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2019-01-02

泥棒役者

★★★+(3.5)
w泥棒役者
鑑賞No:02902
製作:2017年/日本/114分
監督:西田征史
出演:丸山隆平/市村正親/石橋杏奈/宮川大輔

かつて金庫破りとして泥棒稼業に足を踏み込んでいた大貫はじめ。今では足を洗い小さな町工場で真面目に働き、恋人の美沙と幸せな同棲生活を送っていた。しかし、刑務所から出所したばかりのかつての泥棒仲間だった畠山則男に「美沙に泥棒だった過去をバラす」と脅されたはじめは、則男とともに泣く泣くある豪邸に泥棒に入る。忍び込んだ豪邸で「豪邸の主人」「絵本作家」「編集者」と次々と別人に間違えられるはじめは、泥棒であることがバレたくない一心で間違えられた役柄を必死に演じることとなるが・・・・。

原作が舞台作品というのはよく分かります。やはり、映画よりも舞台の方が本作品におけるキーとなる緊張感はよく伝わると思う。ただ、単純に楽しめる作品になってはいる。主演の丸山隆平もキャラクターを活かした役作りでいい味を出してはいたが、この映画の作品イメージをより強く印象付ける演技をしていたのは、さすがとも言える市村正親の役どころ。「ここまでよくやるな~」という驚きを通り越して、むしろこの役を自ら進んで楽しんで演じているとさえ感じる演技に納得した。あとは前半の展開が良すぎた分、後半はもっと映画ならではの展開になってもよかったのでは?

劇場公開日 2017年11月18日



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2018-02-28

トリック劇場版2

★★★(3.0)
wトリック 劇場版2
鑑賞No:01315
製作:2006年/日本/111分
監督:堤幸彦
出演:仲間由紀恵/阿部寛/生瀬勝久/堀北真希

ある日、上田の研究室に、上田の著書を手にした青年・青沼が訪ねてくる。10年前、筐神佐和子に連れ去られた幼馴染みの美沙子という女性を取り戻して来て欲しいというのが用件だった。一人では怖い上田は、例によって奈緒子を巻き込み、佐和子とその信奉者が待ち受ける筐神島へ向かうのだが・・・・。

TVシリーズの劇場版第2作。TV版は観たことがないが、それなりに楽しめる。ただしパロディ満載のコメディ作品だが、マニアックに通じていないとわからないパロディも多くある。タイトルにもなっているさまざまな仕掛け(トリック)はあまり納得できないものばかり。もう少し現実性のあるものが欲しい。堤監督は完結編といっているらしいが、本当か? 続編を期待する。(案の定、3作目は製作されたが・・・・) 市長選立候補者ポスターの中に「ばってん荒川」さんがあり。この映画を観たときはすでにお亡くなりになっていました。ご冥福をお祈りします。

劇場公開日 2006年6月10日



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2018-02-24

となりのトトロ

★★★(3.0)
wとなりのトトロ
鑑賞No:02005
製作:1988年/日本/88分
監督:宮崎駿
声の出演:日高のり子/坂本千夏/糸井重里

サツキとメイの姉妹は、お父さんと一緒に田舎の一軒家に引っ越してくる。入院中の母親の退院を空気のきれいな家で迎えるためだった。ある日メイは、茂みのトンネルをくぐり抜け、不思議な生き物トトロに出会う。さらにサツキも父の帰りを待つバス停でずぶ濡れのトトロに出会い、傘を貸してあげることに。やがて病院から電報が届き、心配したメイは一人病院に向うが迷子になってしまい・・・・。

今まで観たジブリ作品は非現実的な世界を描いた作品が多かったが、この「このとなりのトトロ」は観始めは現実的な世界だったため、ちょっと意外感があった。そしてトトロが登場するあたりから非現実感が漂ってくるが、どうも現実と非現実が混ざり合ったような内容で、最後まで戸惑った。作者は何を描きたかったのか? この映画は我が家の子どもたちも幼い頃、大好きな映画だったが、多分大人とは違った感じ方で楽しんでいたものと思う。それぐらい、摩訶不思議な世界観と、随所にどうも引っかかるシーンやセリフがあった。後でネットで調べると、「となりのトトロ」に関する都市伝説があることを知り、読んでみると「なるほど」と引っかかったシーンを見事に説明してくれていた。この都市伝説自体はジブリは否定しているし、こじつけたような解釈もあるが、観終わった後のモヤモヤ感はいくらか解消してくれる。解釈次第では単なるファンタジー・アニメとは言えない奥の深い作品。

劇場公開日 1988年4月16日



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2018-02-22

東京原発

★★★★(4.0)
w東京原発
鑑賞No:02162
製作:2003年/日本/110分
監督:山川元
出演:役所広司/段田安則/平田満/吉田日出子

都民の支持が高い天馬東京都知事が臨時緊急局長会議の席上で、「東京都に原発を誘致する」と爆弾発言する。原発誘致のメリットを力説する天馬に対し、津田副知事はじめ6名の出席者は賛成派、反対派に分かれ、喧々諤々の論争に。そのころ、東京都内を極秘裏にプルトニウム燃料を積んだトレーラーが走っていたが、そのトレーラーが爆弾を持った一人の少年にジャックされ・・・・・。

7年前に公開された映画だが、こんな映画があったとは!という感動にも似た印象を持った作品。当時はあまり関心がなかったと思われる原発問題だが、今観るには最適の映画で、原発の現状や問題点などがわかりやすく理解できる。賛成派、反対派それぞれの言い分にそれなりにうなずきながら、原発の真の問題点の核心に迫っていくストーリー構成は面白い。多少エンターテイメント性を持たせるために爆弾ジャックの話を入れているのは余計のような気もしたが、最後はハラハラドキドキでどういう結末にするのか気を揉んだ。東日本大震災が起こり、原発問題がこれだけクローズアップされているだけに、今観てほしい映画。

劇場公開日 2004年3月13日



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2017-08-23

東京少女

★★★+(3.5)
w東京少女
鑑賞No:01618
製作:2008年/日本/98分
監督:小中和哉
出演:夏帆/佐野和真/秋本奈緒美/近藤芳正

ファンタジー小説家を夢見る女子高生の未歩はふとしたことで携帯電話を落としてしまうが、その携帯電話が時空を超えて明治45年に生きる小説家志望で夏目漱石の弟子・宮田時次郎の手に渡ってしまう。自分の携帯に電話をかけた未歩はこの事実に驚くが、時次郎と会話を重ねるうちに2人はほのかな気持ちを抱きあうように・・・・。

