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2018-06-01

僕と妻の1778の物語

★★★(3.0)
w僕と妻の1778の物語
鑑賞No:02118
製作:2011年/日本/139分
監督:星護
出演:草なぎ剛/竹内結子/谷原章介/吉瀬美智子

SF作家の朔太郎と妻・節子は結婚16年を迎える仲睦まじい夫婦だった。そんなある日、節子は不意に腹痛に襲われ、もしや妊娠かと期待を膨らませて病院に行くが、急遽手術となり、大腸がんに冒されていることが判明する。余命1年と宣告されるが、医者から「笑うことで免疫力が上がることがある」と聞かされた朔太郎は、節子のために1日1編、笑える小説を書くことを決意するが・・・・。

SF作家の眉村卓と2002年にガンで逝去した夫人との実話を基にした作品。余命1年と宣告された夫人だったが、夫の毎日1編書く短編の効果もあり、5年もの間、余命を延ばす結果となるのだが、基本的に重い内容であるにも関わらず、主演のキャラにもよるのか、また意図的な描き方にもあるのか、あまり深刻さは伝わってこない。また、途中途中で、代表的な短編のイメージが描かれているが、どうも笑えないものばかりだし、オチもないようで、ただただ映画全体を軽薄なものにしてしまっているような感じが否めなかった。それ故、泣ける映画かと思いきや、泣けなかった作品。



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2018-03-19

ホワイトアウト

★★★★(4.0)
wホワイトアウト
鑑賞No:00969
製作:2000年/日本/129分
監督:若松節朗
出演:織田裕二/松嶋菜々子/佐藤浩市/中村嘉葎雄

新潟県奥遠和ダムの運転員・富樫は遭難者救助に向った際にホワイトアウトに見舞われ、同僚の吉岡を失くしてしまう。2ヵ月後、吉岡のフィアンセ・千晶がダムを訪れるが、時を同じくしてダムと発電所がテロリストに占拠される。テロリストはダムの職員と千晶を人質に、政府に50億円の身代金を要求するが・・・・。

この映画を観ると、まず思い浮かぶのが「ダイ・ハード」。まさに日本版「ダイ・ハード」といえる内容である。ハリウッド映画の向うを張ったアクション邦画というのはあまりない中、敢えて挑戦した姿勢は評価したい。そしてかなり酷評されている作品だが、アクション邦画としては結構楽しめる出来になっていると思う。ただ、「ダイ・ハード」の主人公は警官で、なおかつ人質に妻がいるという設定から、主人公単独の人質救出はすんなり入っていけるが、単なるダムの職員がただの正義感でテロリストに挑むというシチュエーションはちょっと違和感があり、テロリストも海外のテロリストのイメージにはほど遠かったのが残念。
ダムを出てからの展開があまりにあっけなかっただけに、最後までダム内の闘いにした方が緊張感があってよかったのでは!?

劇場公開日 2000年8月19日



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2018-02-02

星守る犬

★★★+(3.5)
w星守る犬
鑑賞No:02204
製作:2011年/日本/128分
監督:瀧本智行
出演:西田敏行/玉山鉄二/川島海荷/余貴美子

北海道の、とあるキャンプ場で死後半年経つ男の白骨死体が、愛犬らしい遺体と共に発見される。しかし、犬の遺体は死後1か月しか経っておらず、なぜ犬が男のそばに寄り添って死んだのか謎だった。市役所に勤める奥津京介はその謎とともに死んだ男の人生に興味を感じ、自腹で東京まで調べに行く。そこで偶然知り合った少女・有希と共に死んだ男の足取りを追うことに・・・・。

西田敏行演じる主人を慕い、健気に尽くす犬のハッピーには涙を誘うシーンもあるが、主人の行為・行動には疑問が残る。最初は不幸にして路上生活者となった男とその愛犬の心温まる話かと思ったが、その不幸も男の無気力・無関心から招いたものだし、レストランのマスターに一旦はハッピーを託しながら、別れを惜しんで再び連れて行ったのも、本当の愛情とは言えない、男の身勝手さではないだろうか? 犬の演技は最高だったが、内容は思ったほどではなかった。ただ不況にあえぐ日本の世相の一端を垣間見る、熟年離婚、路上生活、孤独死を扱った身につまされる映画ではあった。

劇場公開日 2011年6月11日



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2017-11-16

ボクの女に手を出すな

★★★(3.0)
wボクの女に手を出すな
鑑賞No:00338
製作:1986年/日本/95分
監督:中原俊
出演:小泉今日子/石橋凌/河原崎次郎/金子美香

孤児院育ちで不良娘だった黒田ひとみは盗みを働いて刑事に追われた際、若い弁護士の加島に救われる。そして、彼の紹介で彼の紹介で信州の大富豪、米倉家の進の家庭教師をすることになる。進は手のつけられない我侭っ子だが、徐徐にひとみと心を通わしていく。そんなある日、知り合いの佑介と徹に出会ったことで誘拐事件に巻き込まれていく・・・・。

