FC2ブログ

2019-12-02

居眠り磐音

★★★★+(4.5)
w居眠り磐音
鑑賞No:02943
製作:2019年/日本/121分
監督:本木克英
出演:松坂桃李/木村文乃/芳根京子/柄本佑

3年間の江戸勤番を終えた坂崎磐音は幼なじみの小林琴平、河井慎之輔とともに九州・豊後関前藩に戻った。琴平の妹・舞は慎之輔に嫁ぎ、磐音もまた、琴平と舞の妹である奈緒との祝言を控えていた。しかし、妻の舞が不貞を犯したという噂を耳にした慎之輔が舞を斬ってしまい、それに激高した琴平が慎之輔に噂を吹き込んだ人物と慎之助本人をも斬るという事態に発展。磐音は罰せられた琴平を討ち取るよう命じられてしまう。2人の友を1日にして失う悲劇に見舞われた磐音は、許婚の小林奈緒を残したまま関前を後にし、たどり着いた江戸の長屋で浪人に身をやつすこととなる。昼は鰻割きとして働き、夜は両替商・今津屋で用心棒稼業を始めた磐音だったが・・・・。

佐伯泰英の人気時代劇小説「居眠り磐音 決定版」シリーズの映画化。最近、「不能犯」や「孤狼の血」「娼年」などでこれまでのイメージを大胆に変えてしまった演技を見せた松坂桃李。演技の幅の大きさを見せつけ、次はどんな役にチャレンジにするのかと期待していたところ、これまた意外にも本来の(個人的に思い込んでいる)イメージに近いというか、イメージそのものの役柄を好演していた。脇を固める俳優陣は豪華で勿体ない使い方をされている人もいた中、坂崎磐音役は松坂桃李の代表的なキャラクターになりそう。

劇場公開日 2019年5月17日



>>居眠り磐音の続きを読む

  1. 邦画-い
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2017-11-10

居酒屋ゆうれい

★★★★(4.0)
w居酒屋ゆうれい
鑑賞No:00853
製作:1994年/日本/112分
監督:渡邊孝好
出演:萩原健一/山口智子/室井滋/三宅裕司

居酒屋の主人・荘太郎は妻・しず子が息を引き取る前に、絶対再婚はしないと約束する。しかし、ず子の死後、兄の勧めで見合いした里子と結婚してしまう。そんな荘太郎と里子の前に、しず子が幽霊となって現れ、約束を破ったことを荘太郎に問い詰めるのだった。以後、しず子は毎晩のように2人の前に現れ、奇妙な三角関係が生まれる・・・・。

山本昌代の同名小説を映画化したラブ・コメディ。軽いタッチながら、なかなか楽しめる映画。タイトルに「ゆうれい」とあるが、こわいシーンは出てこない。コメディホラーというジャンルにも該当せず、よってドタバタもほとんどない。冒頭ラブ・コメディと紹介したが、全編通じて感じられるのは下町情緒で、むしろ人情劇と言う方がふさわしいか? それを示すかのごとく、主役3人の奇妙な三角関係だけでなく、橋爪功演じる親娘関係や、三宅裕司が絡む家族の話は人情劇お決まりのエピソードである。山口智子のチラリズム全開のお宝映像も目が離せない作品。

劇場公開日 1994年10月29日

(予告編なし)

>>居酒屋ゆうれいの続きを読む

  1. 邦画-い
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2017-04-17

怒り

★★★★+
怒り
鑑賞No:02851
製作:2016年/日本/142分
監督:李相日
出演:渡辺謙/森山未來/松山ケンイチ/綾野剛/広瀬すず

東京・八王子で起こった残忍な殺人事件。犯人は現場に「怒」という血文字を残し、顔を整形してどこかへ逃亡した。それから1年後、千葉の漁港で暮らす洋平と娘の愛子の前に田代という青年が現れ、東京で大手企業に勤める優馬は街で直人という青年と知り合い、親の事情で沖縄に転校してきた女子高生・泉は、無人島で田中という男と遭遇するが・・・・。