時空を超えてコミュニケーションを取る映画としてはまずキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックの「イルマーレ」が浮かんだが、この時のツールは手紙だったのに対し、こちらは携帯電話と現代っぽい設定になっている。また「イルマーレ」の時間差は2年という設定だったが、この「東京少女」は明治と昭和という、約100年の時間差というか時代差がある。基本的なストーリーはこの手の映画は常套なのか、似通った部分がかなりあるが、100年という時空を超えたデートシーンはなかなか面白かった。10円カレーで有名な日比谷の松本楼が出てくるが、100年以上の歴史のあるお店だからこそ成り立つシーンですね。手鏡のシーンもよかったし(「イルマーレ」では木を植えるシーンに当たるのかな?)、約100年前の事件としてタイタニック沈没を持ち出すところも、お決まりながら嬉しかった。それにしても、この2人に実際に会っているあのお婆ちゃんは100歳越えになるはずですが、ちょっと元気過ぎでしたね。でも最後にこのお婆ちゃんがうまく絡んでくるあたり、よくできたストーリーになっていた。

劇場公開日 2008年2月23日



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2017-08-20

突入せよ!あさま山荘事件

★★★+(3.5)
w突入せよ!あさま山荘事件
鑑賞No:01127
製作:2002年/日本/133分
監督:原田眞人
出演:役所広司/宇崎竜童/伊武雅刀

72年2月19日、長野県南軽井沢のあさま山荘に、連合赤軍メンバー5人が管理人の妻を人質にとって立てこもった。警察庁長官の命で現地に向った佐々は陣頭指揮に当たることになる。しかし、極寒の現場、警視庁と長野県警の対立、マスコミの批判や大勢の野次馬など、トラブルが続出し、事件も予想外の長期戦となってしまう。そしてついに強行突破へと・・・・。

1972年に実際に起こったあさま山荘事件を題材にした映画。この事件の象徴的なシーンはやはりクレーン車に取り付けた鉄球で山荘を取り壊すシーンでしょか?このシーンは今でも時折TVで流れることがありますが、衝撃的なシーンでした。映画はこの事件をドキュメンタリー風に描いていますが、TVでは分からない部分をよく描いています。そして現場での実態がよく分かり、もどかしさと不信感がふつふつと湧いてきます。もし自分が人質になっていてこんな様子を見たら「何やってんだ!」と怒鳴りたくなるでしょう。まさに日本の官僚機構の大きな欠点をさらけだしたような映画でもあります。事件そのものはいきなりTVの中継で全国の視聴者の知るところとなりますが、実は後先になりますが、この事件の発端となる大量リンチ殺人が後で明らかになります。70年代の日本を震撼させた大事件なので、一見の価値がある映画です。

劇場公開日 2002年5月11日

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2017-06-03

東京少年

★★+
東京少年
鑑賞No:01619
製作:2008年/日本/95分
監督:平野俊一
出演:堀北真希/石田卓也/草村礼子/平田満

両親が交通事故で亡くなって以来、祖母と2人暮らしをする少女みなとには、同じ年齢の男ナイトという文通相手がいた。ある日、彼女は浪人生のシュウと恋に落ちるが、初デートの最中に記憶を失ってしまう。その後、シュウは彼女に対しよそよそしくなり、やがてふられることに。落ち込んだ彼女はどうしてもナイトに会いたくなり、手紙を出すが・・・・。

「東京少女」のほうがなかなか良かっただけに、ちょっと残念な作品。堀北真希は二重人格者をそれなりに良く演じていたとは思ったが、ストーリー的にはイマイチ感は否めない。同じ映像の繰り返し使用も、視点を変えるなどの工夫があればまだよかったが、ちょっとした情報の追加のみではくどさのみが目立ってしまった。全体的に画面が暗かったのも観難いだけで、なんか中途半端で効果が薄かったような感じがした。二重人格自体が常人には理解しがたい病気ゆえ、感情移入も難しかった。

劇場公開日 2008年2月2日



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2017-05-14

どろろ

★★★★
どろろ
鑑賞No:01404
製作:2007年/日本/138分
監督:塩田明彦
出演:妻夫木聡/柴咲コウ/瑛太/杉本哲太/麻生久美子

天下統一を狙う醍醐景光が魔物と交わした契約で体の部位が欠けた姿で誕生した百鬼丸。その百鬼丸を呪医師の寿海が拾い、秘術を使って仮の肉体を与える。20年後、百鬼丸は失った部位を取り戻すため、魔物退治の旅に出る。そこで出会うのが、彼の左手に仕込まれた妖刀を狙う女盗賊“どろろ”だった。

手塚治虫の同名の原作漫画の映画化。戦乱の世で、魔物に奪われた肉体の部位を取り戻すために魔物と戦う百鬼丸と、彼が持つ妖刀を奪うためつけ狙う女盗人どろろの旅を描く。子供も十分楽しめるストーリーであり、次々と出てくる魔物も色々なデザインやキャラがあって楽しめる。また単なる魔物退治だけではなく、根底には親子の愛情・絆を描いており、その絆を断つ戦争に対して原作者・手塚治虫の怒りのメッセージも感じられる。映像も独特の雰囲気があり、戦いのシーンはVFXやワイヤーアクションを駆使したスピード感あるシーンが多く、観ていてワクワクした。

劇場公開日 2007年1月27日

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2017-04-30

T.R.Y. トライ

★★★+
TRY
鑑賞No:01195
製作:2002年/日本、中国/105分
監督:大森一樹
主演:織田裕二/シャオ・ピン/ソン・チャンミン/渡辺謙

20世紀初頭の上海で日本人詐欺師・伊沢修は武器商人を巧みに騙して大金をせしめていた。ある日、伊沢に騙された武器商人が彼に殺し屋を差し向けるが、間一髪のところで革命家の関に助けられる。関は伊沢を保護する代わりに、日本陸軍から大量の武器を奪い取るよう頼まれるが・・・。

第19回横溝正史賞を受賞した井上尚登の同名小説の映画化。伝説の日本人詐欺師が上海・東京を舞台に究極の詐欺を展開するアドベンチャー大作。頭脳戦といいながら結構アクションシーンもあり、それなりに楽しめた。お決まりの二転三転もあり、ラストシーンはこの手の映画の最高傑作「スティング」を彷彿させるところもあった。テンポがもう少しよければ良かったかもしれない。

