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2019-01-27

空飛ぶタイヤ

★★★★+(4.5)
w空飛ぶタイヤ
鑑賞No:02914
製作:2018年/日本/120分
監督:本木克英
出演:長瀬智也/ディーン・フジオカ/高橋一生//深田恭子

ある日トラックの事故により、1人の主婦が亡くなった。事故を起こした運送会社社長、赤松徳郎が警察から聞かされたのは、走行中のトラックからタイヤが突然外れたという耳を疑う事実だった。整備不良を疑われ、世間からもバッシングを受ける中、トラックの構造自体の欠陥に気づいた赤松は、製造元であるホープ自動車に再調査を要求する。しかし、なかなか調査が進展を見せないことに苛立った赤松は、自ら調査を開始。そこで赤松は大企業によるリコール隠しの現実を知ることとなる・・・・。

実際に起こった三菱自動車によるトラック脱輪死傷事故とリコール隠しを下敷きにした作品だが、現実もこうだったのだろうと思わず思ってしまう倫理観のない企業至上主義を顕著に現した作品。ここでは弱者はいつも被害者・犠牲者となり、泣き寝入りさせられている現実。正義感を持って真実を追求しても巨大な悪の壁のもと、潰えてしまう現実をまざまざと見せつけられる。内部告発でさえ非情なまでの追及で犯人捜しをされ、握りつぶされてしまう。実際にも発覚していないだけで、至る所で同じようなことが起こり、闇から闇に葬りさられているのではないかと思わず疑ってしまう。ラストは真実が暴かれるという、いわゆるハーピーエンドで終わるが、根本的な問題が解決されていないので、どうもスッキリしない終り方だった。ただ、十分見ごたえはある作品。

劇場公開日 2018年6月15日



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2017-07-03

それでもボクはやってない

★★★★
それでもボクはやってない
鑑賞No:01413
製作:2006年/日本/143分
監督:周防正行
出演:加瀬亮/役所広司/瀬戸朝香/山本耕史

フリーターの徹平は就職面接に向う途中の満員電車の中で、電車のドアに挟まった上着をとろうとしたことから女子中学生に痴漢と間違えられる。現行犯逮捕された徹平は取り調べにあたった刑事には頭から有罪と決めつけられ、当番弁護士にも示談を勧められ次第に不安に駆られる。しかし「無実だから」との思いから無罪を主張する徹平は留置場に拘留されることになり、その後1年にわたる無罪を求めた長き闘いが始まることとなってしまう・・・。

満員電車で痴漢に間違えられ現行犯逮捕された青年の、無実を訴える裁判ドラマ。痴漢事件における冤罪はよく耳にはするが、その実態をまざまざと見せつけられたような衝撃の映画だった。また「疑わしきは罰せず」という裁判の大原則が現実には有名無実であったことも思い知らされる。「起訴されたら99.9%有罪」などという具体的かつ衝撃的な事例などが次々と出てくるのも日本の裁判制度の現実を浮き彫りにしている。この映画を観る限り、2年後に始まる裁判員制度がこの映画で問題提起した点をクリアにしていけるのか、はなはだ不安の残るところ。映画自体はなかなか面白かったが、「これが現実か」というシーンに納得のいかない消化不良感が多々残る映画となった。

劇場公開日 2007年1月20日



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2015-12-23

騒音

★+
騒音
鑑賞No:02750
製作:2014年/日本/103分
監督:関根勤
出演:温水洋一/村松利史/飯尾和樹/岩井ジョニ男/酒井敏也

再開発に沸き立つ平和な街に、突如出現した謎の生物。人間の抵抗力を奪う有毒ガスを吐きながら、二足歩行で人々を襲う不気味な怪物の正体は「地底人」だった。戦う術もなく、誰もが諦めかけたその時、有毒ガスへの耐性を持つ者が現れた。彼らはなぜか皆、家庭や職場で虐げられている「ダサくてしょぼいオヤジ」たちだった。愛する家族、愛する街を守るため5人の男たちは立ち上がるが・・・・。

関根勤の初監督によるコメディ作品。関根勤の人柄・人脈によるものか、多彩な友情出演で主役のしょぼいオヤジたちの脇を華やかに固めていたが、そもそもの内容はひどい。日頃、会社や家庭で虐げられ蔑まれている惨めなオヤジたちにスポットを当て、活躍させるというところまではいいと思うが・・・。そのために出てくるのが現実離れした地底人、それもリアル感ゼロのコントレベルの風体だから、もう笑えもしない。本当に映画を作りたくて作ったのか甚だ疑問。おふざけもここまでくると嫌悪感すら抱いてしまう作品。