渡辺謙を主演に、森山未來、松山ケンイチ、広瀬すず、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡といった錚々たるキャストだったが、第40回日本アカデミー賞で受賞したのは妻夫木聡の優秀助演男優賞だけというのはチョット寂しい結果だった。しかし、キャストの中でも今回一番チャレンジ感のある演技だった妻夫木聡の受賞は納得。1年前の殺人事件の犯人は謎のままで、3つのストーリーが並行して進んでいくという興味深い構成。それぞれのストーリーには1年前の殺人犯らしき人物が登場し、怪しさを増長させている。ただ、この3つのストーリー、終盤でどう絡むのかという期待で一杯だったが、結局ストーリー的に絡むことなく、その点は期待感いっぱいで観ていただけに残念だった。ともかく最後まで飽きさせない構成とストーリー展開は見事な作品。

劇場公開日 2016年9月17日



>>怒りの続きを読む

  1. 邦画-い
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2015-12-06

イニシエーション・ラブ

★★★★+
イニシエーション・ラブ
鑑賞No:02743
製作:2015年/日本/110分
監督:堤幸彦
出演:松田翔太/前田敦子/木村文乃/三浦貴大

バブル真っただ中の、1980年代後半の静岡。友人から合コンに誘われ、乗り気ではなかったが参加することにした大学生の鈴木は、そこで歯科助手として働くマユと出会う。華やかな彼女にふさわしい男になろうと、髪型や服装に気を使って鈴木は自分を磨く。二人で過ごす毎日を送ってきた鈴木だったが、就職して東京本社への転勤が決まってしまう。週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を続けるが、同じ職場の美弥子と出会い、心がぐらつくようになる・・・・。

最後の2行に仕掛けられたどんでん返しが評判を呼び、発表から10年以上を経て150万部を超えるベストセラーになった乾くるみの人気小説の映画化。映画の本編は一見、陳腐な青春ラブストーリーもの。ただこの映画が話題になったのは、映画の謳い文句である「衝撃のラスト5分」。いったい何が起こるのか?それにワクワクしながら、また起こるであろう可能性を色々と思いめぐらせながら、映画はそのラスト5分へ。そして、「あっ!」と叫んだかと思うと、一瞬何が起こったのか分からなかったが、事態が分かった時、「騙された~」と叫んでしまう。そしてカセットテープを巻き戻すが如く、真相が明らかにされると、本編中に散りばめられた伏線に驚かされ、感心してしまう。確かに本作は単純なラブストーリーではなく、緻密に計算されたミステリーだった。さらに設定だけではなく、ミステリーのカギを握る鈴木という難しい青年役を演じきった松田翔太の好演も良かったし、演技下手と何かと酷評の多い前田敦子だが、今回は男心をくすぐるロリっこ娘を熱演し、見事に騙してくれた。

劇場公開日 2015年5月23日






  1. 邦画-い
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2015-11-03

犬と私の10の約束

★★★+
犬と私の10の約束
鑑賞No:01652
製作:2007年/日本/117分
監督:本木克英
出演:田中麗奈/加瀬亮/福田麻由子/豊川悦司

病院に勤める父と優しい母のもとで幸せな暮らしをしていた14歳のあかり。しかしある日、母が病気で入院してしまう。父は病院の仕事で忙しく、一人ぼっちのあかりは寂しさを紛らすために庭に迷い込んだ一匹の犬を飼うことにする。そんなあかりに母は犬を飼う時は「10の約束」をしないといけないと教える。それからほどなくして母は他界してしまい・・・・。

人の日常生活において最も近しい動物である犬を家族の一員と位置づけて“家族愛”を描いている点、あまり重くもならず、かといってやはりラストは泣けてしまうといった、いい具合に感動できる映画。物語としては犬を飼い始めてから犬の死までの約10年という長いスパンだが、その中で母の死、父の転勤、そして主人公の成長と、幼馴染との別れと再会、そして結婚と、ごく自然に起きるだろう人生の出来事を、犬と絡ませながらさらりと悲喜こもごもが上手く演出されていた。豊川悦司は役柄によって色々な印象を感じる俳優だが、ここではいい感じの父親役を良く演じていた。