劇場公開日 2003年1月11日



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2017-04-26

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

★★★★
東京タワー
鑑賞No:01440
製作:2007年/日本/142分
監督:松岡錠司
出演:オダギリジョー/樹木希林/内田也哉子/松たか子

1960年代の小倉。酔っ払いのオトンに愛想をつかしたオカンはボクを連れて家出する。その後、時々現れるオトンに見守られながら、オカンに育てられたボクはやがて東京の美術学校に進学する。しかし東京で自堕落な生活をするボクのもとにオカンが入院したとの知らせがくる・・・。

リリー・フランキーのベストセラー小説の映画化。私も地方出身者として一時期上京したことがあるが、やはり「東京タワー」は特別なものだった。東京タワーに上がって東京を一望したとき、東京に来たことを改めて実感した。今では数ある東京の名所だが、地方の人間にとってはまだまだ東京タワーは東京の象徴のように感じた頃が懐かしい。リリー・フランキーの原作は読んだことがないが、映画は主人公が幼少の頃から、母親が死去するまでを淡々と描いている。決して普通ではない一家ではあるが、かといって深刻でもなく、ただ静かに緩やかに時間が過ぎていく。最後は母親の死という不幸な結末となるが、何かほろ苦くも爽やかな感じのする映画。この映画を観て、今からでも遅くない親孝行というものをもっとしなければ、と改めて思った。

劇場公開日 2007年4月14日



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2017-04-09

トリック 劇場版

★★★★
トリック
鑑賞No:01174
製作:2002年/日本/119分
監督:堤幸彦
出演:仲間由紀恵/阿部寛/野際陽子/生瀬勝久

300年に一度、巨大な亀が現れて大きな災いを起こすといわれる糸節村。その村人の不安を取り除くため神を演じて欲しいと頼まれた自称天才マジシャンの奈緒子は糸節村に向かう。しかし、そこに待っていたのは、奈緒子以外にも神を名乗る男たちだった。一方、「どんと来い!超常現象」の編集者に「糸節村の様々な謎を解いて欲しい」と頼まれた上田も糸節村に向かう・・・。

TV版は観たことがないが、随所にマニアックな笑いが散りばめられていて、結構楽しめる映画。タイトルの示す通り、逐一マジックの種明かしの説明をしてもらえるのも嬉しい。TVを観ていないとよく分からないやり取りもあるが、なんとなく雰囲気でクスッと笑えた。ストーリー自体は大したことがなく、映像的にも大掛かりなものもないため、映画化の必要性自体はあまり感じられない作品だが、仲間と阿部のやり取りはなかなか面白く笑える。

劇場公開日 2002年11月9日



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2017-02-15

どら平太

★★★★
どら平太
鑑賞No:00957
製作:2000年/日本/111分
監督:市川崑
出演:役所広司/浅野ゆう子/宇崎竜童/菅原文太

とある藩の政治腐敗を解決すべく、町奉行として江戸からやってきた遊び人の武士、小平太。さっそく小平太は、“壕外”と呼ばれる犯罪地帯の浄化に着手する。そのため、“壕外”を仕切っている3人の親分を観念させるのだが、彼の真の狙いは彼らと結託して私腹を肥やしていた城代家老をはじめとする藩の重役たちだった・・・。

黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹からなる“四騎の会”が残した脚本を映像化。魅力ある主人公が活躍する痛快時代劇といったところ。ずば抜けたストーリーや意外性はないものの、これぞ勧善懲悪の時代劇の王道ともいえる内容で、安心して観れるし、最後はスッキリする。殺陣のシーンはTVの時代劇っぽく迫力には欠けるが、さすがに人間描写はうまく、また役所広司も上手く演じている。遠山の金さんが好きな人にはお勧めかも。

劇場公開日 2000年5月13日

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2016-12-28

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

★+
TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
鑑賞No:02830
製作:2016年/日本/125分
監督:宮藤官九郎
出演:長瀬智也/神木隆之介/尾野真千子/森川葵

平凡な男子高校生・大助は、修学旅行中に交通事故に巻き込まれ死んでしまう。目覚めるとそこは、深紅の空の下で人々が責め苦を受けるホンモノの地獄だった。戸惑う大助の前に、地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカル&ギターで、地獄農業高校の軽音楽部顧問をつとめる赤鬼・キラーKが出現。現世によみがえる方法があることを知った大助は、大好きなクラスメイト・ひろ美ちゃんとキスするため、キラーKの厳しい指導のもと地獄めぐりを開始する・・・・。

人気脚本家・宮藤官九郎監督の奇想天外コメディ。はっきり言って内容はハチャメチャ。何も知らないと「何だこれは?」と思ってしまう作品だが、宮藤官九郎が監督だと思うと、何となくうなずける。ハチャメチャさは長瀬智也演じるロックバンドのボーカル&ギターの赤鬼の言動にも多大に現れており、長瀬のこれまでのイメージを大きく覆すキャラ。中にはウケるネタもあるが、ウケようがウケまいが、これでもかこれでもかとぶっこんでくるギャグの嵐には感心すらする。作品の品位は低いが、たまにはこんな型にはまらない映画があってもいいのかもしれない。

劇場公開日 2016年6月25日



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2016-11-19

殿、利息でござる!

