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2019-08-12

十二人の死にたい子どもたち

★★★★(4.0)
w十二人の死にたい子どもたち
鑑賞No:02932
製作:2019年/日本/118分
監督:堤幸彦
出演:杉咲花/新田真剣佑/北村匠海/高杉真宙

それぞれに事情を抱え、廃病院の一室に集まった12人の未成年たち。彼らの目的は集団安楽死をすること。ところが12人だけのはずのその部屋には、すでに死体となった13人目がいた。彼は何者で、なぜここにいるのか。そして一体誰が殺したのか。互いに議論を重ねる中で、次第にそれぞれの死にたい理由が明らかになっていくとともに、疑心暗鬼を募らせていく12人だが・・・・。

テーマからして、途中のストーリーは別にして結論(エンディング)は観る前から一目瞭然。しかし、結論は明白でも観ていて最後まで飽きさせなかった。集団安楽死を希望する12人の若者たちの動機はそれぞれあって、同情するべき点もあり、それが13人目の死体の存在の謎も加わって謎解きの様にストーリーが展開(解明)されていく新鮮さの連続によるものかもしれない。しかし、動機自体はどれもありがちなものばかりで意外性には乏しい。観ていて一番困ったのは出演俳優が若手ばかりでよく分からないため、役どころと名前の区別がつかず最初は混乱し、最後の方でやっと違いが分かってきたこと。エンディングで経緯を時系列に整理して親切に見せてくれるが、謎めいた設定にするためのわざとらしさのある個所があることも否めなかった。

劇場公開日 2019年1月25日



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2019-08-05

サムライマラソン

★★(2.0)
wサムライマラソン
鑑賞No:02930
製作:2019年/日本/104分
監督:バーナード・ローズ
出演:佐藤健/小松菜奈/森山未來/染谷将太

。外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す・・・・。

日本のマラソンの発祥と言われる史実「安政遠足(あんせいとおあし)」を題材に執筆した小説「幕末まらそん侍」の映画化ということで歴史好きには期待が高まった。また、原作の土橋章宏は「超高速!参勤交代」で第8回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した脚本家・作家で、ついつい「超高速!参勤交代」のイメージでイメージが膨らんだ。ネット上では評価が分かれているそうだが、私は最初に勝手に作られた自己イメージの影響もあって、落胆させられざるを得なかった。特に前半はストーリーもブツ切りで分かりにくく、背景や登場人物についても説明が少ないので、何をゴールに今、何を描かれているのか、ぼんやりしたまま進行するのであまり映画に入り込めなかったのが正直な感想。

劇場公開日 2019年2月22日



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2019-06-26

最後の猿の惑星

★★+(2.5)
w最後の猿の惑星
鑑賞No:00084
原題:Battle for the Planet of the Apes
製作:1973年/アメリカ/93分
監督:J・リー・トンプソン
出演:ロディ・マクドウォール/クロード・エイキンズ

人類と猿類との戦争はついに核戦争へと発展し、両者はほとんど全滅してしまう。その中でわずかに生き残った猿類のリーダー、シーザーは未来を予知できた両親が残したといわれるビデオを発見し、人類との共存を目指すようになる。しかし、ミュータント化した人類が猿の都を攻撃してきて激しい戦闘が繰り返されることに・・・。

「猿の惑星」シリーズ最終章。衝撃的な第1作から、その後日譚ともいえる第2作、チョット視点を変えて舞台を現代の地球にした第3作と、インパクトは薄れながらも「猿の惑星」の世界を広げていったシリーズだが、最後はなんかむりやり辻褄を合わせながら丸く収めたといった感が強い。でも結局、矛盾が多く、第1作のような衝撃さは微塵もない、あまり意味のない結末編となったのは残念。第3作目まではなんとか面白いシリーズで期待もあっただけに落胆した。

劇場公開日 1973年7月21日



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2019-04-30

スマホを落としただけなのに

★★★★(4.0)
wスマホを落としただけなのに
鑑賞No:02921
製作:2018年/日本/116分
監督:中田秀夫
出演:北川景子/千葉雄大/成田凌/田中圭

いつものように彼氏に電話をかけた麻美は、スマホから聞こえるまったく聞き覚えのない男の声に言葉を失うが、声の主はたまたま落ちていた彼氏のスマホを拾った人物だった。彼氏が落としたスマホが無事に戻ってきたことに一安心する麻美だったが、その日から麻美の日常は一変する。まったく身に覚えのないクレジットカードの請求、それほど親しくない友だちからの執拗な連絡……それらは麻美のさまざまな個人情報が彼氏のスマホからの流出を疑う事象の数々だった。一方その頃、ある山中で若い女性の遺体が次々と発見される事件が起こる。すべての遺体には、いずれも長い黒髪が切り取られているという共通点があり・・・・。

まさかそこまで・・・と思える情報漏えいでプライベートが丸裸にされ、恐怖の体験をするカップルを描いている。少々オーバーにも思えるが、現実的には可能性はあり、個人でも危機管理、セキュリティ管理の重要性を再認識させられた。作品の中に出てくる注意は単にストーリー上の物ではなく、作品を通して警鐘を鳴らしているものと思わざるを得なかった。映画自体はストーリーも分かりやすく、ほどよい意外性に楽しめた。途中で犯人が分かってしまうが、監督もそれは承知の上のようで、無理に謎を最後まで引っ張らないところも逆にこの作品の良さに思えた。犯人の女装姿や殺人シーンはまさにヒッチコックの「サイコ」を彷彿させるもので、直接的な映像よりも想像を掻き立てるような映像でより恐怖を感じる演出を行っている。

劇場公開日 2018年11月2日



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2019-03-28

幸福の黄色いハンカチ

★★★★★(5.0)
w幸福の黄色いハンカチ
鑑賞No:00298
製作:1977年/日本/108分
監督:山田洋次
出演:高倉健/倍賞千恵子/武田鉄矢/桃井かおり

北海道網走。夢だった新車を買って北海道をドライブしていた鉄也は、途中出会った朱美を乗せてドライブしていた。そこでひょんなことから出所してきたばかりの勇作と出会い、3人は旅を続けることに。その旅の途中、勇作が一昨日出所したばかりだということを2人は知る。経緯を聞くうちに、3人は勇作の妻の元に向うことに・・・・。

日本映画の中でも感動の1本。涙なくして見れない感動作でありながら、武田鉄矢と桃井かおりが同行していたことでロードムービーとしても非常に楽しみながら観れたのがさらによかった。それにしても、高倉健と倍賞千恵子の夫婦の演技も最高。出会いから事件を起こすまでの過程には、完全にはまり込んで見入ってしまった。そして、出所直後の、高倉健が食堂でビールを飲むシーン。あんなに美味そうにビールを飲むシーンを見たことがない。ホントに出所したての男の表情を見事に出していたと思う。そして感動のラスト。もう、震えがくるような感動に陥る名作である。ラストシーンではためく黄色いハンカチのまぶしさは、やはりこの映画を観た人にはいつまでも目に焼きつく光景だと思う。それぐらい、鮮やかな黄色は目にまぶしかった。そしてあの掲げられたハンカチの多さ。妻が夫の帰宅をどれだけ待ち焦がれていたかを象徴するような数に、さらに涙した人も多いのでは?

劇場公開日 1977年10月1日



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2019-01-27

空飛ぶタイヤ

★★★★+(4.5)
w空飛ぶタイヤ
鑑賞No:02914
製作:2018年/日本/120分
監督:本木克英
出演:長瀬智也/ディーン・フジオカ/高橋一生//深田恭子

ある日トラックの事故により、1人の主婦が亡くなった。事故を起こした運送会社社長、赤松徳郎が警察から聞かされたのは、走行中のトラックからタイヤが突然外れたという耳を疑う事実だった。整備不良を疑われ、世間からもバッシングを受ける中、トラックの構造自体の欠陥に気づいた赤松は、製造元であるホープ自動車に再調査を要求する。しかし、なかなか調査が進展を見せないことに苛立った赤松は、自ら調査を開始。そこで赤松は大企業によるリコール隠しの現実を知ることとなる・・・・。

実際に起こった三菱自動車によるトラック脱輪死傷事故とリコール隠しを下敷きにした作品だが、現実もこうだったのだろうと思わず思ってしまう倫理観のない企業至上主義を顕著に現した作品。ここでは弱者はいつも被害者・犠牲者となり、泣き寝入りさせられている現実。正義感を持って真実を追求しても巨大な悪の壁のもと、潰えてしまう現実をまざまざと見せつけられる。内部告発でさえ非情なまでの追及で犯人捜しをされ、握りつぶされてしまう。実際にも発覚していないだけで、至る所で同じようなことが起こり、闇から闇に葬りさられているのではないかと思わず疑ってしまう。ラストは真実が暴かれるという、いわゆるハーピーエンドで終わるが、根本的な問題が解決されていないので、どうもスッキリしない終り方だった。ただ、十分見ごたえはある作品。