劇場公開日 2008年3月15日


  1. 邦画-い

2015-10-06

いこか・もどろか

★★★
いこか・もどろか
鑑賞No:00281
製作:1988年/日本/105分
監督:生野慈朗
出演:明石家さんま/大竹しのぶ/清水紘治/阿藤快

暴力団の金を使い込んで窮地に立たされていた田口翔平は、ひったくりを行う。しかしその金を向井小夜子というOLに横取りされてしまう。小夜子はギャンブルで会社の金を使い込んでいたためだ。そこで2人はさらに金を得るため、強盗を計画する。これが暴力団や警察に追われるドタバタ劇の始まりだった・・・。

すでに「男女7人」シリーズで共演を果たし息もピッタリの2人だったが、この映画撮影終了後に結婚発表がされるほど、この映画での息の合い具合は最高潮だったのかもしれない。内容的にはドタバタ劇で決して品質的には高くないが、2人の持つキャラがよく活かされていて十分楽しめる。ジェットコースタームービーと評されたが、テンポいいストーリー展開もよかった。

劇場公開日 1988年8月27日




  1. 邦画-い

2015-09-26

悼む人

★★★
悼む人
鑑賞No:02713
製作:2015年/日本/138分
監督:堤幸彦
出演:高良健吾/石田ゆり子/井浦新/貫地谷しほり

週刊誌記者・蒔野抗太郎は、死者を「悼む」ために全国を旅しているという青年・坂築静人と出会う。蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの記事を得意とし、日々そうした情報に触れていることから、人の善意などすでに信じることができずにいた。静人の「悼む」という行為も偽善ではないかと猜疑心を抱き、化けの皮をはいでやろうと思った蒔野は、静人の身辺を調べ始めるが・・・・。

第140回直木賞を受賞した天童荒太のベストセラー小説を映画化。これは難しい映画でした。ただ、ストーリーが難しいというのではありません。むしろ、いくつかのストーリーが並行して描かれ、通常はわかりにくくなっていくはずですが、本作はそれらが見事に絡み合い、関係し合い、逆に最初分からなかったことが次第に分かってくるという、分かりやすい構成になっています。分かりにくいのは登場人物の行為です。主人公の静人の悼む行為は結局、最後まで分からなかった。井浦新演じる甲水朔也もよく分からない人物だし、石田ゆり子演じる奈義倖世だってよく分からない女性。ストーリーはわかりやすいが、登場人物が分けのわからない人が多く、理解しがたい作品。

劇場公開日 2015年2月14日



  1. 邦画-い

2015-08-26

犬神家の一族

★★★★
犬神家の一族(2006年)
鑑賞No:01390
製作:2006年/日本/136分
監督:市川崑
出演:石坂浩二/松嶋菜々子/尾上菊之助/富司純子

犬神一族の総帥・犬神佐兵衛の死去に伴い、一族が集まる中で遺言状が公開される。しかしそこには親族ではない珠世に全財産が譲るとの記載がされていた。それを機に一族の争いは連続殺人事件となっていく・・・。

1976年に公開された横溝正史原作の傑作ミステリーを忠実にリメイクした作品。金田一耕助役は30年前と同様、石坂浩二が演じる。ストーリー構成は30年前とほとんど同じで新奇性はないものの、却って安心してストーリーや謎解きに集中できてよかった。(すでに犯人は知っているので、犯罪を検証するような気持ちで観れた)ただなんで今、同じ監督で同じストーリー構成のリメイクを作るのか?は疑問であるが。俳優陣はベテラン・演技派を取り揃え重厚な雰囲気を醸し出しながら、犬神家を離れた宿屋のシーンには三谷幸喜や林家木久蔵を配し、おどろおどろしい物語をひととき和ませている。存在感のある松坂慶子や、美しいながらも凛とした女性を演じた松嶋菜々子の演技も光った。ただし30年前の作品の何か暗く異様な雰囲気さがかなり薄らいでいる感じはした。逆に最新の映像技術でリアルに表現できるだろう生首や湖での逆立ち死体はむしろ30年前と変わらず、作り物っぽさが目立った。