★★★★+
殿、利息でござる!
鑑賞No:02820
製作:2016年/日本/129分
監督:中村義洋
出演:阿部サダヲ/瑛太/妻夫木聡/竹内結子

江戸中期、財政難のため民衆に重税を課す仙台藩では、破産や夜逃げが相次いでいた。寂れ果てた宿場町の吉岡宿でも年貢の取り立てや労役で人々が困窮し、造り酒屋を営む穀田屋十三郎は、町の行く末を案じていた。そんなある日、十三郎は、町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治から、藩に大金を貸し付けて利息を巻き上げるという、宿場復興のための秘策を打ち明けられる。計画が明るみになれば打ち首は免れないが、それでも十三郎と仲間たちは、町を守るために私財を投げ打ち、計画を進める・・・・。

歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」の映画化。阿部サダヲ主演と聞いて、てっきりコメディ映画かと思いきや、実話が元で感動のドラマであり、いい意味で期待を裏切られる作品だった。また、全体的にほんわかしたストーリー。実は悪そうな感じの役者は何人もいたが、基本、根っからの悪役はいないため、最後まで気分よく観れる。ましてや、二代にわたっての守銭奴と世間では言われていた、山﨑努・妻夫木聡演じる浅野屋甚内の隠れた行いには思わず涙した。普段は悪役の多い堀部圭亮演じる代官も本当に人のいい熱血漢の役人だし、松田龍平演じるキレ者の萱場もちょっと意地は悪いが、根っからのワルではなく、動きや口調も飄々としていてワル者らしさは感じられなかった。自分たちの宿場を何とか救おうとする人々の熱意のドミノが実った内容だが、裏話でこの作品が映画化に至った話も「感動のドミノ」としてパンフなどで紹介されており、熱意は繋がるということを証明した一例であった。

劇場公開日 2016年5月14日



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2016-03-27

図書館戦争 THE LAST MISSION

★★★
図書館戦争 THE LAST MISSION
鑑賞No:02776
製作:2015年/日本/120分
監督:佐藤信介
出演:岡田准一/榮倉奈々/田中圭/福士蒼汰

ある日、図書隊・特殊部隊(タスクフォース)の堂上篤らに、この世に1冊しか存在しない「図書館法規要覧」の一般展示が行われる芸術の祭典の会場を警備せよとの指令が下される。ごく簡単な任務に思われたが、その指令の裏には、図書隊の解散を目論む手塚光の兄・慧が仕掛けた罠が潜んでいた・・・・。

前作の感想でも書いたが、どうも日本が舞台としては現実感のない作品。内戦状態ともいえる無法地帯の日本という設定がどうしてもついていけないのだ。このような設定になった納得のいく理由があればまだしも、それもない。説得力のない設定の中で、エンターテイメント性だけを追求した作品にしか見えないのは残念。そんな中、ラブ・ストーリーの要素もあるが、それも何か安っぽい感じは否めない。本を守るために人と人が殺し合うという内容で、愛や恋を語るのもどうかと思う。本より人命の方が安っぽく描かれているのに・・・。ただ、メディア規制に対しては否定できない面もある。言論の自由を楯に取ったマスコミの横暴と無責任さ、そして情報社会の名のもと、これこそ無法地帯ともいえるネットの世界。もしかすると、それらに対するメッセージなのかも。

劇場公開日 2015年10月10日



(キャスト一覧)
岡田准一(堂上篤)
榮倉奈々(笠原郁)
田中圭(小牧幹久)
福士蒼汰(手塚光)
西田尚美(折口マキ)
橋本じゅん(玄田竜助)
土屋太鳳(中澤毬江)
松坂桃李(手塚慧)
栗山千明(柴崎麻子)
石坂浩二(仁科巌)
中村蒼(朝比奈修二)
鈴木達央


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2015-04-29

トワイライト ささらさや

★★★★
トワイライト ささらさや
鑑賞No:02642
製作:2014年/日本/114分
監督:深川栄洋
出演:新垣結衣/大泉洋/中村蒼/福島リラ

売れない落語家の夫ユウタロウを交通事故で亡くし、生後間もない息子を抱え、不思議な町「ささら」に引っ越してきたサヤ。頼れる身寄りもない妻子が心配で成仏しきれないユウタロウは、さまざまな人の体を借りて現れ、サヤを助けていく・・・・。

大泉洋と新垣結衣の夫婦役が話題になった映画だが、夫役の大泉洋は冒頭で死んでしまうという、ちょっと変わった展開でスタートする作品。そして、死んだ夫は、様々な人に憑依して、妻のサヤを助けようとする物語だ。冒頭に死んでしまうし、憑依するだけなので見た目は他人のため、大泉洋の登場は少ないかと思いきや、声や幽霊や回想やらでそれなりに登場し、持ち前のキャラを披露している。そんな中、夫に先立たれ、全く身寄りもなく、乳飲み子を抱えながら、懸命に生きようとする新垣結衣演じるサヤは健気でカワイイ。夫婦愛を描いたファンタジードラマと受け取って観ていたが、ラストは父子愛のドラマになり、それはそれでよかったが、やや焦点がボケた感じはした。

劇場公開日 2014年11月8日


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2015-04-05

ドライブイン蒲生

★★
ドライブイン蒲生
鑑賞No:02628
製作:2014年/日本/89分
監督:たむらまさき
出演:染谷将太/黒川芽以/永瀬正敏/小林ユウキチ

街道沿いのさびれたドライブインを経営する家庭に生まれた姉サキと弟トシ。ヤクザ崩れでろくでなしの父親のせいで、2人は物心ついたころから「バカの一家」と蔑まれ、絶望したサキは非行に走った挙句、妊娠して家を飛び出してしまう。それから数年後、夫のDVから逃れて出戻っていたサキは、トシの制止を聞かずに幼い娘を連れて夫との話し合いに向かうと言い出し、トシも同行することに・・・・。

「指輪をはめたい」などで知られる芥川賞作家・伊藤たかみの小説の映画化。主演の染谷将太の持つキャライメージからか、作品の醸し出す雰囲気が「ヒミズ」に通じるものがあった。特にいつ爆発するか分からない、内に溜まり続ける憤りのやり場をハラハラしながら観ていたが、結局は姉の夫の車のタイヤをパンクさせる程度で終ってホッとした。ただ、短尺ながら、これといったストーリー展開もなく、何かダラダラした進行だったので、意外と長く感じた。原作は読んでいなかったので勝手な思い込みだったが、想像とは全然違った作品だった。

劇場公開日 2014年8月2日


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2014-09-08

トウキョウソナタ

★★★+
トウキョウソナタ
鑑賞No:01755
製作:2008年/日本/119分
監督:黒沢清
出演:香川照之/小泉今日子/役所広司/小柳友

健康機器メーカーで働く父・竜平と専業主婦の母・恵、大学生の貴と小学生の健二の4人家族の佐々木家は見た目はごく平凡な平和な一家。しかし、竜平はある日突然リストラにあい、それを家族に言えずにひそかに職探しをしていた。長男の貴も米軍に入隊を志願しており、次男の健二も父に逆らい家族に内緒でピアノ教室に通っていた。そして恵はみんなの秘密や悩みを知って心に抱え込んで疲れ切っていた・・・。

