之の役になり切る演技には脱帽する。





  1. 邦画-や

2013-01-30

欲望

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02258
製作:2005年/日本/133分
監督:篠原哲雄
出演:板谷由夏/村上淳/高岡早紀/津川雅彦


中学時代、三島由紀夫に傾倒する美少年・正巳に憧れながらも、親友の阿佐緒に好意を寄せる正巳と一定の友情を保っていた類子。それから10数年後、学校図書館司書として穏やかな生活を送っていた類子は、年上の精神科医と結婚した阿佐緒を囲み、久々に正巳と再会する。しかし正巳には、類子しか知らない秘密があった。高校時代に巻き込まれた事故で、正巳は性的不能に陥っていたのだ。そうと知りながらも類子は、正巳への愛が止められず、また正巳も類子を愛し始めていた・・・・。


直木賞作家・小池真理子の同名小説の映画化。ストーリーは陳腐で退屈な内容。なんか昼メロを見ているよう。高岡早紀は小悪魔的な女性を好演していたし、主演の板谷由夏も大胆なヌードシーンも辞さない演技には目を見張った(ただ、このシーンがなければ話題にもならない映画だとは思うけど・・・)。女性陣が熱演する中、その2人の相手役となっている正巳を演じている村上淳の存在感のなさには残念としかいいようがない。だいたい尻のタトゥーは何なんだ。原作は知らないがイメージとは違う正巳像(尻)に幻滅させられる映画。男性陣ではさすがに津川雅彦が存在感を出していた。

  1. 邦画-よ

2012-10-28

容疑者 室井慎次

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01291
製作:2005年/日本/117分
監督:君塚良一
出演:柳葉敏郎/田中麗奈/哀川翔/八嶋智人


新宿で起きた殺人事件の被疑者が逃走中に車にはねられ死亡する。この事件の捜査本部長を務めていた室井は、この事件に疑問を抱いており被疑者死亡で決着したはずのこの事件の捜査を続行する。そんな矢先、被疑者の母親が捜査の行き過ぎを主張し室井を告訴し、室井は逮捕されてしまう・・・。


「交渉人 真下正義」に続く「踊る大捜査線」のスピンオフ第2弾。「踊る大捜査線」のスピンオフながら「交渉人 真下正義」が結構面白かったので期待してみたが、期待が大きかったせいもあるのか、期待は大きく裏切られた。スピンオフなので、必ずしも「踊る~」とは趣きを異にしてもしょうがないが、「踊る~」のような軽いノリと後半の盛り上がり、「交渉人~」のようなハラハラドキドキ感といったものがなく、いわば冤罪ともいうべき汚名を晴らす闘いが中心のため、重く暗い感じがした。

  1. 邦画-よ

2012-10-04

誘拐ラプソディー

★★★
シネマ大好き!

鑑賞No:02004
製作:2009年/日本/111分
監督:榊英雄
出演:高橋克典/林遼威/船越英一郎/哀川翔


前科物で数百万円の借金を抱える伊達秀吉は、人生にくたびれて自殺しようとするが、死に切れずにいた。そんなところに家出をしてきた小学生・篠宮伝助が現れる。伝助が金持ちの子どもだと知ると、秀吉は伝助を誘拐して身代金を奪い取ろうと実行に移す。しかし、実は伝助はヤクザの組長の息子で、やがて秀吉はヤクザたちに追われることに・・・。


高橋克典がコミカルな演技全開で終始する誘拐もの。棚からぼた餅的に易々と良家のお坊ちゃんを誘拐できたと喜ぶ、借金まみれの主人公だが、実はヤクザの息子と知り仰天。さらに誘拐するつもりのないのに、さらにその友達も加わり、その子は警官の息子というから笑える。誘拐ものとは言いながら、手口はありきたりの古めかしさ。誘拐された子も人懐っこく悲壮感はなく、誘拐ものというよりはコミカルなロードムービーといった方がよい内容。