劇場公開日 2006年12月16日


  1. 邦画-い

2015-07-21

イン・ザ・プール

★★★★
イン・ザ・プール
鑑賞No:01544
製作:2005年/日本/101分
監督:三木聡
出演:松尾スズキ/オダギリジョー/市川実和子/田辺誠一

豹柄のシャツとブーツに白衣を羽織った、見るからに怪しげな精神科医・伊良部。その彼の元に色々な患者がやってくる。何に興奮したというわけでもないのに、24時間勃起しているという“継続性勃起症”の会社員・田口。戸締りや火の元を何度も確認しないと気がすまない“強迫神経症”のルポライター・涼美。
ストレス発散のために始めたプール通いがいつのまにかプールで泳がないと精神に異常をきたしてしまう“プール依存症”のサラリーマン・田口。どこか奇妙なこれら患者と、破天荒な医者・伊良部が巻き起こすコメディ。

不覚にも三木聡という監督・脚本家を知らなかったが、「図鑑に載ってない虫」「亀は意外と速く泳ぐ」「転々」と立て続けに三木聡作品を観、三木ワールドに完全にはまってしまった。そういう意味ではこの作品はこれら3作よりも旧く、まさに三木ワールドの原点とも言うべき作品かもしれない。相変わらず脱力系&小ネタはふんだんだが、他の3作と明らかに違うのは、主演の松尾スズキが醸し出す雰囲気ではないか。彼独特のこの雰囲気は、まさに彼しかできない演技であり、独り舞台のよう。脇を固める俳優も面白そうな面々ばかりで、たまらない世界を提供してくれます。

劇場公開日 2005年5月21日


  1. 邦画-い

2015-05-13

犬飼さんちの犬

★★★+
犬飼さんちの犬
鑑賞No:02212
製作:2011年/日本/92分
監督:亀井亨
出演:小日向文世/ちはる/木南晴夏/池田鉄洋

離島にある「スーパー バスコダガマ鳥か崎店」に勤務する48歳の平社員・犬飼保は、妻の潤子や子どもたちと離れて寂しく単身赴任中。ある日、本社へ出張することになり、犬飼は家族のもとに戻るが、久々に帰ったわが家には、犬嫌いの保に内緒で家族が飼い始めたサモエド犬のサモンがいた・・・・。

犬嫌いのお父さんが、飼い犬のサモンと接し、いろいろと経験するうちに、やがて心が通うようになり、犬好きになるという話。一言で言ってしまえばそれだけの単純な話だが、全体的にほのぼのとした、心温まる作品。犬が中心の映画のようなタイトルだが、主題は犬を通じて家族の絆を描いているようだった。

劇場公開日 2011年6月25日


  1. 邦画-い

2015-03-15

イン・ザ・ヒーロー

★★★+
イン・ザ・ヒーロー
鑑賞No:02619
製作:2014年/日本/124分
監督:武正晴
出演:唐沢寿明/福士蒼汰/黒谷友香/寺島進

ブルース・リーにあこがれる熱血漢の本城渉は、25年間スーツアクターとしてのキャリアを重ねるも、顔出しでの映画出演がかなわず、ついに妻子に逃げられてしまう。さらに、新人の一ノ瀬リョウの台頭によって追い詰められていたある日、千載一遇のチャンスが舞い込むが、その仕事は命を落としかねない危険なスタントだった・・・・。

スーツアクターという言葉はこの映画を観るまで知らなかったが、いわゆる戦隊アクションものなどで、変身前の俳優に代わって、ヒーローのスーツや着ぐるみを着てスタントを行う俳優のこと。そのスーツアクターにスポットを当てたのがこの作品。ヒーローものやアクションものにはなくてはならない存在ながら、作品の中では顔も映らない、いわば日陰の存在だ。それゆえ、うだつのあがらない俳優たちの、卑屈な映画かと思っていたら大きな間違いだった。映画は監督や主演俳優だけのものではなく、ましてや彼らだけで作れるものではない。裏方・スタッフも含めた関係者全員が一丸となって作るもの、そして唐沢寿明演じるスーツアクターたちの気概、心意気を感じる作品になっている。ラストの長尺の殺陣にはちょっと感動。