劇場公開日 2018年6月15日



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2018-12-31

娼年

★★★+(3.5)
w娼年
鑑賞No:02909
製作:2018年/日本/119分
監督:三浦大輔
出演:松坂桃李/真飛聖/冨手麻妙/猪塚健太

大学での生活も退屈し、バイトに明け暮れ無気力な毎日を送っているリョウ。ホストクラブで働く中学の同級生シンヤがリョウのバイト先のバーに連れてきたホストクラブの客、御堂静香。彼女は秘密の会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナーで、恋愛や女性に興味がないというリョウに「情熱の試験」を受けさせ、リョウは静香の店で働くこととなる。「娼夫」という仕事に最初は戸惑うリョウだったが、女性たちひとりひとりが秘めている欲望の奥深さに気づき、そこにやりがいを見つけていく。リョウは彼を買った女性たちの欲望を引き出し、そして彼女たちは自分自身を解放していった・・・・。

この作品は内容・ストーリーはともかく、一人の大学生が「娼夫」という仕事に目覚めて、No.1「娼夫」に変貌していくその過程が見ものであり、何と言っても主人公の大学生リョウを演じる松坂桃李の、言葉通り体当たり演技に脱帽する。松坂桃李のこれまでのイメージだと、役柄が限定され大きな飛躍が望めないと思っていたが、前作の「不能犯」で悪役を演じ切り、そして今回は生々しいベッドシーンをまさに体当たりで演じ切ったことで、格段と役柄の幅が広がったと思える。ここまでやれれば、どんな役でも行けるので、次回作も期待してしまう。女優陣はあまり知らない人ばかりだったが、こちらも松坂桃李に負けず劣らずの体当たり演技だった。なお、老女役を演じた江波杏子は本作が映画の遺作となった。

劇場公開日 2018年4月6日



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2018-05-25

SPACE BATTLESHIP ヤマト

★★★(3.0)
wSPACE BATTLESHIP ヤマト
鑑賞No:02122
製作:2010年/日本/138分
監督:山崎貴
出演:木村拓哉/黒木メイサ/柳葉敏郎/緒形直人

西暦2199年。突如地球に侵攻して来た正体不明の敵・ガミラスによって、人類は存亡の危機に瀕していた。地球は遊星爆弾によって放射能汚染され、わずかに生き残っていた人類は地下に避難して生き延びていた。そんなある日、地球にカプセルが落下してくる。それは惑星イスカンダルからの通信カプセルで、そこに行けば放射能除去装置があるという。人類は一縷の望みをこのメッセージにかけ、イスカンダル目指し宇宙戦艦ヤマトが旅立つことに・・・・。

往年の名作アニメを最新のCG技術を駆使して実写版として再現させた映画。アニメの実写化としては、アニメのイメージを損なわず、なかなかの出来だと思った。ただ、観た感じ(印象)としては、「宇宙戦艦ヤマト」色よりも「スター・ウォーズ」と「エイリアン」を足して2で割ったような印象の映画。また、森雪が戦闘員だったり、佐渡先生が女性だったりとキャラクターを少しいじっており、多少違和感はあった。また敵のでスラー始めガミラス星人の実体が出てこないのもアニメと大きく異なり、「ヤマト」でありながら「ヤマト」とは違う作品のような印象が残った。映画なのでしょうがない点もあるが、イスカンダルまでの道のりが安易で、アニメで描かれていた激しい戦闘で満身創痍になったヤマトというイメージが感じられなかったのは残念。

劇場公開日 2010年12月1日



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2018-05-06

サンクタム

★★★+(3.5)
wサンクタム
鑑賞No:02223
原題:Sanctum
製作:2011年/アメリカ・オーストラリア/109分
監督:アリスター・グリアソン
出演:リチャード・ロクスバーグ/リース・ウェイクフィールド

パプアニューギニアの密林地帯にあるエサーラ洞窟を調査中の探検家フランクと息子のジョシュらだったが、調査費用の出資者カールと恋人ヴィクトリアが洞窟に到着したころ、サイクロンが発生し、地上への唯一の出口がふさがれてしまう。豪雨により大量の水が洞窟に流れ込む中、フランクたちは洞窟が海につながっていると信じて前人未到の水路を進んでいくが・・・・。

名作「ポセイドン・アドベンチャー」の洞窟版ともいえる内容。サイクロン発生のため、閉じ込められた洞窟に大量の水が流れ込んできたために脱出を試みる探検家たち。しかし、脱出の過程の中で一人また一人、脱落していく。また、極限状態にあって、人間の本性をさらけ出しながらも生きるために必死になる姿もまさに「ポセイドン・アドベンチャー」と瓜二つ。ストーリーには新鮮味はないが、それでも最後まで息を突かせない。閉所恐怖症の人にはちょっと辛いかもしれない映画。

劇場公開日 2011年9月16日



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2018-04-22

裁判長!ここは懲役4年でどうすか

★★★(3.0)
w裁判長!ここは懲役4年でどうすか
鑑賞No:02108
製作:2010年/日本/96分
監督:豊島圭介
出演:設楽統/片瀬那奈/螢雪次朗/村上航

売れないライターの南波タモツはある日、映画プロデューサーの須藤光子から愛と感動の裁判映画の脚本執筆を依頼され、取材のために裁判を傍聴することに。しかし、プロデューサーの求める愛と感動の裁判にはなかなかめぐり合えず時間だけが過ぎていった。そんな頃、傍聴席で知り合った傍聴マニアの西村たちと知り合ったタモツはやがて彼らと行動をともにするようになり・・・・。

大学の専攻が法学部だったので実習で法廷見学いわゆる傍聴を体験しましたが、こういっては非常に不謹慎ですが、つまらないドラマよりも百倍も面白いです。何といってもそこで展開されるドラマは作り物ではなく事実であり、人間臭さが満載で人間の愚かさ、滑稽さ、優しさ、小賢しさなどが詰まっているからです。そんな要素が詰まった映画かと思って鑑賞しましたが、どのエピソードも軽く、中途半端でちょっと残念。それでもラストの裁判では何か心に残るエピソードに・・・と期待しましたが、ええっ!的結末でもう唖然です。裁判という素材はいくらでも面白くできる素材なので、作り手の力不足と言わざるを得ない作品です。でも気楽に観るにはそれなりに楽しめます。

劇場公開日 2010年11月6日



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2018-03-31

スマグラー おまえの未来を運べ

★★+(2.5)
wスマグラー おまえの未来を運べ
鑑賞No:02249
製作:2011年/日本/114分
監督:石井克人
出演:妻夫木聡/永瀬正敏/松雪泰子/満島ひかり

俳優になることをあきらめ、その場しのぎの日銭でしのいでいる砧涼介は、借金返済のため、日給5万円という高額の運送アルバイトをすることに。その高額のアルバイトとは、運送屋とは名ばかりで、スマグラーと呼ばれる、死体などのヤバイ荷物の運搬と処理をする仕事だった。たった一度のミスすら命取りになる危険な世界に足を踏み入れた砧は、リーダーのジョー、ジジイとともに初仕事につくが・・・・。

妻夫木聡が主演ということでもう少し正統派の映画かと思いきや、結構キワモノの映画だったことに驚かされた。登場人物は誰もかれも一癖も二癖もあるキャラクターばかりで、何が起こるか何をしでかすか解らない展開に興味は尽きない。とはいいながら、重厚性はなく、軽い演技と薄い内容に期待したほどの作品でないことに途中で気づかされる。全編を通して薄暗い映像にも辟易したが、全体的に美しくない(映像的に気持ち悪い)映像にも問題があった。キャラ的にはキワモノの極め付けだった高嶋政宏演じるドSなヤクザが印象的。

劇場公開日 2011年10月22日



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2018-03-26

散歩する侵略者

★★★+(3.5)
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鑑賞No:02889
製作:2017年/日本/129分
監督:黒沢清
出演:長澤まさみ/松田龍平/高杉真宙/恒松祐里

数日にわたって行方がわからなくなっていた夫・真治が、まるで別人のように優しくなって帰ってきたことに戸惑う妻・鳴海。それ以来、真治は毎日どこかへ散歩に出かけるようになる。同じ頃、町で一家惨殺事件が発生し、不可解な現象が続発。取材を進めるジャーナリストの桜井は、ある事実に気づく。不穏な空気が町中を覆う中、鳴海は真治から「地球を侵略しに来た」という衝撃的な告白を受ける・・・・。

宇宙人が地球侵略に来るという、極めてよくありがちな設定だけど、何とものんびりした侵略モノかという印象の作品。まず、侵略者は3人。宇宙人自体は形を持たないため、人間に憑依して存在する。ただ、物理的に体は奪い取れても、精神的な面で分からない概念が多く、理解するために他の人にイメージさせてその概念を奪い取ることで理解を深めていく。それがそんなに急ぐわけでもなく、淡々と行われていく。一体、地球侵略するまでにどれくらいかかるのか分からないぐらい長期的な侵略であることが面白いというか、もはやギャグである。あまりにのんびりした侵略であることが「散歩する」というタイトルにも表れている。期待したよりは大したことが無かった作品。