第61回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞受賞作。一見ごく平凡で幸せそうに見える家族だが、それぞれが秘密や悩みを持っており、それぞれが自分の立場や自分の思いとはうまく理解してもらえないジレンマから家族の中に不協和音が広まっていく様子を第三者的に淡々と描いている。この映画は自分の立場・視点で見るとより共感する映画かもしれない。私は父でありサラリーマンなので、どうしても父親の竜平の立場・視点で観てしまった。父として夫として家族を守り、家族を養っていかなければならない立場に反し、リストラで職を失い、すでに世間的には過去の栄光や威厳を失っている自分。世間の冷たい洗礼を受けるが、それに対抗できる術も技術もない自分。どんどん自信を失っていく中で、最後の望みである家族の中で自分の威厳を保つため、失職中であることを言えない自分。今の厳しい世界情勢だからこそ、より切実に迫ってくる映画。ただ役所広司が出てきたあたりからよく分からなくなった。(視点が主婦ではないからでしょうか・・・?)
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2014-08-29

DRIVE ドライブ

★★+
DRIVE.jpg
鑑賞No:01150
製作:2001年/日本/102分
監督:SABU
出演:堤真一/柴咲コウ/安藤政信/筧利夫

薬品会社の営業マン・朝倉はいつもと同じように営業車である交差点の信号を待っていた。きまって午後一時に交差点に現れる名前も知らないOLを待つためだった。ところが彼女が現れた瞬間、黒い車が通り抜け、朝倉の営業車に3人の男が乗り込んできた。男たちは、いま走り去った黒い車の後を追うように脅すが・・・・。

取っ掛かりの設定は面白かったので興味を持って観たが、意外と退屈な映画となってしまった。個性のある俳優も多く出ていて、部分部分では面白いシーンも多くあるのだが、全体的な構成というか纏まりがイマイチだった。今思えばそれなりに豪華なキャストだっただけに残念。堤真一は最近活躍の役どころとはチョット違う役だったが、演技力の高さを予感させる役どころを見事に好演していた。

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2014-07-06

トリック劇場版 ラストステージ

★★★+
トリック ラストステージ
鑑賞No:02529
製作:2013年/日本/112分
監督:堤幸彦
出演:仲間由紀恵/阿部寛/生瀬勝久/東山紀之

ある日、上田の前に貿易会社社員の加賀美慎一という男が現れる。加賀美は海外の秘境でレアアースの採掘権を獲得したが、呪術を信仰する地元民が立ち退きに応じず、困っているという。彼らが信望する呪術師のトリックを見破ることができれば、研究資金を提供すると持ちかけられた上田は、例によって自称天才マジシャンの奈緒子を誘うが・・・・。

14年の集大成とするシリーズ完結編。完結編ということで泣ける映画との触れ込み。さすがに泣けはしなかったが、これまでのシリーズとは一線を画すラスト。そのせいもあってか、「トリック」本来の謎解きは重きを置いておらず、ミステリー感はあまり感じられない。ただ、相変わらず小ネタは満載で分かる人にはハマる内容になっている。ラストは「トリック」らしからぬシリアスな終わり方をしたが、それでも山田が本当に死んだとはしない思わせぶりな演出に、モヤモヤ感の残る作品。




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2014-06-03

特命係長 只野仁 最後の劇場版

★★★
特命係長只野仁最後の劇場版
鑑賞No:01749
製作:2008年/日本/105分
監督:植田尚
出演:高橋克典/永井大/赤井英和/梅宮辰夫

大手広告代理店・電王堂の窓際係長、只野仁は社内外のトラブルを解決する“特命係長”として会長からの指示で暗躍するというもう一つの顔を持っていた。そんなある日、社運をかけたイベントの開催が迫る中、イメージ・キャラクターに選ばれたアイドルのシルビアに脅迫状が届き、只野は彼女の護衛とこの事件の解決を命じられる・・・。

人気TVシリーズの劇場版。昼間の野暮ったいサラリーマン姿と、夜のセクシーで野生的な男という対照的な主人公・只野は、松田優作が「蘇える金狼」で演じた朝倉哲也を彷彿させるもので、男なら誰しも一種憧れる男性をまるで楽しむがごとく演じているように感じられた。ストーリーは至って単純だが、笑わせるシーンやお涙頂戴のシーン、そしてほどほどにエロティックなシーンと、それなりに楽しめる。チェ・ホンマンや西川史子など本来のキャラを活かした役どころのタレントも出ていて話題性としてはあるのかもしれないが、如何せん演技が素人のため、浮いた感じが否めなかった。

特命係長 只野仁 最後の劇場版-1 特命係長 只野仁 最後の劇場版-2

出演者
高橋克典
櫻井淳子
永井大
蛯原友里
田山涼成
秋山莉奈
西川史子
赤井英和
三浦理恵子
梅宮辰夫




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2014-05-09

飛べ!ダコタ

★★★★
飛べ!ダコタ
鑑賞No:02507
製作:2013年/日本/109分
監督:油谷誠至
出演:比嘉愛未/窪田正孝/柄本明/ベンガル

終戦から5カ月後の昭和21年1月14日、佐渡島にある高千村の海岸に、上海から東京へ向かっていたイギリス空軍の要人機ダコタが不時着した。村人たちはつい最近まで敵国だったイギリスの人々に対して複雑な思いを抱えながらも、困った者を助けるという佐渡の精神に従い、彼らを温かく迎え入れることにするが・・・・。

こんな実話があったとは知らなかったので、大いに驚いた作品。戦争はもう終わったとして新たな生き方を目指す人々と、まだ戦争は終わっていないと過去の恩讐にこだわる人々の葛藤がよく描かれている。ただ戦争とは国と国との都合だけで行われているものであり、個人個人としては国によって洗脳され、戦意を高められているだけであり、人は直接、接することが大切さだということを教えられる。この作品も、つい最近までは敵同士だった人々が、接することで次第に打ち解け、最後は村を挙げて想像を超える人助けをするという内容で、日本人としても誇らしいエピソードの映画である。



出演者
比嘉愛未(森本千代子)
窪田正孝(木村健一)
柄本明(森本新太郎)
ベンガル(高橋源治)
綾田俊樹(佐吉)