  1. 邦画-い

2014-12-13

イエスタデイズ

★★★
イエスタデイズ
鑑賞No:01733
製作:2008年/日本/119分
監督:窪田崇
出演:塚本高史/國村隼/和田聰宏/原田夏希

フリーターの聡史は末期がんで余命わずかな父の病床に呼ばれ、32年前に付き合っていた恋人、澪を探してほしいと頼まれる。当時、父が描いたスケッチを頼りに、2人が住んでいたアパートの部屋を訪ねた聡史は突然、32年前にタイムスリップし、若き日の父と澪に出会うことになる・・・・。

メジャーな映画ではなかったためか、よく知らなかった作品ですが、それなりに良くできていた作品だと思います。タイムスリップものなのでどうしてもタイムパラドックスという問題は避けて通れないが、それはあまり気にせず観るべき。特に不和な関係の父と息子が、過去の父と出会うことによって時を越えた友情を育み、昔の父を理解していくあたりはいい構成になっていると思う。個人的にもタイムスリップして同じ世代の父と会って話をするというのはちょっと経験してみたい。ラストでの父と息子の会話はちょっとジーンときます。
  1. 邦画-い

2014-09-23

偉大なる、しゅららぼん

★★★
偉大なる、しゅららぼん
鑑賞No:02559
製作:2014年/日本/114分
監督:水落豊
出演:濱田岳/岡田将生/深田恭子/渡辺大

滋賀県琵琶湖畔に位置する石走(いわばしり)の町には、代々不思議な力を伝承する日出一族が江戸時代から現存する城に暮らしていた。分家の息子・涼介は一族の掟に従い、修行のため日出家の城に居候することに。そこで涼介は、日出家の跡取り・淡十郎に従者扱いされ、振り回される日々を送る。やがて淡十郎の色恋沙汰が、日出家とライバルの棗家を巻き込み、思わぬ騒動へ・・・・。

「鴨川ホルモー」「プリンセス・トヨトミ」の人気作家・万城目学の同名小説の映画化。「鴨川ホルモー」などと共通する不思議ワールドの映画なので、まともには観ない方がいいかもしれない。この映画も普通に観ればつっこみどころ満載だが、こういう世界観の物語だと最初から納得して観れば楽しめるかもしれない。ストーリーは単純だが、初めは日出家と棗家のバトルとおもっていたが、いつの間にかバトルの対象は変わってしまう。ただ、敵キャラがキャスト的に校長役の村上弘明というのは常道だと思ったけど、実は違っていたのが一番意外でした。
  1. 邦画-い

2014-05-27

イキガミ

★★★+
イキガミ
鑑賞No:01731
製作:2008年/日本/133分
監督:窪田崇
出演:松田翔太/塚本高史/山田孝之/金井勇太

国民に生命の価値を再認識させることを目的とする国家繁栄維持法により、18歳から24歳の中から0.1パーセントの人が否応なく死を迎える世界。公務員の藤本は、この法律によって死を迎える人にイキガミと呼ばれる死亡予告書を配達していた。しかし、死を迎える彼らの最後を目の当たりにした藤本は、この制度への疑問が芽生えてきていた・・・。

間瀬元朗の人気コミックの映画化。映画は大きく3つのエピソードから構成されている。1つめは、路上で歌っていたコンビのうち、一人がスカウトされデビューすることに。しかし初のテレビ出演の日が死亡予定日だったという話。2つめは、政治家の母に嫌悪し、引きこもりになった息子にイキガミがくる話。3つめは、事故で両親を失った兄と全盲の妹のもとに、兄宛にイキガミがくる話。3つのエピソードはそれぞれ独立していて、特に関連性はない。ただし、3つのエピソードには共通してイキガミの配達人として松田翔太演じる藤本が登場する。最近はこの手の映画のように、非現実的で奇想天外、不条理な世の中の設定が多いが、それも先行きの読めない社会情勢への不安から来るものなのか?映画的には設定として面白いが、あくまで映画の世界として観ないと楽しめない。ラストは何の解決もなく、スッキリ感にはほど遠いが、国家繁栄維持法に疑問を感じる藤本に対して、笹野高史演じる藤本の上司が囁く「時が来たら・・・」というセリフに、続編の匂いがプンプンしたように思う。