劇場公開日 2015年5月23日



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2015-08-25

ソロモンの偽証 後篇・裁判

★★★
ソロモンの偽証 後篇・裁判
鑑賞No:02693
製作:2015年/日本/146分
監督:成島出
出演:藤野涼子/板垣瑞生/石井杏奈/清水尋也

男子生徒・柏木卓也の死から始まった一連の事件に揺れる城東第三中学校で、前代未聞となる子どもによる子どもだけの校内裁判が行われることになった。告発状によって柏木卓也殺害の嫌疑をかけられた問題児の大出俊次を被告に、校内裁判の提案者である藤野涼子は、検事として大出の有罪を立証しようとする。対して、他校生でありながら裁判に参加する神原和彦は大出の弁護人となり、涼子と対峙する。さまざまな思惑が絡まり合う中、涼子らは必死で真相を究明しようとするが・・・・。

ベストセラー作家の宮部みゆきが、「小説新潮」で9年間にわたり連載したミステリー巨編「ソロモンの偽証」を映画化した2部作の後編。前篇では謎だけ残し、何ら解決を提示せず、後篇の裁判に委ねる形として終わったが、その期待した裁判は、後篇に入っても最初の1時間はその準備が描かれ、なかなか始まらないという、勿体ぶりを見せる。それでも裁判が始まると、その進行に惹きこまれはするが、ただ内容は驚くような展開はなく、期待外れというか、拍子抜け。びっくりするような新事実や、想像していなかった大ドンデン返しを期待していたが、すべて予想内、想定内の範囲で、もはやミステリーとは言い難い内容。映画ではあるが、中学生の、大人顔負けの裁判が見れたという程度の作品。

劇場公開日 2015年4月11日


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2015-08-24

ソロモンの偽証 前篇・事件

★★★
ソロモンの偽証 前篇・事件
鑑賞No:02692
製作:2015年/日本/121分
監督:成島出
出演:藤野涼子/板垣瑞生/石井杏奈/清水尋也

バブル経済が終焉を迎えつつあった1990年12月25日のクリスマスの朝、城東第三中学校の校庭で2年A組の男子生徒・柏木卓也が屋上から転落死した遺体となって発見される。警察は自殺と断定するが、さまざまな疑惑や推測が飛び交い、やがて札付きの不良生徒として知られる大出俊次を名指しした殺人の告発状が届き、事態は混沌としていく。遺体の第一発見者で2年A組のクラス委員を務めていた藤野涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、自分たちの手で真実をつかもうと学校内裁判の開廷を決意するが・・・・。

ベストセラー作家の宮部みゆきが、「小説新潮」で9年間にわたり連載したミステリー巨編「ソロモンの偽証」を映画化した2部作の前編。かなり期待して観始めたが、事件自体は意外と単純でハラハラ感は皆無。ストーリー進行もややダラダラしており、退屈感は否めない。ミステリー性も意外とない。事件は自殺か殺人かということが最大の争点だが、告発状の差出人が冒頭で分かっているし、名指しされた生徒も犯人でないことが明らかだからだ。さらに、前篇では何ら解決は見出せず、後篇の裁判に委ねる形なので、本作だけではあまりにも消化不良感が大きい。逆に後篇の裁判に対する期待は高まった。前篇はミステリーというよりも学校関係で発生した事件に対する、学校、家庭、教師、生徒、世間、マスコミなどの対応、思いなどを描いた社会ドラマといえる。

劇場公開日 2015年3月7日



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2015-06-12

そこのみにて光輝く

★★★★+
そこのみにて光輝く
鑑賞No:02663
製作:2014年/日本/120分
監督:呉美保
出演:綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/高橋和也

仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父、その世話に追われる母、水商売で一家を支える千夏がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく・・・・。

41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を基にした作品。主人公の達夫は、むかし働いていた山の現場で部下を死なせてしまうという十字架を背負って生きていたが、偶然知り合った拓児とその姉・千夏はさらに重いものを背負っており、主人公に匹敵あるいは上回る存在感があった。まさにこの3人が主人公のような感じだ。そして終始漂う重苦しい空気。特に後半以降は、決してタダでは済まない、絶対にハッピーエンドはありえない、といった雰囲気いっぱいで、もう何が起こるのかハラハラしっぱなしだった。予想通り事件は起きるが、どうも最後までスッキリしない感じで後味はイマイチ。

劇場公開日 2014年4月19日


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2015-03-23

そして泥船はゆく

★★★
そして泥船はゆく
鑑賞No:02622
製作:2013年/日本/88分
監督:渡辺紘文
出演:渋川清彦/高橋綾沙/飯田芳/武田美奈

栃木県大田原市で祖母と二人暮らしの平山隆志は、36歳にして定職に就かず、離婚した妻に養育費を払っている。怠惰な生活を反省することはさらさらなく、働く気力も起こらない。そんなある日、隆志のもとに死んだ父親の娘を名乗る少女がやって来る・・・・。