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2014-03-13

共喰い

★★★

鑑賞No:02489
製作:2013年/日本/102分
監督:青山真治
出演:菅田将暉/木下美咲/光石研/田中裕子


昭和63年、山口県下関市で父親とその愛人と3人で暮らす高校生の遠馬は、性行為の際に相手の女性を殴るという粗暴な性癖をもつ父親を忌み嫌っていた。しかし、17歳の誕生日を迎えた日、幼なじみの千草と初めて交わった遠馬は、自分にも粗野な父親と同じ血が流れていることを自覚させられ・・・・。


第146回芥川賞受賞を受賞した田中慎弥の同名小説の映画化。やたらヌードシーンの多い映画だが、父親の異常な性癖はあまり画面からは伝わってこない。もっとどろどろした、におい立つような描写の映画のような気がしていたが、意外とソフトで観易く仕上げているのがかえってインパクトのない印象薄い作品となっているようだ。特に異常性癖の父親役の光石研が思ったほど毒がなくちょっとガッカリ。逆に田中裕子演じる仁子は一見物静かながら芯の強さを見せる女性で、その秘めたる思いはラスト衝撃の結末を迎える。それぞれ違ったタイプの女性が3人登場し、3人とも遠馬とも父親とも関係を持つということがタイトルの由来かと思わせるストーリー。





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2014-03-11

東海道四谷怪談

★★★+

鑑賞No:01830
製作:1959年/日本/76分
監督:中川信夫
出演:天知茂/若杉嘉津子/江見俊太郎/池内淳子


備前岡山。浪人民谷伊右衛門は、お岩との仲をひきさかれたのを恨みに思い、その父四谷左門と、彼の友人佐藤彦兵衛を殺してしまう。これを目撃した仲間直助は、弱味につけこんで伊右衛門を脅迫するようになった。そして左門・彦兵衛殺しを他人の仕業に偽装し、あだ討ちと称してお岩と妹のお袖、お袖の許婚・与茂七らと江戸に向かうが・・・・。


有名な鶴屋南北の「東海道四谷怪談」の映画化。お岩さんの怪談話は昔から知っているが、きちんと映像化されたものを観たのはこれが初めて。「お岩さん=顔が醜くはれ上がった=怖い」というイメージの強い四谷怪談だが、映画を観ていると哀れで可哀想な女性であり、逆に天知茂演じる伊右衛門の残酷さに憤りを感じる。しかしその伊右衛門も真からの悪人ではなく、根は弱気で小心者ゆえの行為だけにどこかやるせない気持ちが残る内容である。50年以上前の映画だが、CGや特殊効果でのみ怖がらせる映画とは異なり、人間の内面の恐ろしさから恐怖を感じさせる、本当の意味での怪談映画。


東海道四谷怪談-1 東海道四谷怪談-2

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2014-03-02

となり町戦争

★★★

鑑賞No:01780
製作:2006年/日本/114分
監督:渡辺謙作
出演:江口洋介/原田知世/瑛太/岩松了


舞坂町に住んで1年になる北原修路は、ある日、町の広報誌で舞坂町が隣の森見町と戦争することを知る。しかし、開戦当日を迎えても町の様子は変わらない。ただ広報誌には戦死者の数だけ掲載され、その数は日ごとに増えていくのだった。そんなある日、対森見町戦争推進室の香西と名乗る女性から電話があり、特別偵察業務を引き受けてもらうよう要請があり・・・・。


原作もストーリーも知らずに観たため、何かが原因で隣町同士で対立する話かと思っていたら、本当に隣町同士で戦争するという、ある意味重い内容の作品。それでも初めは戦争とはいえ、「ごっこ」的なものかと楽観視していたが、本当に戦死者が出ているということで尋常ではない作品の様相を呈してくる。しかし、町の風景はのどかで平凡なもの。さらに実際の戦闘シーンは出てこないため、戦時中という実感はない。主人公の北原も、戦時下における特別任務を受けているが、戦争中という実感が持てないまま日々過ごすことになる。要は、世界のどこかで戦争が行われているにもかかわらず、同じ地球上にいながら日本はそれを実感しないまま日々過ごしているということを皮肉ったものなのか?地球という規模を町レベルに落として、戦争とは何かを日本人に問いかけたような映画だが、何か伝わりにくいような気がした。伝えたいメッセージはわからないでもないが、テーマが大きすぎたのが原因だろうか・・・?





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2014-01-07

遠くでずっとそばにいる

★★★★

鑑賞No:02462
製作:2013年/日本/108分
監督:長澤雅彦
出演:倉科カナ/中野裕太/伽奈/清水くるみ


27歳の志村朔美は、交通事故で記憶障害が起こり、10年分の記憶を失ってしまう。17歳までのことしか覚えていない朔美は、それでもその状況を受け入れて楽しんでいた。だが、元カレの細見や、高校時代の同級生・薫らの助けを借り、失われた記憶をたどった朔美は別の事故に遭っていたことを知る・・・・。


失った10年分の記憶を探るために過去の自分を求めて関係する人、場所を訪ね歩くのがストーリーの中心。ストーリーは緩やかに進むが、徐々に明らかにされていく真実に次第に興味は膨らんでいくのがわかる。観客に与えられた情報は主人公の持つ記憶と同じなため、あたかも自分が主人公であるかのごとく、記憶の謎解きに参加できる。10年分の記憶を失い、本来なら困惑、動揺するところを、明るく前向きに生きようとする朔美を倉科カナが透明感ある演技で好演している。そんな現在の朔美とは裏腹に、事故前の朔美には嫌な面をのぞかせる過去があることが、さらに興味をそそられる展開として効果を出している。

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2013-11-12

図書館戦争

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02435
製作:2013年/日本/128分
監督:佐藤信介
出演:岡田准一/榮倉奈々/田中圭/福士蒼汰


あらゆるメディアを取り締まる「メディア良化法」が施行され30年が過ぎた正化31年。高校時代に図書隊に救われ、強い憧れを抱いて自身も図書隊に入った笠原郁は、鬼教官・堂上篤の厳しい指導を受け、女性隊員として初めて図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)に配属されるが・・・・。


設定が突飛すぎてついていけない内容の映画。これ日本の話?と思えるほど、近未来にしてもあまりに現実と乖離しすぎており、リアル感はゼロ。メディア統制についてはわからなくもないが、その中心が本というのもちょっと?だし、それによって日本人同士が戦争するというのはもっと?。ただ、そういった、現実感のない設定は無視して観るならば、それなりに楽しめるかも!?