出演者
松田翔太
塚本高史
成海璃子
山田孝之
柄本明
劇団ひとり
金井勇太
佐野和真
井川遥
笹野高史
塩見三省
風吹ジュン


  1. 邦画-い

2014-05-21

ICHI

★★★
ICHI.jpg
鑑賞No:01727
製作:2008年/日本/120分
監督:曽利文彦
出演:綾瀬はるか/大沢たかお/中村獅童/窪塚洋介

一人旅を続ける盲目の市がチンピラとのいざこざに巻き込まれているところに、藤平十馬と名乗る素浪人が助けに入ってくる。しかし、手が震え、刀を抜くことができない十馬は返り討ちにされそうになる。そのとき、男たちを斬り殺したのは市だった。そんな市の後を十馬はついてきて、ある宿場町にたどり着く。だがそこは万鬼党というチンピラたちが支配する町だった・・・・。

盲目や居合抜きといった座頭市の基本はもちろん踏襲しているものの、勝新・座頭市とは作品の質や雰囲気などにおいて大きく異なる作品となっている。悪くいえば、「座頭市」の名を借りて話題性を高めただけの全くの別作品といえる。同じ座頭市ものでも北野武版座頭市のような斬新さもなく、ストーリーも単純。(斬新といえば座頭市が女性であることぐらい?)主演の綾瀬はるか自身は盲目殺陣の演技で熱演していると思うが、そもそも主役的に立ち回っていたのは市というよりも大沢たかお演じる十馬の方が目立っていた。もう少し市のキャラを明確に目立たせて欲しかった。



出演者
綾瀬はるか(市)
大沢たかお(十馬)
中村獅童(万鬼)
窪塚洋介(虎次)
柄本明(長兵衛)
竹内力(伊蔵)
利重剛(喜八)
佐田真由美(美津)
島綾佑(小太郎)
杉本哲太(盲目の男)
横山めぐみ(十馬の母)
渡辺えり(お浜)


  1. 邦画-い

2014-04-02

伊豆の踊子

★★★

鑑賞No:01017
製作:1974年/日本/82分
監督:西河克己
出演:山口百恵/三浦友和/中山仁/佐藤友美


大正末、天城に向う山道で一高生の川島は旅芸人の一行5人に出会う。彼らは三味線や太鼓、唄や踊りで温泉場の客を相手に生計をたてていた。一行の中のかおると名乗る美しい少女は踊り子だったが、下田まで川島と一緒に旅ができると知って喜んでいた・・・・・。


いわずと知れた川端康成原作の同名小説の映画化で、山口百恵の第一回主演映画としても有名。製作が1974年なので、山口百恵が15歳くらいの時の作品である。さすがにま幼さが残り、演技的にもどこかぎこちなく、素人っぽさが感じられるが、それが逆に汚れを知らない少女かおるにピッタリで、原作のイメージを上手く出していたのではないかと思われる。最近、邦画はどこかまったりした緩い系の映画が多く、それはそれで何か忙しない現代の一服の清涼剤となっているが、この映画はゆったりとした中にもどこか古き日本の情緒とか風景を見せてくれる、最近の邦画とはまた違った品位ある作品である。


伊豆の踊子-1



  1. 邦画-い

2013-10-15

遺体 明日への十日間

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02428
製作:2012年/日本/105分
監督:君塚良一
出演:西田敏行/緒形直人/筒井道隆/柳葉敏郎


2011年3月11日、日本観測史上最大の地震により発生した津波が岩手県釜石市を襲った。一夜明けても混乱状態が続く中、廃校となった旧釜石第二中学校の体育館が遺体安置所となり、次々と遺体が運ばれてきた。そんな中、地区の民生委員として働く相葉常夫が遺体安置所を訪れ、安置所の様子に驚愕した相葉は安置所の世話役を申し出る・・・・。


TV等の映像では流れることのない、遺体安置所の様子にスポットを当てた、東日本大震災のもう一つの真実、側面を描いた作品。無情にも次々と運ばれてくる遺体により、この悲劇を現実のものとして受け入れざるを得ない遺族の人々の辛さ、悲しみは想像を絶する。そうした遺族の心を少しでも安らげようと、西田敏行はじめ役所や医師たちの心遣いや対応に心打たれる。震災で我が子を失った母親が子供の遺体からなかなか離れられない姿には涙を誘う。