  1. 邦画-ゆ

2012-04-18

余命1ヶ月の花嫁

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02077
製作:2009年/日本/129分
監督:廣木隆一
出演:榮倉奈々/瑛太 /柄本明/安田美沙子


イベントコンパニオンの千恵は、ある展示会で知り合った太郎と付き合うようになる。しかし、すでにその時、乳がんを患っていた千恵は、悩んだ末、太郎に病気のことを告白し、別れを告げる。しかし、太郎は千恵を追って屋久島にたどり着き、二人は共に生きていくことを決意する。だが、乳がんが再発した千恵の苦しい闘病生活が始まり、太郎は献身的に看病するが・・・・。


榮倉奈々。顔と名前は何となく知っていましたが、主役級の作品を見るのは初めてでしいた。でもこの映画ではっきり印象付けられました。ただ、女優そのものというよりも、ひょっとしたら、余命1ヶ月の花嫁としてかも・・・。 それぐらい、主人公の千恵になりきっていたと思います(演技そのものは決して上手いとも思えないのですが・・・)。実話ということもあって、やっぱり泣ける映画ではありますね。ただ、榮倉奈々ががん末期とは思えないくらい健康そうで、ちょっとリアリティに欠ける嫌いはありましたが・・・。

  1. 邦画-よ

2012-03-30

行きずりの街

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02117
製作:2010年/日本/123分
監督:阪本順治
出演:仲村トオル/小西真奈美/南沢奈央/窪塚洋介


12年前に生徒の雅子との恋愛スキャンダルが原因で教職を追われ、東京から故郷に戻り、塾教師をしていた波多野。しかし、塾の元教え子・ゆかりが東京で失踪したため、12年ぶりに上京し、ゆかりの行方を追うことに。そして、彼女の身辺を調査するうちに、かつて波多野が勤めていた学園の幹部が関与している疑いが出てきて・・・・。


原作が、「このミステリーがすごい!」で第1位に輝いたと聞いていたので、かなり期待して観たのですが、ちょっとゲストの豪華なTVのサスペンスドラマを観ているような感じで、映画としてはちょっと安っぽい感じが否めませんでした。ジャンルも、ミステリーなのか、ラブロマンスなのか、どちらも両立させたかったのかも知れませんが、逆にどちらも中途半端な感じで終わったよう。主演の仲村トオルも熱演していましたが、なぜか観た後のインパクトに欠ける気がしました。唯一の注目は小西真奈美。可愛い感じの強い女優だったが、最近は幅広い役柄に挑戦し、今回はバーのマダムを熱演している。



  1. 邦画-ゆ

2012-03-09

やさしい手

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02226
製作:2010年/日本/80分
監督:関根和美
出演:水沢アキ/風祭ゆき/大竹一重/宮川一郎太


不漁続きで水産加工場のパートの職を失った葵は、失踪した夫が残した300万円の借金返済と脳梗塞で倒れた夫の母(の世話に頭を悩ませていた。懸命な職探しもしても不景気の上、50歳という年齢もネックとなってすべてダメ。困り果てて訪ねた求人先は「コンパニオン急募・年齢不問・個室ビデオ」。それは男性を手で慰める風俗の仕事だった・・・。


2007年製作の英仏合作映画「やわらかい手」を、舞台を日本に移して水沢アキを主演にリメイクした作品のようです。「やわらかい手」でもそうでしたが、風俗店のオーナーがいい人というのがこの作品をほのぼのとしたものにしている。特に本作での女性オーナーは本当にいい人。いい人と言えば本作に出てくる人はみんないい人。唯一、悪人と思われるのが宮川一郎太演じるサラ金業者だが、それもラストでは・・・。それにしても水沢アキの56歳でのフルヌード披露が話題となった作品だが、ヌードシーンの必然性は全く感じられず、ラストのベッドシーンも何だったのか?ラストに大いに疑問の残る作品。


予告編

  1. 邦画-や