劇場公開日 2017年9月9日



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2018-03-22

三度目の殺人

★★★+(3.5)
w三度目の殺人
鑑賞No:02888
製作:2017年/日本/124分
監督:是枝裕和
出演:福山雅治/役所広司/広瀬すず/満島真之介

勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく・・・。

ストーリーは意外と単純で分かりやすい。しかし、観終わっても実はよく分からず、モヤモヤ感が残る。それは結論というか、真相が明らかにされないまま終わるからだ。監督としては、真相を明らかにしないことで観客それぞれに答えを求めるという手法を取っているらしい。斬新と言えるかもしれないが、ズルいともいえる。ただ、真相といっても考えられるパターンは3つしかない。①咲江のために三隅が殺した、②咲江が殺し、三隅が咲江を庇って自白、③咲江と三隅が協力して二人で殺した、の3つである。どれをとっても斬新な真相とはいえない。そのために真相を明らかにしないという逃げ方をしたようにしか思えない。別の見方をすると、司法の現実に対する批判のようなコメントも見るが、それならばその点をもっと強調して欲しかった。

劇場公開日 2017年9月9日



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2018-03-09

西遊記

★★★+(3.5)
w西遊記
鑑賞No:01470
製作:2007年/日本/120分
監督:澤田鎌作
出演:香取慎吾/内村光良/伊藤淳史/深津絵里

2006年1月からTV放送された人気ドラマの映画化。「西遊記」の中で最も有名な強敵、金角・銀角が登場するエピソードを描いている。天竺を目指す三蔵法師と孫悟空・沙悟浄・猪八戒の一行は砂漠の中にある街に立ち寄る。そこで勇猛な姫・玲美から、妖怪大王の金角・銀角によって亀にされた両親お助けて欲しいと懇願される。一行は金角・銀角退治のため、彼らが潜む臥龍山に向かうが・・・。

正月に子供と一緒に観るには最適の映画。何も考えずにボォーと観るのがお勧め。TV版はじっくり観たことはなかったが、子供たちがTVで観ているのを何気に見たことはあったので、キャラクターに違和感は感じなかった。なお、評価点は大人の観点と子供の観点の中間で評価しています。(大人的には少し甘い評点、子供的は少し辛い評点というところでしょうか?)SFXにはそれなりにお金をかけているのか、まずまず見ごたえのある映像で満足でした。またストーリー的にも、西遊記で一番面白いエピソードを持ってきたらしく、これもまずまずでした。軽いタッチが多いのも、TV版からの流れなのか?子供向けとしてみた場合はいいノリなのかなという感じでした。全体的に見て感じたのは、まさに「水戸黄門」だなということ。三蔵法師が黄門様で、悟空・沙悟浄が助さん格さん、猪八戒がうっかり八兵衛といったところ?
悪巧みをするお代官様・悪徳商人が金角・銀角で、黄門様一行に助けを求める町娘が玲美という感じでしょうか?(ピッタリ水戸黄門に当てはまります) 妖怪同士の対決なので、妖術を駆使した対決かと思いきや、対決シーンの大半は殺陣というのもこんな感想を抱かせる一因でした。(唯一決定的に違うのは、お決まりの印籠で「控えお~ろ~」がないこと!?) 前半のにせ三蔵法師一行にも笑えた。キャスト的にも良かったので、欲を言えばもう少し絡んで欲しかった。

劇場公開日 2007年7月14日



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2018-03-05

関ヶ原

★★★+(3.5)
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鑑賞No:02887
製作:2017年/日本/149分
監督:原田眞人
出演:岡田准一/役所広司/有村架純/平岳大

幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成は、秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。そんな三成の下には、猛将として名高い島左近や伊賀の忍びの初芽らが仕えるようになるが、秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康は、言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいった。そして1598年8月、秀吉が逝去。1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と、家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる・・・。

司馬遼太郎の名作小説の映画化。原作は30年以上前に読んだが、ついに映画化されたかという感慨深い作品。ただ、原作は単に徳川家康VS石田三成という構図ではなく、関ヶ原の戦いに参加した武将たちのそれぞれの目的・意図、思い・駆け引きなどを立場立場で描いた群像劇の様相が強い。そこを映画でどう描かれるかが私の最大の注目点だったが、やはり2時間余りでは十分満足できる内容は無理だったようだ。関ヶ原の合戦シーンはCGも駆使し、迫力あるシーンが展開するが、アクションシーンとしての凄さであって、原作を映像化したものとは言い難い。また、家康や三成自体も十分ではなかったが、その他の武将はほとんど個として描かれておらず、それゆえ、合戦シーンへの布石になっておらず、何かごちゃごちゃした分かりにくい合戦シーンになってしまった感がある。もう少し、群像劇の様相を感じる後世にして欲しかったが、大河ドラマのように1年かけて描かないと描けない原作だったように思う。

劇場公開日 2017年8月26日



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2017-12-22

最後の忠臣蔵

★★★★(4.0)
w最後の忠臣蔵
鑑賞No:02120
製作:2010年/日本/133分
監督:杉田成道
出演:役所広司/佐藤浩市/桜庭ななみ/山本耕史

赤穂浪士の討ち入り後に、切腹の列に加わることを許されず、大石内蔵助から「真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」と密命を受け、生き延びることになった寺坂吉右衛門。彼は討ち入りから16年、その密命を全うするため、全国を歩き回っていた。そんなある日、吉右衛門は偶然、ある男を見かける。それは、討ち入り前夜に忽然と姿を消した瀬尾孫左衛門だった。彼もまた、大石内蔵助から密命を受けて、討ち入りに参加せず、これまで生き延びていたのだが・・・・。

忠臣蔵といえば、江戸城松の廊下での浅野内匠頭の刃傷事件、そして赤穂浪士の吉良邸討ち入りが有名であり、欠かされることなく必ず描かれる定番シーンだが、本作は忠臣蔵といっても後日譚に重きを置いており、主役も討ち入り後に生き延びた寺坂吉右衛門と瀬尾孫左衛門のため、これらの超有名シーンはほとんど割愛されている。よって従来の忠臣蔵とはちょっと違ったイメージになっているが、定番の内容ではないため、かえって新鮮。武士の鑑として褒め称えられた四十七士とは正反対に、討ち入りに参加しなかった赤穂浪士やその家族にスポットを当て、忠臣蔵の裏舞台で後々まで苦しんだ人々がいたことは今まで意識しなかったため、新たな忠臣蔵の側面を見せつけられた感じがする。

劇場公開日 2010年12月18日



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2017-11-05

3月のライオン 後編

★★★+(3.5)
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鑑賞No:02876
製作:2017年/日本/139分
監督:大友啓史
出演:神木隆之介/有村架純/倉科カナ/染谷将太

川本3姉妹との出会いから1年がたち、今年も獅子王戦トーナメントが始まるが、最高峰を目指す棋士たちには、さまざまな試練が待ち受けいた。一方、川本家に3姉妹を捨てた父親が突然現れ、耳を疑うような要求を突き付けてくる・・・・。

羽海野チカの大ヒットコミックの実写映画化2部作の後編。将棋をテーマに対局シーンの多かった前編。この流れから後半は伊藤英明演じる後藤九段、そして加瀬亮演じる宗谷名人との対決が主軸かと思いきや、後編はちょっと趣が異なり、3姉妹の次女のいじめ問題、零の義姉の愛人・後藤九段の妻の死、そして3姉妹の父の不倫問題など、将棋とは直接関係ない重いテーマが次々と出てきて、将棋そのものは少し脇に置かれた感じ。そのため、肝心の後藤九段との対決シーンは前半ほどの迫力はなく、宗谷名人とは対決直前でジ・エンドと、何とも消化不良感の残るラストだった。一方、有村架純の憎まれ役の熱演、対照的に倉科カナのファンになりそうなくらいのイイお姉さん役が光った。

劇場公開日 2017年4月22日



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2017-10-30

3月のライオン 前編

★★★★(4.0)
w3月のライオン
鑑賞No:02875
製作:2017年/日本/138分
監督:大友啓史
出演:神木隆之介/有村架純/倉科カナ/染谷将太

幼い頃に交通事故で両親と妹を亡くし、父の友人である棋士・幸田に引き取られた桐山零。深い孤独を抱えながらすがりつくように将棋を指し続けてきた零は、中学生でプロ棋士の道を歩みはじめる。しかしある事情から幸田家での居場所を失い、東京の下町でひとり寂しく暮らしていた。そんなある日、和菓子屋を営む川本家の三姉妹と知り合った零は、彼女たちとの賑やかで温かい食卓に自分の居場所を見出していく・・・・。

羽海野チカの大ヒットコミックを実写映画化した2部作の前編。将棋の話で2部作?という思いで観始めたけど、内容は意外と濃く、丁寧に描いているので見ごたえがある。ややテンポが遅く、冗長に感じる嫌いはあるが、登場人物も脇役まで細かく設定して人物像がよく分かるように描いているため、主人公だけでなく、それぞれの人物に感情移入ができる点も奥が深い。そういえば、最近の傾向として2部作作品は増えており、「ちはやふる」のカルタのように、これまでスポットが当たりにくかったテーマを取り上げる風潮の一つだと感じられた。ただ、個人的な問題点として、将棋にあまり詳しくないことがあった。結構、対局シーンが出るが、優位なのか不利なのか分からないので、その点はリアルタイムに楽しめなかったのは残念。キャストを見ても、名人役として風格が半端ない加瀬亮、特殊メイクで全く別のキャラクターを創出した染谷将太、これまでのイメージとは真逆の憎まれ役を演じながらもどこか翳があり大人の女の色気も醸し出す有村架純など、見どころは多い。