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2013-09-13

Dolls

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01878
製作:2002年/日本/113分
監督:北野武
出演:菅野美穂/西島秀俊/三橋達也/深田恭子


文楽人形が物語る、3つの純愛を描いたドラマ。松本は恋人・佐和子を裏切り別の女性と結婚しようとするが、佐和子は自殺未遂を図り、病院へ。病院から佐和子を連れ出した松本は、ふたりであてどもない流離の旅に出るが・・・・。


派手さの微塵もない映画だが、3つの愛の物語にはそれぞれ重苦しい切なさが漂っている。恋人に裏切られて精神に異常をきたした女、若き日に別れた恋人を今でも待ち続ける年配の女、そして熱烈なファンだったアイドルの事故を慮り自ら視力を失った男。どれも切なさ過ぎる設定である。そして希望のないラスト・・・・。3つのエピソードは特に交わることもなく進行していくが、何を描きたかったのかイマイチ分からない映画。描ききれず、「死」でもってすべての説明を終わらせる手法には疑問を感じる。

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2013-07-21

東京家族

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02395
製作:2012年/日本/146分
監督:山田洋次
出演:橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣


瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉ととみこ。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一、美容院を営む長女・滋子、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次との再会を果たす。しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとし・・・・。


個人的には、親側の視点からと、子供側の視点からの2通りの見方が同時にでき、いずれもうなずける点のあった作品。ありがちな日常を描いた内容で、特別事件が起こるわけでもないストーリー展開だが、かといってさほど退屈するわけでもない展開は秀逸。ただ、母親の死はやはり衝撃で、深い悲しみを誘う。やはり親孝行は、出来るときにやっておかないと後悔するな・・・と痛感した作品。


  1. 邦画-と

2013-06-29

東京公園

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02221
製作:2011年/日本/119分
監督:青山真治
出演:三浦春馬/榮倉奈々/小西真奈美/井川遥


大学生の光司はカメラマンを目指し、東京の公園を巡り家族写真を撮っていた。ある日、いつものように写真を撮っていると、突然現れた男性に難癖をつけられる。ところが後日その男性から連絡が入り「公園に娘連れで出掛けるある女性を尾行し毎日写真を撮って送って欲しい」と依頼される。光司は理由がわからないまま、引き受けることとなったが・・・・。


爽やかでほのぼのとした癒し系のラブストーリーのつもりで観ていたら、意外な展開にちょっと戸惑ってしまった。結局はハッピーエンドな終わり方だけど、どうも分かりにくい内容だし、そもそも何を描きたかったのかよく分からない。全体的に冗長な感じが漂い、良く言えば心地よい眠りを誘う映画。

  1. 邦画-と

2013-05-20

トリハダ -劇場版-

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02330
製作:2012年/日本/87分
監督:三木康一郎
出演:谷村美月/木南晴夏/佐津川愛美/石橋杏奈


家電メーカーのコールセンターに勤める高林ひかりは、製品には関係なく罵詈雑言を浴びせるような酷いクレーマーにも、ひたすら謝り続けるような地味で真面目な社員だった。その日も後輩の美香に頼まれ、頻繁に電話してくる中年女性・宮脇和世からのクレーム対応に疲れ果てて帰宅すると、ふと隣の部屋の表札が“宮脇和世”である事に気付く・・・・。


タイトルのように実際に鳥肌が立つということはないが、7つのエピソードからなる短編オムニバスはどれもドッキリさせられる内容で、映画として十分楽しめた。キャラ的に怖かったのは宅配便の配達員に付き纏う女。ちょっと怖いストーカー女ですが、その異常さを顔面に表現しつくした女優さんの演技はとても怖かった。エピソードの中で個人的に一番ゾォーとしたのは隣人からシチューをおすそ分けされる話。ストーリーは単純ですが、ストーカー女と違って、出てくる隣人が良さそうな人だったため、そのギャップが大きかったです。

  1. 邦画-と

2013-02-01

東南角部屋二階の女

★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01922
製作:2008年/日本/104分
監督:池田千尋
出演:西島秀俊/加瀬亮/竹花梓/塩見三省


父親の借金を背負い、古アパートが建つ祖父の土地を売ることで人生を立て直そうと会社を辞めた野上。野上と同じ会社に働く三崎も、取引先のクレーム対応に耐え切れず、野上と一緒に会社を辞めてしまう。フリーのフードコーディネーターの涼子はアパートの更新料が払えず結婚に逃げようとし、見合いした男が野上だった。そんな3人がひょんなことからその古アパートに一緒に住むことになり・・・・。


何でこんな映像?というのが第一印象。全体的に靄がかかったような映像で、とても最近の映画・映像とは思えない。こんな映像にしている意味も分からない。分からないといえば、結局この映画自体よくわからなかった。主役とも言うべき3人の男女にも共感すべき点は見出せず、説明不足も多いせいか、なかなか感情移入もできなかった。最近多いまったりした時間の流れだが、心地よい流れではなく、つまらなさ、退屈さだけが目立った。ただこういう映画がつくられるということは、こんな若者が増えているという世相の反映かなとつくづく思いました。

  1. 邦画-と

2012-12-26

鈍獣

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01860
製作:2009年/日本/106分
監督:細野ひで晃
出演:浅野忠信/北村一輝/真木よう子/佐津川愛美


少年時代の思い出を基に雑誌に連載をしている凸川(でこがわ)。しかしこの小説がきっかけで昔の悪事が明かされることを恐れた、同級生で町の実力者の江田、警察官の岡本は凸川を殺すことに。しかし毒を盛ろうが、車で轢こうが、凸川は死なず、何事も無かったように帰ってくるのだった・・・・。


宮藤官九郎脚本の作品。まさにクドカン・ワールドの映像化といった印象の映画で、主人公はどんなことをしても死なない男というのがとても興味深い。ただ設定は面白いものの、結局結論というか、何だったのか、なぜなのかが説明不足で、終った後の消化不良感が残る。浅野忠信の、今までのイメージとはちょっと違うキャラ設定は良かったが、如何せん、何をしても死なないという設定以外は意外性もなく、謎解きの興奮もない、馬鹿げたストーリーに終始した感じの映画。

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2012-10-07

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02007
製作:2010年/日本/119分
監督:堤幸彦
出演:仲間由紀恵/阿部寛/松平健/佐藤健