  1. 邦画-い

2013-07-25

インスタント沼

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01864
製作:2009年/日本/120分
監督:三木聡
出演:麻生久美子/風間杜夫/加瀬亮/松坂慶子


出版社で編集長を務める沈丁花ハナメだったが、担当する女性誌の売り上げが伸びず休刊、会社を辞めて人生をやり直そうと思っていた矢先、母親が池に落ち入院し、それがきっかけで実の父親が沈丁花ノブロウという男であることを知る。早速手がかりの手紙を頼りにノブロウを訪ねると、そこは「電球商店」という寂れた怪しげな骨董屋だった・・・。


先の読めない展開にいつもワクワクドキドキさせられる三木聡作品だが、本作もテンポよい予測不可能な展開についついハマってしまう面白さ。麻生久美子演じる、ポジティブで前向き、しかしながら不幸続きの人生を送っているハナメがまさにハマリ役で、ふせえりや岩松了などのお馴染みのメンバーが三木聡テイストをより際立たせている。不思議ワールドが度を過ぎている部分もあるが、一種ギャグ・ファンタジーとして観るならばそれもありかも!?風間杜夫の怪しげな骨董屋オヤジの怪演も見もの。


  1. 邦画-い

2013-07-11

犬神家の一族(1976年版)

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:00282
製作:1976年/日本/146分
監督:市川崑
出演:石坂浩二/島田陽子/高峰三枝子/あおい輝彦


旧家の名士犬神佐兵衛の遺言状が公開されるが、莫大な遺産の相続者は佐兵衛の恩師の孫娘である野々宮珠世と結婚した者と記されていた。佐兵衛の孫にあたる3人の男はそれぞれ珠世を我が物にしようと企むのだが、やがてそれは呪われた殺人事件へとなっていく。事件解決の依頼を受けた探偵・金田一耕助は捜査を開始するが・・・・。


2006年末になってまた再び「犬神家の一族」ブームとなったが、今を去ること約40年前に今よりもさらにすごい「横溝正史」ブームがあり、「犬神家の一族」ブームがあった。おりしも角川書店が映画に進出し、角川映画第一弾として製作されたのがこの「犬神家の一族」だった。金田一耕助はいわずと知れた石坂浩二。はまり役となった役である。(個人的にはTV版横溝ものの古谷一行のほうが好きだったが・・・) 推理を楽しむというよりは、おどろおどろしい犬神家の人間模様を見るといった方がふさわしい。横溝正史ブームの頃はよく横溝正史の小説を読んだものだった。「八つ墓村」「悪魔の手毬唄」「獄門島」「悪魔が来りて笛を吹く」・・・などきりがない。いつも犯人には納得しない点があったが、それを払拭させる物語の面白さはあった。


  1. 邦画-い

2013-05-16

犬の首輪とコロッケと

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02378
製作:2011年/日本/84分
監督:長原成樹
出演:鎌苅健太/ちすん/中村昌也/宮下雄也


大阪・生野区で毎日食卓にコロッケとキムチしか出さない在日韓国人の父親のもとに生まれたセイキは、ケンカや窃盗に明け暮れ、少年院に入れられてしまう。やがて少年院を出たセイキは、友人から紹介されたミチコのために真面目に生きることを決意。芸人を目指していた相棒のタツヤに誘われお笑いの道へ進むが・・・・。


「探偵ナイトスクープ」の探偵で有名な長原成樹の自伝的小説を自ら監督して映画化した作品。今のタレント業からはちょっと想像しがたい若き日の非行ぶりが脚色なし?で描かれているよう。出演者はほとんど知らない、素人に毛が生えたような演技だが、それ故、かえってリアルな面も醸し出している。対照的に、どうしてこんな男と?不思議に思うほど、魅力的なミチコの登場でセイキの人生が変わるのは理解できるが、お笑いの道に進む過程はあまり詳しく描かれておらず、ちょっと不親切。