劇場公開日 2017年3月18日



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2017-10-28

サード

★★★(3.0)
wサード
鑑賞No:00296
製作:1978年/日本/103分
監督:東陽一
出演:永島敏行/吉田次昭/森下愛子/志方亜紀子

高校野球の3塁手として活躍していたサードは、友人のⅡBと女の子ふたりで、“どこか大きな町へ行こう”と話し合う。そのためにはお金が必要だと4人は売春を始める。が、ある日客のヤクザとトラブルになったサードは傷害事件を起こしてしまい少年院へ入れられてしまう・・・・。

画面から滲み出る雰囲気は、寺山修二ワールドが醸し出す独特な世界観からくるのだろうか。何とも言えない気だるさ、閉塞感は70年代特有のものなのか。青春時代の様々な形をこのような視点から見た映画としては異色の作品と言える。今見ると、あまりにも初々しく、けれども息吹や汗臭さは間近に感じられるようなリアル感がある永島敏行と森下愛子の演技が映像として記憶に残る作品。

劇場公開日 1978年3月25日



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2017-09-25

サバイバルファミリー

★★★★(4.0)
wサバイバルファミリー
鑑賞No:02873
製作:2017年/日本/117分
監督:矢口史靖
出演:小日向文世/深津絵里/泉澤祐希/葵わかな

東京で暮らすごく平凡な一家、鈴木家。当たり前のように電化製品に囲まれた生活を送っていたある日、電気を必要とするあらゆるものがなぜか使えなくなり、東京は大混乱に陥ってしまう。交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップした生活に人々が困り果てる中、鈴木家の亭主関白な父・義之は、家族を連れて東京を脱出することを決意するが・・・・。

原因不明の電気消滅によって廃墟寸前となった東京から脱出した一家の奮闘をコミカルに描いたサバイバルドラマ。ライフラインが止まり、それに完全に依存した生活をしていた人々は大混乱に陥る。初期段階ではすぐ回復するだろうとの楽観視から仕事のため会社に行ったり、地域コミュニティにおいても互いに団結・協力して乗り切ろうとの気運があるが、事態が長期化するに従って、利己的な考えや行動が目立つようになり、異常な雰囲気になっていく。そして、東京脱出を試みる鈴木家はあろうことか、自転車で妻の実家のある鹿児島に向かうという暴挙に出て、行く手で様々な困難に見舞われるというのが本作の中心となっている。内容的には非常事態における人間の行動・心理がよく描かれていて面白かったが、特に目新しさはあまりなく、ありがちな内容。日頃、コミュニケーションの乏しい家族が、この非常事態を通して次第に心を通わせていくといった展開もありきたりといえばありきたり。本作は2003年に起こった来たアメリカ大停電がヒントらしいが、この大アクシデントも29時間で回復したにもかかわらず、本作の非常事態は2年半続くというリアル感なしを通り越した設定なのがチョット気になった。東京から鹿児島までの移動時間はストーリー上、必要なのはわかるが、リアル感が全くないのだ。それにこれだけの大アクシデントに対する原因が明らかにされなかったのには消化不良感が残った。(本筋とは直接関係ないと言えば関係ないが・・・)

劇場公開日 2017年2月11日



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2017-08-13

疾風ロンド

★★★(3.0)
w疾風ロンド
鑑賞No:02865
製作:2016年/日本/109分
監督:吉田照幸
出演:阿部寛/大倉忠義/大島優子/ムロツヨシ

大学の研究所から違法な生物兵器「K-55」が盗まれ、研究所所長のもとに「人質は全国民。身代金3億円を用意しろ」との脅迫メールが届く。盗まれた生物兵器を秘密裏に探すよう命じられた、しがない研究主任の栗林は、何の手がかりのない中で捜索を始めるが、そこに「犯人死亡」の報せが届く。犯人の遺品から、生物兵器の所在のわずかな糸口をつかんだ栗林は、ヒントとして浮かび上がった「日本最大級のスキー場」へと向かうが・・・・。

人気作家・東野圭吾の同名サスペンス小説の映画化。スケールの大きい緊迫した身代金サスペンス物かと思いきや、実にスケールの小さいコメディ映画だった。とんでもない生物兵器を巡ってのストーリーなのに、コメディタッチなので全くといっていいほど緊張感はない。かといって、コメディ映画だが笑えるシーンも少ない。ギャグも使い古されたものばかり。そのため、熱演している主演の阿部寛の演技も空振っているようで可哀そう。

劇場公開日 2016年11月26日



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2017-08-10

就職戦線異状なし

★★★★(4.0)
w就職戦線異状なし
鑑賞No:00300
製作:1991年/日本/103分
監督:金子修介
出演:織田裕二/仙道敦子/的場浩司/和久井映見

早稲田大学4年の大原は、マスコミ志望の立川に影響され同じようにマスコミを志望していたが、立川とともに6月に入っても未だ内定がひとつも取れないでいた。そんな2人を、すでに親のコネで内々定を取っていた北町は六本木のナイトクラブに呼び出した。実は北町を確保しようとするデパートの接待だったが、羽目をはずして騒いでいた彼らは店にいた中年男と喧嘩になり、大原はその男を殴ってしまう。その中年男こそ、大原と立川が本採用に賭けていたエフテレビの面接官だった・・・・。

杉元伶一の同名小説の映画化。この映画の時代背景はバブル末期で、いわゆる超売手市場といわれたときなので、超氷河期といわれた就職活動期を経験した人にとってはとてもうらやましい時期の話です。映画ということで多少オーバーな表現はあるかもしれませんが、実際にこの時期に就職活動をしていた人から聞いた話だと、まんざらオーバーでもなかったようです。そんな状況だから、この映画も一言で言えばお気楽な就職活動映画ですが、お気楽な中にも案外世の中思ったようにはならないといった苦い経験もさせられる、ちょっとだけ考えさせられる映画です。ちなみに就職活動は今、「就活」って言うんですね。(最近は何でも短縮するのでよく分からん!)また就活になぞらえて「婚活」なる言葉もあるそうで・・・。

劇場公開日 1991年6月22日

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2017-08-04

Sweet Rain 死神の精度

★★★+(3.5)
wSweet Rain 死神の精度
鑑賞No:01612
製作:2008年/日本/113分
監督:筧昌也
出演:金城武/小西真奈美/光石研/富司純子

人間が不慮の死を迎える7日前に現れ、観察の結果、実行か(死なせるか)、見送りか(生かせるか)の判定を行う死神の千葉。ミュージックを聴くことが楽しみの千葉の今回のターゲットはメーカーの苦情係、一恵。家族を亡くし、恋人にも先立たれた薄幸の女性だ。しかし、彼女の声にほれ込んだ音楽プロデューサーに見出されたことで、一恵の将来に期待した千葉は、彼女を「見送り」にする。それから22年後、やくざの敵討ちに千葉は巻き込まれ、さらに21年後、美容師かずえの店を訪れた千葉は彼女に死神であることを見破られる・・・・。

この作品は3つの物語から構成されており、タイトルに使われている「死神の精度」は小説では小西真奈美演じる一恵の物語にあたる。ちなみにやくざの物語は小説では「死神と藤田」、美容師の物語は「死神対老女」となっている。設定は面白いと思って期待して観たが、3つの物語のオムニバス形式になっていることから映画としての深みが出し切れず、テレビドラマレベルの印象が拭えなかったのは残念。劇場に観に行った人は、金城ファンは別にして、劇場ではなくDVDで十分と思った人も多かったのでは?1話1話はコンパクトにまとめられていてそれなりに面白いエピソードばかり。金城武の死神もクールながら死神っぽくなく、会話がかみ合わないシーンなどはコミカルで面白い。また独立した3つの物語りながら、微妙に関連しているところも面白い。

劇場公開日 2008年3月22日



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2017-07-14

シムソンズ

★★★★
シムソンズ
鑑賞No:01586
製作:2006年/日本/113分
監督:佐藤祐市
出演:加藤ローサ/藤井美菜/高橋真唯/星井七瀬

北海道常呂町の高校に通う和子は毎日、親友の史江とおしゃべりに興じるぐらいしか楽しみのない、刺激のない日々を送っていた。ある日、長野冬季オリンピックのカーリング競技に出場した町の英雄、加藤真人が凱旋試合のため常呂町に戻っていることを知り応援に行く。そこで偶然真人に声をかけられた和子は、真人の何気ない一言からカーリングチームを発足することに・・・。

ソルトレークオリンピックにカーリング女子日本代表チームとして挑んだ「シムソンズ」の実話に基づく青春ストーリー。カーリングという地味なスポーツについてはまったく無知といってもいいぐらいだったが、この映画を観てチョッピリ、カーリングのルールなどが分かった。氷上のチェスといわれているらしいが、頭脳だけではなく、緻密で正確な投球と臨機応変な判断力を必要とする掃き手とのチームワークが必要な、なかなか奥の深い競技である。まったくの素人(4人中3人)がそのカーリングに挑むわけだが、ストーリーは技術面での向上過程ではなく、人間関係や次々と起こる様々な障害を乗り越えていくあたりが中心で、チームワークの大切さを伝えているよう。主役の4人は皆、素人っぽくて初々しい反面、作品としての完成度を落としている気がしないでもないが、同じ自然体の演技でも本当に地元のコーチらしい演技をしていた大泉洋はハマリ役だった。ラストは爽やかな感動を呼ぶ良品。