カミハエーリという最強の霊能力者が治める村、万練村。そのカミハエーリが他界し、後継者を選ぶべく、村人たちは全国から霊能力者を集めてバトルロイヤルを開催することにした。優勝賞金目当てにマジシャン・山田奈緒子も参加するが、そこには、馬鹿げた風習を断ち切って欲しいと依頼を受けた物理学者・上田次郎もいた・・・・。


相変わらずの小ネタ満載で、分かる人は十分楽しめるつくりになっているが、逆に小ネタが理解できないとこの作品の面白さは半減してしまうことになってしまう。それも村の名前と同じマンネリ化が大きな要素ではないか。ストーリー的にはありきたりというか過去作と変わらず新鮮味はない。また、タイトルにもなっている数々のトリックもこれまた使い古されたようなものばかり。やはりこの作品はB級感漂うところがいいので、劇場版ではなく短編で深夜放送するのが、一番光るのでは?と思った作品です。


  1. 邦画-と

2012-09-23

東京ゾンビ

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01309
製作:2005年/日本/103分
監督:佐藤佐吉
主演:浅野忠信/哀川翔/ 奥田恵梨華/古田新太


東京の片隅にある消化器工場で働くアフロヘアーのフジオとハゲのミツオ。毎日、柔術の練習に明け暮れる2人は、年齢の差を超えた不思議な友情で結ばれていた。ある日、粗大ゴミ、産業廃棄物、さらに不要になった“人間”まで捨てて埋められているゴミ山“黒富士”から、ゾンビが大量発生する。ゾンビは東京を襲い、首都は壊滅状態になる・・・・。


近未来の東京でゾンビと戦う2人の男の友情の話。ストーリーなど全く予備知識がない状態で何気なく観てしまった。タイトルの「ゾンビ」は何かの比喩だろう、何の比喩だろうか?という気持ちで鑑賞に入った。コメディ映画だろうとは思っていたが・・・・。主役の2人である浅野忠信演じるフジオと哀川翔演じるミツオがいきなり会社の上司らしき男を殺してしまうところから「あれ?」と思い、「この映画どんな話なのか?と非常に興味を持った。死体をゴミの山”黒富士”に捨てに行くのだが、そこからこの映画は暴走を始める。ゾンビは比喩ではなく本当に出てきた。あまりに馬鹿馬鹿しい映画だが、展開が読めず、最後まで楽しめた。

  1. 邦画-と

2012-08-21

DOG×POLICE 純白の絆

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02242
製作:2011年/日本/104分
監督:七高剛
出演:市原隼人/戸田恵梨香/村上淳/時任三郎


早川勇作は、人一倍正義感が強く、犯罪者に対して天性の鋭い嗅覚を持つ優秀な警察官だった。しかし、刑事を目指す彼に下った異動先は、警視庁警備部警備二課装備第四係であり、そこは警備犬の訓練所だった。仕事への意欲を失っていく勇作だったが、ある日、ハンディキャップを持って生まれた犬“シロ”に出会う。勇作はそんなシロに自分を重ね合わせ、警備犬へと育成しようと決意するが・・・。


警察犬の話かと思ったら、どうやら警備犬という、ちょっと警察犬とは異なる任務を持つ犬とその訓練員との共に成長していく過程を描く。犯人を追う警察犬とは違い、警備や捜索、救助が主体なので、映画的には結構地味だし、ストーリーもベタ。それでも敢えて盛り上がりをつけようと、主人公が暴走するシーンが目立つが、それが却ってリアリティをなくしており、マイナスとなっている。ごくありきたりの動物映画として観るべき映画。


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2012-07-13

東京島

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02037
製作:2010年/日本/129分
監督:篠崎誠
出演:木村多江/窪塚洋介/福士誠治/柄本佑


結婚20周年を記念して夫婦でクルーザー旅行に出かけた清子と隆だったが、嵐に遭い、無人島に漂着する。救助を待ちながら無人島生活をする2人だったが、島の生活に馴染めず何もしない隆を尻目に、サバイバル能力を発揮して日々生き延びようとする清子。そんなある日、島に16人の若いフリーターたちが漂着、さらに6人の中国人も加わり、島には男23人と女1人という奇妙な共同生活が始まる・・・・。


原作は読んでいないのでなんとも言えないが、実在の事件「アナタハンの女王事件」が題材になっているとのことだったので、無人島という異常な環境下で起こる非人間的で本能丸出しのサバイバルが描かれているのかと勝手に想像していたが、まったくイメージの異なる作品だった。主役の木村多江演じる清子の女のしたたかさとたくましさが象徴的に描かれてはいるが、逆ハーレムとも言える無人島における男23人、女1人という環境下で思ったほどの男側の異常性が発揮されなかったのは原作のせい?あるいは草食系男子といわれる最近の若者世代の特徴の反映?冒頭15分の展開の速さにいきなりちょっと作品の薄っぺらさを感じ、さらに無人島生活する男女の服装の小綺麗さがリアリティに欠けている嫌いがあった。

  1. 邦画-と

2012-06-27

トイレット

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02062
製作:2010年/日本、カナダ/109分
監督:荻上直子
出演:アレックス・ハウス/タチアナ・マスラニー


ロボット型プラモデルが大好きなおたくのレイは家族から離れて一人暮らす青年。とある企業の実験室に勤務していたが、誰とも深く関わらずに生きていた。そんなある日、母親が亡くなり、実家に呼び戻される。そこには引きこもりの兄と生意気な妹、センセーという名前の猫、さらには英語が通じない日本人の「ばーちゃん」が住んでいたが・・・・。


全編カナダ・ロケで、キャストも外国人キャストの邦画(ただし、会話は全編英語で字幕です)。監督は荻上直子で、あの「かもめ食堂」という超まったり系の映画を撮った監督だ。ただ、おなじ海外ロケの「かもめ食堂」とはちょっと違った雰囲気の映画となっている。邦画でありながら邦画の雰囲気は感じられないが、唯一の日本人キャストである、もたいまさこの存在感が大きい。ほとんど(というか、作中、声を聞くのは1回のような気がするが・・・)喋らないが、彼女の存在がいつの間にかバラバラだった兄妹の絆を深めていくという役割を担っていく。そして、タイトルのトイレットをはじめ、寿司やミシン、餃子(もっとも餃子は中華料理だが・・・)など、日本文化の良さをふんだんに伝える作品にもなっている。

  1. 邦画-と