栃木県出身の若手映像作家・渡辺紘文が、弟で作曲家の渡辺雄司とともに故郷の栃木で旗揚げした映画制作集団「大田原愚豚舎」の第1回作品。久々に観るモノクロ映像というのも新鮮な気がした。原発事故やカルト宗教、選挙に絡んだ話も出てくるが、メッセージ性は感じられないし、主人公の発言は世間の本音の部分も多分にあるが、主人公自身が自堕落な生活を送る超ダメ男なので、説得力はない。主人公を演じた渋川清彦はまさに当たり役ともいえるキャラクターで面白かったが、ラストの展開はちょっと意味不明でガッカリ。

劇場公開日 2014年12月13日


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2014-04-30

そして父になる

★★★★

鑑賞No:02511
製作:2013年/日本/120分
監督:是枝裕和
出演:福山雅治/尾野真千子/真木よう子/リリー・フランキー


大手建設会社に勤務する野々宮良多は、都心の高級マンションで妻と息子と幸せな日々を送っていた。そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。妻のみどりや取り違えの起こった相手方の斎木夫妻はそれぞれ苦悩するが、どうせなら早い方がいいという良多の意見で、互いの子どもを“交換”することに・・・・。

第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、審査員を受賞した作品。映画やドラマではありがちな設定だが、子供を持つ親としては切実で胸の痛む内容。血のつながりを選ぶか、一緒に過ごした時間を選ぶかと言われても答えの出ないテーマだけに、最後までスッキリした気持ちにはならないが、それでもラストは一番落ち着く結末で終わったのは何よりだった。タイトルが示す通り、福山雅治演じる父の視点が大きな位置を占めるものの、必ずしも共鳴できる言動ではなく、むしろ人生の敗北を知らないエリートのエゴともいえる横顔が垣間見え、それはリリー・フランキー演じる相手方の父親にも指摘される。一方、慰謝料のことをやたら気にするリリー・フランキーの打算的な父親の側面を見せながら、実は本当に父親らしい側面や気遣いをみせるなど、対照的な父親を描いている。また、父親とは違った母親からの視点も興味深く、親子とは何か、家族とは何かを改めて考えさせられる。





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2013-11-13

その日のまえに

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01843
製作:2008年/日本/139分」
監督:大林宣彦
出演:南原清隆/永作博美/筧利夫/今井雅之


日野原健大は売れないイラストレータだったが、妻のとし子と二人の息子と幸せな暮らしをしていた。しかし、ある日、不調を訴えたとし子は病院で検査を受けた結果、余命1年の宣告を受ける。それでも二人は相談の結果、来るべき“その日”を迎える準備を始める。まずは、彼らの生活のスタートとなった結婚当初に暮らしていたアパートを訪ねるが・・・・・。


永作博美は好きな女優なのだが、余命宣告を受けても(内心は別にして)妙に明るく振舞う様は気丈さを通り越して緊迫感がなさ過ぎて、感情移入しにくかった。それを助長したのが夫役の南原清隆で、この軽い感じの配役が映画そのものを軽く浅いものにしている。“死”をテーマにした映画はとかく重い感じになりやすいが、しかしこの映画のようにちょっと軽すぎるのもどうかと思う。明るい笑顔の合間にたまに見せる永作博美の悲しみの表情だけが唯一、死に直面した人のリアルな気持ちを伝えていた。


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2013-05-14

その夜の侍

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02383
製作:2012年/日本/119分
監督:赤堀雅秋
出演:堺雅人/山田孝之/綾野剛/谷村美月


鉄工所を営む中村は、5年前に妻をひき逃げ事件で失って以来、妻からの最後の留守電を聞くのを日課とした無気力な日々を送っていた。一方、ひき逃げ犯の木島は刑期を終え出所したが、しばらくすると匿名の殺害の脅迫状が届くようになる。そして中村の妻の命日に2人はついに対峙することになるが・・・・。


どのような方法で復讐を遂げ、結末を迎えるのか?それを楽しみに、途中、少しかったるいストーリー展開にも我慢して観ていたが、予想外の唖然とする展開にガッカリ。2人が直接対峙するまでが長すぎるきらいはあるが、並行して描かれる2人の3日間は興味深いといえば興味深かった。それだけにこの結末は何なの?感が尋常ではない。異常ともいえる木島の性向にも拘らず、谷村美月演じる警備員や田口トモロヲ演じる会社の先輩など、あれほど木島にひどいことをされながら彼から離れないのも理解に苦しむ。

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