劇場公開日 2006年2月18日



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2017-07-08

さくらん

★★
さくらん
鑑賞No:01433
製作:2007年/日本/111分
監督:蜷川実花
出演:土屋アンナ/椎名桔平/木村佳乃/成宮寛貴/菅野美穂

8歳で遊郭「玉菊屋」に売られたきよ葉は最初何度も逃亡を試みては連れ戻され折檻されていたが、やがて花魁・粧ひの挑発で吉原一の花魁を目指すことになる。やがて成長したきよ葉はライバルの高尾との争いに勝ち、花魁の座を勝ち取るが・・・。

吉原の遊郭を舞台に女の意地と儚い恋を描く安野モヨコの原作コミックの映画化。今までにない感覚の遊郭ものを製作しようとしたと思われるが、至る面でかみ合っていなかったように思われる。まず主演の土屋アンナは一人浮いていた感じがしたし、どうしても感情移入ができなかった。音楽は椎名林檎が担当していたらしいが何か映画と違和感があったし、写真家が映画監督ということで映像美が話題になったがやたら“赤”が目に付き思っていたほどの感動は感じなかった。また個人的な印象だけだが、脇の菅野美穂や木村佳乃などが好演していたので余計に土屋アンナの素人っぽさが気になった。(原作は読んでいないので、原作にあっているのかもしれませんが・・・)

劇場公開日 2007年2月24日



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2017-07-03

それでもボクはやってない

★★★★
それでもボクはやってない
鑑賞No:01413
製作:2006年/日本/143分
監督:周防正行
出演:加瀬亮/役所広司/瀬戸朝香/山本耕史

フリーターの徹平は就職面接に向う途中の満員電車の中で、電車のドアに挟まった上着をとろうとしたことから女子中学生に痴漢と間違えられる。現行犯逮捕された徹平は取り調べにあたった刑事には頭から有罪と決めつけられ、当番弁護士にも示談を勧められ次第に不安に駆られる。しかし「無実だから」との思いから無罪を主張する徹平は留置場に拘留されることになり、その後1年にわたる無罪を求めた長き闘いが始まることとなってしまう・・・。

満員電車で痴漢に間違えられ現行犯逮捕された青年の、無実を訴える裁判ドラマ。痴漢事件における冤罪はよく耳にはするが、その実態をまざまざと見せつけられたような衝撃の映画だった。また「疑わしきは罰せず」という裁判の大原則が現実には有名無実であったことも思い知らされる。「起訴されたら99.9%有罪」などという具体的かつ衝撃的な事例などが次々と出てくるのも日本の裁判制度の現実を浮き彫りにしている。この映画を観る限り、2年後に始まる裁判員制度がこの映画で問題提起した点をクリアにしていけるのか、はなはだ不安の残るところ。映画自体はなかなか面白かったが、「これが現実か」というシーンに納得のいかない消化不良感が多々残る映画となった。

劇場公開日 2007年1月20日



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2017-07-02

サイレン

★★★+
サイレン
鑑賞No:01298
製作:2005年/日本/86分
監督:堤幸彦
出演:市川由衣/田中直樹/阿部寛/西田尚美

天本由貴は病弱な幼い弟の静養にために、父と3人で夜美島に引っ越してきた。しかし島民の視線は冷たく、隣に住む女性からは「サイレンが鳴ったら外に出てはならない」と忠告される。それは29年前に起こった全島民消失事件から来る島の言い伝えだった。以降、由貴の周辺で奇妙な現象が起こり始める・・・。

「サイレンが鳴ったら外に出てはならない」という宣伝コピーが焼きついていたわりにストーリーは全く知らなかったのだが、予想していた内容とは大幅に違っていて、意外な展開となった。映画の内容はこれ以上触れていくとネタばれになるので控えるとして、タイトルの「サイレン」に代表されるように本作は「音」にこだわっていると言うか、「音」で怖がらせようとしている点が新鮮だった。

劇場公開日 2006年2月11日



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2017-07-01

叫(さけび)

★★
叫(さけび)
鑑賞No:01411
製作:2006年/日本/104分
監督:黒沢清
出演:役所広司/葉月里緒菜/小西真奈美/伊原剛志

東京の埋立地で女の水死体が見つかる。捜査に当たった刑事の吉岡は、現場に自分の痕跡を見つけ自分が犯人ではないかとの疑問が浮かぶ。あいまいな自分の記憶に不安を覚えカウンセリング治療を始めるが、彼の前に見におぼえのない赤いドレスの女の幽霊が現れる・・・・。

はっきり言ってよく分からない映画。幽霊のような怪奇現象を扱っているということで、すべてに明確さを求められないが、何が言いたいか(タイトルも含め)掴みがたかった。ネタばれになるので記載しないが、ラストで多少解明するものの、逆に何の意味があるの?と更なる疑問が膨らむシーンもある。ミステリー映画に分類されているが、ミステリー性は低く、かといってホラーといえるほど怖くもない、チョット中途半端な作品だった。

劇場公開日 2007年2月24日



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2017-06-25

新宿スワンII

★★★★
新宿スワンII
鑑賞No:02862
製作:2017年/日本/133分
監督:園子温
出演:綾野剛/浅野忠信/伊勢谷友介/深水元基

スカウト会社「新宿バースト」のエース格へと成長した白鳥龍彦は、幹部の関玄介とともに横浜へと送り込まれる。社長・山城は「バースト」の横浜進出を目論んでいたが、タキと呼ばれる男が牛耳る横浜は、逆に新宿を飲み込もうと徹底抗戦の構えで対抗。新宿と横浜は全面戦争へと突入していく・・・・。

「ヤングマガジン」連載の和久井健による人気コミックを実写映画化した「新宿スワン」の続編。原作は読んでいないので、あくまで個人的な推測だが、前作のラストから推察すると、続編はいよいよ伊勢谷友介演じる真虎が新宿バーストでのし上がっていく展開かと思いきや、真虎は今回思ったほどの出番はなく、完全に脇に寄せられていた。一方、今回の陰の主役ともいうべき役どころだったのが、関。武闘派で粗野な面ばかりクローズアップされていた感があるが、本作では意外な一面や男気が描かれている。主役の綾野剛演じる白鳥龍彦も中堅として存在感を高めているが、相変わらずチャラい一面は健在。ストーリーも単なるスカウト会社のテリトリー争奪戦からやくざを巻き込んだ複雑な抗争にスケールアップしている。

劇場公開日 2017年1月21日



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2017-06-20

スーパーの女

★★★
スーパーの女
鑑賞No:00577
製作:1996年/日本/127分
監督:伊丹十三
出演:宮本信子/津川雅彦/矢野宣/六平直政

スーパー“正直屋”の専務・小林五郎は、商品も売れず、店員も覇気がなく困り果てていた。ある日、五郎はライバル店へ調査に出向いたところ、偶然幼馴染みの井上花子と再会する。五郎はスーパー好きである花子の鋭い視点を買って、花子を正直屋で雇う。花子は早速問題の解決に取りかかるが、プライドだけは高い職人たちの協力を得られず苦労する。それでもめげない花子は的確な改善策を提案し成果を上げ始めるのだが・・・・。

潰れかけていた駄目スーパーを、主婦が再建するという物語。「マルサの女」「ミンボーの女」などと共に、伊丹十三監督の女シリーズの1作。他の女シリーズ同様、最後まで飽きない面白さは健在。そもそも、ターゲットにするもの(今回はスーパー業界)を徹底的に調査し、その内幕を暴露するが如く、分かりやすく説明してくれる、ノウハウ本的な内容も好評の一つではないだろうか。また、キャストも豪華だし、何よりも個性豊かすぎるキャスティングと、そんな人いるな~といった共感を得る人物群にリアル感が増す。ともかく、何も知らなくても、何も考えなくても楽しめる作品。

劇場公開日 1996年6月15日



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2017-06-08

戦国自衛隊1549

★★+
戦国自衛隊1549
鑑賞No:01437
製作:2005年/日本/119分
監督:手塚昌明
出演:江口洋介/鈴木京香/鹿賀丈史/北村一輝/綾瀬はるか

2003年、陸上自衛隊の秘密実験の最中に的場一左率いる中隊が460年前の戦国時代に飛ばされる。それから2年後、過去の世界の過干渉が原因と思われる異常現象が起こり始めたため、歴史を正すため新たに救出部隊をタイムスリップさせる。救出部隊の一員として1549年の世界にやってきた鹿島らは、そこで織田信長になりすました的場一左を見るのだった・・・。