  1. 邦画-い

2013-01-12

板尾創路の脱獄王

★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01949
製作:2009年/日本/94分
監督:板尾創路
出演:板尾創路/國村隼/ぼんちおさむ/オール巨人


昭和初期。過去に2回、脱獄に成功しているいわくつきの囚人・鈴木雅之が信州第二刑務所に移送されてくる。移送直後にも脱獄した鈴木だが、すぐ逮捕されてしまう。その後も何度も脱獄を繰り返すが、簡単に逮捕されてしまう。そんな鈴木に、看守長の金村は興味を持ち始めるが・・・。


脱獄モノと聞くと、すぐ「大脱走」や「ショーシャンクの空に」を思い浮かべるけど、そんな映画を期待したらガッカリしてしまう映画。そこまでの期待はなかったが、それなりに面白そうな感じがしていたが、思いっきり期待を裏切られた感じ。主人公はひたすらに脱獄するがすぐに捕まってしまう。最後まで引っ張る理由は、なぜ脱獄を繰り返すのか?という謎だが、ラストを見てもイマイチ、ピンとこない。脱獄の手口もきちんと説明されていないし、全体的に描き方が薄っぺらい感じは否めない。ヒューマン性もドラマ性もスリル・サスペンス性もない、しいて言えばコント映画のような作品。


  1. 邦画-い

2012-12-02

一命

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02309
製作:2011年/日本/126分
監督:三池崇史
出演:市川海老蔵/瑛太/満島ひかり/役所広司


江戸時代初頭。大名の御家取り潰しが相次ぎ、仕事も家もなくし生活に困った浪人たちの間で“狂言切腹”が流行していた。そんなある日、井伊直孝の大名屋敷に津雲半次郎という初老の浪人が現れ、切腹のため玄関先を貸して欲しいと申し出る。応対に出た井伊家家老の斎藤勘解由は、かつて井伊家に狂言切腹に訪れ、実際に腹を切らされた若い武士・千々岩求女の死に様を、津雲に話し始めると・・・。


前半の、異様な緊迫感・緊張感には思わず見入ってしまった作品。瑛太演じる千々岩求女が狂言切腹を見透かされ切腹に追いやられるシーン、その後現れた市川海老蔵演じる津雲半次郎が真相を話し始めるまでは息をも飲む緊張したシーンの連続で、全体を通して暗い映像もミステリアス性を醸し出していて非常によかった。それだけに、真相を語り始め、回想シーンに入ってからは普通のありふれた時代劇のストーリーになってしまい、そのつまらなさにはがっかりさせられた。途中から完全に結末が読めるストーリーで、切ない内容だけに救いのないむなしさだけが残る作品となった。


  1. 邦画-い

2012-08-04

インシテミル 7日間のデス・ゲーム

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02045
製作:2010年/日本/107分
監督:中田秀夫
出演:藤原竜也/綾瀬はるか/石原さとみ/北大路欣也


フリーターの理久彦は、コンビニで声をかけられた謎の美女・祥子の紹介で、時給11万2000円という超高額の時給にひかれて、あるバイトに参加する。それは暗鬼館という謎の館で7日間暮らすという心理実験で、理久彦や祥子など合計男女10人が参加していた。実験のルールは簡単で、この館で体験する事件を解決するだけ。事件の犯人をみんなで推理し、多数決で犯人を決定、投獄するというものだった。しかし、2日目、1人が射殺体となって発見され、参加者はパニックになる・・・。


出演者はほとんど参加者の10名のみという密室者で、豪華な出演者に期待は膨らむ。さらに、藤原竜也、密室ゲーム、高額報酬となると、「カイジ」と「ライアーゲーム」を足して2で割ったような映画なのかとさらに期待が膨らむ。それがいけなかった・・・・。最近、この手のリアリティのない設定のデス・ゲームものが多いが、あまりにも強引なストーリー展開と、納得のいかない言動や設定にはチョットついていけない感じがする映画でした。心理ゲームというよりパニック映画に近い感じがしましたが、それにしてももっとじわじわくるように丁寧に描いて欲しかった。キャストは良かったので、悪いのは監督・脚本でしょう。(原作は読んでいないので分かりませんが・・・・)


  1. 邦画-い