角川グループ60周年記念作品として製作された、1979年製作版のリメイク。ただし完全なリメイクではなく、ストーリーはオリジナル。ツッコミどころが多すぎて、もはやタイムスリップものとは考えず、単純に現代の自衛隊が戦国時代に行ったらどうなるか?を楽しめばいいと思う。いきなりタイムスリップのシーンから入るのも、下手に突っ込まれる説明をするよりも手っ取り早いと考えたからではないだろうか?(リメイクということで、すでに設定は広くしられているということもあると思うが・・・)しかし1979年版はどちらかというと戦国大名対自衛隊という構図であったのに対し、今回は自衛隊対自衛隊という感じで、イマイチ半村良原作の面白さが半減していた。織田信長や豊臣秀吉も、歴史に疎い人でも取っ付きやすいように無理やり登場させているような気がした。

劇場公開日 2005年6月11日

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2017-05-31

ストロベリーショートケイクス

★★+
ストロベリーショートケイクス
鑑賞No:01578
製作:2006年
監督:矢崎仁司
出演:池脇千鶴/中越典子/中村優子/岩瀬塔子

大失恋を経験したフリーターの里子は、今はデリヘル店で電話番をしていた。大失恋を経験してもなお、恋がしたいという里子は、店のNo.1の秋代と親しくなっていく。秋代はデリヘルで稼いだお金で高層マンションを買うつもりだった。一方、イラストレーターの塔子は、男に愛されることばかり考えているルームメイトのちひろに嫌気が差していた・・・。

人気漫画家・魚喃キリコの同名コミックの映画化。女性にはウケル映画なのだろうか? 男である私にはこの映画の良さはさっぱり分からなかった。唯一、男性向きなのはR-15指定になった所以である、ベッドシーンやヌードシーンの多いことぐらい?主人公は里子、秋代、塔子、ちひろの4人になるのだろうが、ストーリーは里子と秋代、塔子とちひろの2組に完全に分かれ、この2組の接点がなかった。ここがそもそも分からない。4人の女性の、それぞれ違った生き様はそれなりに面白いし、女性の強さというものを垣間見ることもできた。たぶん、都会で女性一人が生きていくというのはこんなことだろうし、男性には分からない辛さがあるんだな、といった印象は感じられた。でも、結局何だったのか? 特にすごい展開もなく、驚くような結末もなく、何となく話が進み、何となく終わっちゃったという感じで、消化不良感はかなり残った。あと部分的に音声が小さくなって聞き取りにくく、分かりにくさをさらに助長していた。

劇場公開日 2006年9月23日



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2017-05-26

聖の青春

★★★
聖の青春
鑑賞No:02858
製作:2016年/日本/124分
監督:森義隆
出演:松山ケンイチ/東出昌大/染谷将太/安田顕

幼い頃から腎臓の難病・腎ネフローゼを患い、入退院を繰り返した村山聖は、入院中に何気なく父から勧められた将棋に心を奪われる。師匠との出会い、そしてプロ棋士として羽生善治ら同世代のライバル棋士たちと死闘を繰り広げ、まさに命を削りながら将棋を指す聖だったが・・・・。

ネフローゼ症候群という難病と闘いながら将棋に人生を賭け、29歳の若さで亡くなった棋士・村山聖(さとし)の生涯を描いた大崎善生による同名ノンフィクション小説の映画化。村山聖を演じた松山ケンイチは体重を20kg以上も増やしてこの役に臨んでおり、その熱演は見もの。また、これまでさほど演技は上手とは思えなかった東出昌大も、冷静沈着な羽生善治をかなり抑えた静かな演技で重厚さを醸し出し、好演していた。村山聖の名はしてはいたが、詳しいことは知らず、ただ若くして亡くなった天才棋士程度の認知だったが、この映画でその壮絶な人生を知ることができた。
羽生善治との対戦は手に汗握る戦いであったように感じとられるが、如何せん、将棋は駒の進み方程度しか知らない自分にとっては、完全にその激しさが伝わってこなかったのは残念。

劇場公開日 2016年11月19日



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2017-05-20

七人の侍

★★★★★
七人の侍
鑑賞No:01435
製作:1954年/日本/207分
監督:黒澤明
出演:三船敏郎/志村喬/島崎雪子/藤原釜足/加東大介

麦の刈り入れが終わる頃、野盗と化した野武士の群れがまた利吉たちの小さな村を襲おうとしていた。そこで絶望の淵にいた村人たちは侍を雇って野武士と戦うことを決意した村人は、町に出て雇うべき侍を捜すことに。しかし手助けしてくれる侍がなかなか見つからない。そんな中、子供を人質にした盗人を倒し子供を救った初老の浪人・勘兵衛を目の当たりに見る。利吉らは野武士退治を勘兵衛に頼み込み、浪人集めが始まる・・・。

戦国時代の貧しい農村を舞台に、野武士と戦うべく農民に雇われた七人の侍たちと農民の闘いを描く。黒澤作品をすべて観たわけではないが、観た中では間違いなく最高傑作。ストーリー展開といい、個性あるキャラクタといい、当時の百姓や浪人たちの様子といい、よく描かれているの一言。また今からみると出演者の豪華さも目をみはる。最後までハラハラさせられる展開に目が離せなかった。表面的には、悪=野武士、善=百姓という形だが、必ずしも百姓は正義で弱い存在ではなく、ずるくしたたかな面があることもしっかり描いているところはイイ。七人の侍を演じた志村喬をはじめ、三船敏郎、木村功、加東大介、稲葉義男、千秋実、宮口精ニら皆有名な俳優さんですが、その他にもチョイ役で山形勲、仲代達矢、宇津井健、東野英治郎ら名のある俳優が多数出ており、そういう面でも楽しめた。

劇場公開日 1954年4月26日



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2017-05-13

12人の優しい日本人

★★★★+
12人の優しい日本人
鑑賞No:00572
製作:1991年/日本/116分
監督:中原俊
出演:塩見三省/豊川悦司/相島一之/上田耕一

ある殺人事件の裁判のため、12人の男女が陪審員として集められた。被告人が若くて美人だったこともあり、審議はあっけなく無罪に決まるかに思えたが、討論が好きな一人が有罪を唱えたことで審議が混迷を極めていく・・・。

もしも日本に陪審員制度があったら・・・という仮定で作られた裁判もの映画。脚本は三谷幸喜。本作品のモチーフとなっているのは名作「十二人の怒れる男」。「十二人の怒れる男」は11人の陪審員が有罪を唱える中、唯一人の陪審員が無罪を主張し、有罪とした証拠や証言に対する疑問から次第に無罪に傾いていく・・・というストーリーだが、本作は逆。11人が無罪を主張する中、唯一人が有罪を主張する。それから無罪か有罪かで討論が始まるが、感情も入り混じり主張も二転三転するなど混迷していくさまはさすが三谷作品。元ネタとは違った面白さがあり楽しめる。

劇場公開日 1991年12月14日

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2017-05-05

セトウツミ

★★★★
セトウツミ
鑑賞No:02855
製作:2016年/日本/75分
監督:大森立嗣
出演:池松壮亮/菅田将暉/中条あやみ/鈴木卓爾

性格は正反対だがどこかウマの合う高校2年生の内海想と瀬戸小吉は、放課後にいつも河原で話をしながら暇つぶしをしている。くだらない言葉遊びや、思いを寄せる女子へのメールの内容、時にはシリアスなことも語り合う。そんな二人を見守る同級生の樫村一期に瀬戸は憧れているが、樫村は内海に好意を抱いており・・・・。

此元和津也の人気漫画「セトウツミ」を実写映画化した作品。原作は、関西弁の男子高校生2人が放課後にまったりとしゃべるだけというシンプルな内容で、2人の繰り広げるシニカルな会話劇の面白さで人気のコミック。ベタベタの親友というわけではなく、時にはけんか腰に争ったり、でもすぐ元に戻ったり、仲良しとは思えない毒舌も吐くけど、どこかウマが合うというのが一番似合う2人だが、小ネタコントのような内容で、2人の自然体ともいえる演技とまったり感についつい惹きこまれる。くだらないと言えばくだらない話題がほとんどだが、それでも飽きさせない構成と演技は見もの。

劇場公開日 2016年7月2日



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2017-05-03

SCOOP!

★★★★+
SCOOP!.jpg
鑑賞No:02854
製作:2016年/日本/120分
監督:大根仁
出演:福山雅治/二階堂ふみ/吉田羊/滝藤賢一

数々の伝説的スクープをモノにしてきたカメラマンの都城静は、輝かしい業績も過去のものとなり、今は芸能スキャンダル専門の中年パパラッチとして、借金や酒にまみれた自堕落な生活を送っていた。そんなある時、ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」の新人記者・行川野火とコンビを組むことになり、日本中が注目する大事件に巻き込まれていく・・・・。

1985年に製作された原田眞人監督・脚本の映画「盗写 1/250秒」が原作。福山雅治も落ちぶれたカメラマン役という、これまでにないダメ人間の役どころだったが新たな演技の一面が見られたような気がした。その福山雅治を上回る印象の残る演技を見せたのが、リリー・フランキーと滝藤賢一。特にリリー・フランキーの後半の狂気に満ちた怪演は見もの。序盤はどちらかというと安い二流映画の印象があったが、静と野火がコンビを組んでスクープを連発していくところから次第に盛り上がっていく。序盤では対立軸がはっきりしている感じだった人間関係も、中盤以降、意外な展開があって実は奥が深い。特に、終盤で静の衝撃の死を迎えるが、その死に当たって取られたスクープ写真を巡って激論する吉田羊と滝藤賢一も意外で見もの。同様の題材を扱った同時期公開作品「グッドモーニングショー」とは趣を異にし、哀しい作品だが、比較して観ると面白い。

劇場公開日 2016年10月1日



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2017-04-24

真田十勇士

★★★
真田十勇士
鑑賞No:02852
製作:2016年/日本/135分
監督:堤幸彦
出演:中村勘九郎/松坂桃李/大島優子/永山絢斗

関ヶ原の戦いから10年後。真田幸村は天下の名将としてその名を世に轟かせていたが、実際の幸村は奇跡的に運に恵まれ続けただけの腰抜け男で、自分の虚像と実像の差に悩んでいた。そんなある日、幸村は抜け忍の猿飛佐助と出会う。自分の嘘とハッタリで幸村を本物の天下一の武将に仕立てあげることを決意した佐助は、同じく抜け忍の霧隠才蔵ら9人の仲間を集め、「真田十勇士」を結成。亡き秀吉の遺志を継いで豊臣家復権を狙う淀殿に呼び寄せられた幸村と十勇士は、瞬く間に徳川との戦いの最前線に立つことになってしまう・・・・。

真田信繁(幸村)を主人公にしたNHK大河ドラマの放送による真田人気に乗じたかのように上映された作品。大河ドラマには架空の真田十勇士は出てこないが、真田と言えば十勇士とも言える人気を誇っている十勇士に本作ではスポットが当てられている。ただ、従来の真田十勇士のイメージとはちょっと違った感じだし、何よりも真田幸村が実は腰抜けだったという設定は意表をついている。やはり大河ドラマと違い、映像スケールは格段に大きいが、2時間強という時間の制約の中で、十勇士を描き切れていなかったのは残念。ラストのオチも途中で読めてしまうので、意外性は低い。

劇場公開日 2016年9月22日



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2017-04-04

しゃべれども しゃべれども

★★★+
しゃべれどもしゃべれども
鑑賞No:01425
製作:2007年/日本/109分
監督:平山秀幸
出演:国分太一/香里奈/森永悠希/松重豊

うだつの上がらない二つ目の落語家・三つ葉は、知り合いの女性からの頼みでクラスになじめない少年の村林に落語を教えることになる。落語教室を始めることになった三つ葉のもとに、ひょんなことから美人だが口の悪い十河、元野球選手だが口下手な解説者の湯河原が参加することになる。自らも伸び悩んでいるにもかかわらず、彼ら3人のために落語教室は続いていく・・・。

大きな変化はないものの静かにテンポよく進むストーリーとなっている。落語という日本の伝統的な話芸に、思うように気持ちや言いたいことが伝わらない人々が救いを求めて取り組む姿勢がよく描かれている。芸達者な伊東四朗の落語は見事だが、国分太一も(多分相当特訓したと思うが)なかなかの話芸を披露していた。最後の「火炎太鼓」は相当のものと思われるが、ストーリの中で突然上手くなった理由がよく分からなかった。子役の子の「饅頭こわい」は多少小生意気だが、大人顔負けの上手さだった。

劇場公開日 2007年5月26日



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2017-03-04

四十七人の刺客

★★★★+
四十七人の刺客
鑑賞No:00810
製作:1994年/日本/129分
監督:市川崑
出演:高倉健/中井貴一/宮沢りえ/岩城滉一

元禄14年3月14日、江戸城で赤穂城主・浅野内匠頭が勅使饗応役・吉良上野介に対し刃傷に及ぶ。これにより内匠頭は即日切腹、赤穂藩は取り潰しとなるが、吉良はお咎めなしとの裁断がくだる。この一方的な裁断には、時の宰相・柳沢吉保と上杉家江戸家老・色部又四郎の策謀があった。急報を受けた赤穂藩は騒然となり、篭城か開城かで揺れるが、筆頭家老・大石内蔵助は吉良を討つべく、動き始める・・・。

「忠臣蔵」を新解釈し、一種の情報・経済戦争として描いた忠臣蔵映画。数多い忠臣蔵ものの中で、かなり義理人情部分をそぎ落とし、塩相場を利用した経済戦略や意図的な流言などによる世論操作などにスポットを当てたあたりなど、異色かつ新鮮で面白い。ただ、これほどの語りどころの多い話を、2時間あまりで描くにはやはり無理があるのか、消化不良感は否めない点もあるが、忠臣蔵ものの中でも特筆すべき作品のひとつである。

劇場公開日 1994年10月22日

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2017-02-03

7月24日通りのクリスマス

★★★
7月24日通りのクリスマス
鑑賞No:01385
製作:2006年/日本/109分
監督:村上正典
出演:大沢たかお/中谷美紀/佐藤隆太/上野樹里

長崎市役所に勤めるサユリは、出会う男性に王子様ランキングをつけて楽しむ妄想の毎日を過ごしていた。そんな中、王子様ランキングの常にトップである憧れの先輩・聡史に再会したことから、この恋を実らせようと奮闘が始まる・・・。

長崎を舞台に、健気でちょっとドジな女性が憧れの先輩との恋を夢見るラブ・ストーリー。中谷美紀が「嫌われ松子の一生」同様、美貌に反した役を好演している。「嫌われ松子」も「サユリ」もともに男性に愛されたいという願望から行動する女性を演じているが、サユリは「嫌われ松子」とは正反対のエンディングを迎えるので観終わって幸せな気分を味わうことができる。出演者も皆いわゆるイイ人ばかりなので、ほんとにピュアなラブ・ストーリーという感じ。(どろどろしたところがないので少し物足らない!?)中谷美紀にしろ、サユリと同類として扱われるメグミ役の上野樹里にしろ、さえない女性の役だが元がイイので、多少感情移入できないところはあった。(さえない女性役なら、こんな美人女優を配役するのはいかがなものか・・・?)

劇場公開日 2006年11月3日



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2017-01-27

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

★★★
スキヤキ ウエスタン ジャンゴ
鑑賞No:01487
製作:2007年/日本/121分
監督:三池崇史
出演:伊藤英明/佐藤浩市/伊勢谷友介/安藤政信

壇ノ浦の戦いから数百年後。荒涼の大地にある寒村“湯田”に平家の再興資金が隠されているという噂が立つ。その噂を聞きつけてこの村にやってきた平清盛率いる赤の平家ギャングと源義経率いる白の源氏ギャングが抗争を続けていた。そんなある日、この村に一人のスゴ腕ガンマンがやってくる。清盛も義経もこのスゴ腕ガンマンを味方につけようと色々と画策し始める・・・。

“面白ければそれでいいい”というところでしょうか?いつの時代なのか、何処なのかもよく判らない映画。(説明では壇ノ浦の戦いから数百年後というから400~500年後として戦国時代か、江戸時代前期?)平清盛や源義経などの実在の歴史上の人物の名は出てくるが、二大勢力の対立軸を明確に表すためだけのようで、実在の人物との関係は出てこない。いづれにせよ、そんな時代や人物は関係ないようだ。ストーリーはいたって単純で、ふらりと立ち寄ったガンマンがこの村のため、村で抗争を続けるギャングをやっつけちゃうという話。一風変わった西部劇(?)を観たい人はどうぞ!

劇場公開日 2007年9月15日



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2017-01-19

シベリア超特急

★★★
シベリア超特急
鑑賞No:01123
製作:1996年/日本/90分
監督:水野晴郎
出演:水野晴郎/かたせ梨乃/菊池孝典/西田和晃

第二次世界大戦前夜のシベリヤ鉄道内で起こる連続殺人事件が起こる。犯人推理を山下奉文陸軍大将が始めるが、スターリンの命によって山下暗殺のために送り込まれた刺客に遭遇する・・・。

映画評論家の水野晴郎が製作・監督・原作・脚本・主役に挑んだサスペンス・ミステリー。山下陸軍大将を演じた水野晴郎の素人演技が微笑ましい。B級映画ながら、結構楽しめるストーリーで、最後のダブルどんでん返しも見もの。

劇場公開日 1996年2月24日

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2016-12-19

聖獣学園

★★
聖獣学園
鑑賞No:00304
製作:1974年/日本/91分
監督:鈴木則文
出演:多岐川裕美/山内えみ子/渡辺やよい/大谷アヤ

修道尼だった母・美智子の死因をつきとめるべく修道院に入ることを決意した多岐川魔矢は、夜の手配師青木健太に体を与えた次の日、セントクルス修道院の肋修女となった。院長小笠原綾、副院長松村貞子に助修女の部屋に案内された魔矢は、少年刑務所出身の石田松子と同室になり意気投合する。そんな魔矢と松子が、松村に逆らう態度を見せたために、松村は、修道尼の美恵に彼女たちの監視を命令するが・・・・。

修道尼だった母親の死に不審を抱いた娘が修道院に入り、真相を突き止めて復讐するという、ありきたりなストーリー。さすがに女の園というか、女の世界なので、宗教観とも絡まって陰湿な仕打ちや禁断の関係など、エログロシーンは満載。ただ、さほど興味深い内容ではなかった。この映画を有名にしたのは、何と言っても、多岐川裕美のデビュー主演作であり、唯一のヌードシーンがあるからです。もちろん、デビュー作ですから、その当時は無名の新人だったはずですが、とはいえ、その脱ぎっぷりは、その後の名声からは驚きの一言です。

劇場公開日 1974年2月16日



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2016-12-18

植物図鑑 運命の恋、ひろいました

★★★★
植物図鑑 運命の恋、ひろいました
鑑賞No:02829
製作:2016年/日本/112分
監督:三木康一郎
出演:岩田剛典/高畑充希/阿部丈二/今井華

ごく普通のOL・さやかは、ある日、マンションの前で行き倒れていた青年・樹と出会う。半年間という期限付きで樹はさやかの家で暮らすことになり、料理上手で野草に詳しく、それまで知らなかった世界を優しく教えてくれる樹に、さやかは次第に惹かれていくが・・・。

「図書館戦争」などのベストセラー作家・有川浩による恋愛小説の映画化。たとえイケメンでもこんなにいとも簡単に共同生活という名の同棲が始まる? そして半年も下の名前しか知らない? 半年も同棲していてキスすらしない関係でいられる? 何ともありえないピュアさのストーリーでツッコミどころは多いけど、半年後、突如消えてしまうイケメンくんに戸惑い、混乱し、悲嘆するヒロインの切ない気持ちはじ~んと伝わってきた。ちょっと「愛と青春の旅だち」を思わせる作品。

劇場公開日 2016年6月4日



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2016-11-28

シン・ゴジラ

★★★+
シン・ゴジラ
鑑賞No:02827
製作:2016年/日本/119分
総監督:庵野秀明/監督:樋口真嗣
出演:長谷川博己/竹野内豊/石原さとみ/高良健吾

東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが・・・・。

日本版ゴジラとしては初のフルCGで作られた作品。ただ、ゴジラがフルCGであること以前に、これまでの日本版ゴジラやハリウッド版ゴジラとは趣も異なり、一線を画す作品となっている。これまでの作品は人間VSゴジラ、あるいはゴジラVS怪獣という対決構図の中でゴジラが描かれていたが、本作は日本政府(組織)VS外敵といったイメージで、あくまで外敵のイメージ的な象徴としてゴジラが描かれているが、ゴジラは観る人によって何物にも置き換えることができるような印象だ。それに対し、人間側はこれまでのような主人公的なヒーローは出てこず、常に組織として判断・行動しており、実にリアルだ。実際に有事の際はまさにこのような内部の動揺、喧喧囂囂なやりとりが展開されるのだろうと思わせるような描写だ。憲法9条をめぐる憲法改正論議が今後活発になるだろうが、まさにゴジラのような容赦ない侵略者によって引き起こされる有事の際には日本はどうするのか?という日本全体の課題について突きつけられたような内容になっている。

劇場公開日 2016年7月29日



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2016-11-08

座頭市(1989年版)

★★★
座頭市(1989年)
鑑賞No:01587
製作:1989年/日本/116分
監督:勝新太郎
出演:勝新太郎/緒形拳/樋口可南子/陣内孝則

牢を出たばかりの座頭市は、漁師の儀助の家に厄介になりながら、五右衛門一家の開く賭場で遊んでいた。その賭場で大勝ちした市に憮然とした五右衛門一家は取り囲むが、女親分のおはんのとりなしにより難を逃れる。そんな頃、跡目を継いだばかりの五右衛門は、宿場一帯を仕切るため、八州取締役に取り入ろうとしていた・・・。

「座頭市」シリーズは1962年以降、数多く作られたが、この作品は主役の勝新太郎が唯一監督を務めた作品。また勝新太郎による座頭市は本作品が最後となっている。勝新・座頭市はTVでは何度か観たことがあったが、映画で観るのは初めて。基本的にはTVと特に変わった印象はなかったが、勝新太郎が製作・監督・脚本・主演を務めただけあって座頭市の面白い部分を巧く集めた、いわゆる集大成のような感はあった。座頭市というキャラクタも魅力あるキャラである。盲目という障害を持ち、世間的には弱者という立場にあり、腰の低い按摩という普段の姿から、一変して立ち回りは後ろにも目があるかのごとく見事な居合術に唖然とする。この180度の変わりようもヒーローものの一つの魅力だ。20年前の作品ということもあり、お馴染みの顔ぶれも多いが皆若く、ある意味新鮮に観ることができた。「2」の企画もあったようだが、撮影中の不幸な事件や、勝新太郎の逮捕などで流れたことは残念である。

劇場公開日 1989年2月4日



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2016-10-30

スマイル 聖夜の奇跡

★★★★
スマイル聖夜の奇跡
鑑賞No:01570
製作:2007年/日本/124分
監督:陣内孝則
出演:森山未來/加藤ローサ/坂口憲二/田中好子

プロのタップダンサーになる夢に破れ、小学校の教師となって恋人の静華がいる北海道にやってきた修平。早速、静華の父親に結婚の許しを請いに行くが、結婚の条件として少年アイスホッケチーム“スマイラーズ”を勝たせることを言い渡される。勝利経験のないアイスホッケーチーム相手に、全くの素人である修平は、得意のタップダンスを活かした奇抜な作戦を次々と考えていく・・・。

あまり期待してみたわけではなかった分、なかなか良かった。多少軽薄な演出だが、青春サクセスストーリーとしては基本に忠実でそれなりに楽しめる。ただストーリー的には王道すぎて、逆に新鮮さには欠けるきらいがあった。もう少しストーリーに工夫があるか、人間をもう少し描くなどがあれば深みが出たかも。アイスホッケーシーンはさすがに経験者を採用しているだけあって迫力があったが、その分演技は素人なので、演技面から見た完成度は低い。陣内監督の人脈なのか、主役の子供たち以外には結構豪華なキャストではあったが、皆チョイ役で絡みも薄かったのはチョット残念。少々軽いが、ノリがよく、テンポのよい、爽やかな作品。

劇場公開日 2007年12月15日

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2016-10-29

SHINOBI

★★★+
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鑑賞No:01569
製作:2005年/日本/101分
監督:下山天
出演:仲間由紀恵/オダギリジョー/椎名桔平/黒谷友香

時代は太平の世に向い始めた1614年。それまで忍者の里として勢力を競ってきた伊賀と甲賀は、初代・服部半蔵の定めた掟によって長きに渡って互いに戦うことを禁じられてきた。そういった中で、それぞれの里の跡取りである伊賀の朧と甲賀の弦之介は運命的な出会いをし、恋に落ちる。しかし、徳川家康の命によって、伊賀と甲賀の精鋭5人を戦わせ、その結果によって将軍家の世継ぎを決めることに・・・。

山田風太郎の「甲賀忍法帖」を原作とする時代劇。全体的になかなかよいストーリー展開で面白かったが、描き方が多少薄っぺらい感があり、その分感情移入も薄くなった。そもそも2人が愛し合うところから何も描かれていないので、その後の2人の苦悩もあまり強く伝わってこなかった。精鋭5人の決闘シーンは結構見ごたえがあったが、誰がどんな忍術の持ち主か、もう少し説明があって、それぞれ5人がもっと入り乱れての戦いであればもっと面白かったように思った(柔道の対抗戦のような戦いを想像していたので・・・・)。全体的に日本版X-MENといった感じの映画。ちなみに、朧と弦之介との対決シーンでの結末は切ないながら感情移入できていない分、泣けるシーンとはならなかったが、朧と家康の面会シーンでの朧の身体を張った嘆願には心を打たれた。映画の進行上ではすでに忍者の里に対する攻撃が始まっていたので、もの凄い後味の悪い終わり方が頭をよぎったが、最後はきれいにまとめた感があった。

劇場公開日 2005年9月17日



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2016-10-23

女王蜂

★★★
女王蜂
鑑賞No:01103
製作:1978年/日本/139分
監督:市川崑
出演:石坂浩二/高峰三枝子/司葉子/中井貴恵

昭和27年、伊豆・月琴の里。地元の名家・大道寺家の時計塔で娘・智子の求婚者の一人が無残な死体で発見される。一方、19年前に起きた事件を再調査するため、金田一耕助は大道寺家を訪れるが、やがて智子の求婚者が次々と謎の死を遂げていく・・・・。

横溝正史の同名小説の映画化。一通の警告状に端を発した連続殺人事件に名探偵・金田一耕助が挑む。市川崑監督の金田一シリーズとしては、「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」に続く第4作となる。豪華な俳優陣が揃った分、登場人物も多く、人間関係も複雑、さらに時間軸が現代(昭和27年)と20年前の昭和7年の2本あり、分かりにくい部分があったが、まずまず楽しめた。相変わらず連続殺人はやや芝居がかった印象があるが、市川崑監督の前3作に比べ、全体的に暗さはなく、むしろ原色系の明るさが印象的だった。そういう意味ではおどろおどろしさが強調されている前3作と一線を画す分、インパクトもやや弱いのか?印象に残りにくい作品だった。

劇場公開日 1978年2月11日



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