小泉今日子主演2作目。今でこそアイドルから見事に女優として転身したキョンキョンだが、本作の頃はまだ経験不足からくる未熟さから素人っぽさが目立っていた。ただ、作品的には恵まれていたのか、そこそこ楽しめる作だし、意外にも本作で毎日映画コンクール主演女優賞を受賞している。キョンキョン主演作としては「怪盗ルビイ」の方が好きだが、本作もキョンキョンの魅力は満開で悪くない。ただ、ストーリーはありきたりなのか、キョンキョンの映像は記憶に残っているが、ストーリーはすっかり記憶から消えてしまった。ちなみに主題歌「木枯らしに抱かれて」も好きな曲の一つ。

劇場公開日 1986年12月13日





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2017-06-24

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

★★★★(4.0)
wぼくは明日、昨日のきみとデートする
鑑賞No:02863
製作:2016年/日本/111分
監督:三木孝浩
出演:福士蒼汰/小松菜奈/東出昌大/宮崎美子

美大生の高寿は、通学電車の中で見かけた女性・愛美に一目ぼれする。勇気を出して声を掛け、会う約束を取りつけようとする高寿だったが、愛美はなぜか泣き出してしまう。意気投合した高寿と愛美は付き合うことになり、幸せな日々を過ごしはじめるが、そんなある日、高寿は愛美から信じられないような秘密を明かされる・・・・。

本作も出演者全員イイ人で、悪い人間は登場しないので気持ちよく観れる。そういう意味ではよかったが、結末はあまりにも切なく、晴れやかな気持ちで観終えることができないので要注意。あと、前半はイマイチ、時間軸が理解しづらく、少々戸惑う。福士蒼汰演じる高寿の目線でストーリーは進行するため、高寿の方は問題ないが、時間が逆行する愛美の方は意識して観ないと分かりくい。ラストで分かりやすく説明があるので、納得はするが、結末の切なさは拭えない。興味深い設定ではあったが、そもそも時間が逆行する世界から来たって、どういうこと?内容はファンタジーラブストーリーだが、設定はSFミステリーである。主演の副士蒼汰の演技はやや硬めで不自然な感があったが、友人役の東出昌大は自然体の演技で好感の持てる役どころだった。

劇場公開日 2016年12月17日



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2017-05-29

ぼくのおじさん

★★★★
ぼくのおじさん
鑑賞No:02859
製作:2016年/日本/110分
監督:山下敦弘
出演:松田龍平/真木よう子/大西利空/寺島しのぶ

「自分のまわりにいる大人について」というテーマで学校の作文コンクールの宿題を課せられた小学生のぼく=春山雪男は、居候の「おじさん」を題材に作文を書くことにした。おじさんは大学の臨時講師で哲学を教えているせいか、屁理屈をこね、時には雪男をダシに母からお小遣いをもらい、万年床でマンガばかり読んでいる。そんなおじさんに見合いの話が持ち上がる。相手はハワイの日系4世で、絶世の美女・稲葉エリー。見合いに消極的だったおじさんはエリーに一目ぼれ。しかし、祖母が経営するコーヒー農園を継ぐためエリーはハワイへ帰ってしまう。エリーに会いたい一心で、おじさんはハワイへ行く作戦をあれこれと練り出すが・・・・。

北杜夫が自身をモデルに書いたロングセラー小説の映画化。松田龍平のキャラクターが良く活かされている作品。哲学者という設定で、何でもかんでも屁理屈をこねて、自分の思い通りにしようとする松田龍平演じるおじさんの言動は見ていて面白い。屁理屈の元も悪意があるものではなく、基本はぐうたらで、
せこいがための苦肉の策であるため、憎めないところがいい。また、おじさんの屁理屈は家族(特に兄嫁)には通じず、もっぱら対象となるのは甥の雪男で、このコンビのやり取りも面白い。前半は家の周辺が舞台で、狭い話だったが、後半は一転、舞台をハワイに移し、ちょっぴりスケールが大きくなるが、その分、おじさんの屁理屈が通用しなくなるのも見どころ。最後まで飽きずに楽しめる。

劇場公開日 2016年11月3日



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2017-05-22

ボクの妻と結婚してください。

★★★★
ボクの妻と結婚してください。
鑑賞No:02860
製作:2016年/日本/114分
監督:三宅喜重
出演:織田裕二/吉田羊/原田泰造/高島礼子

数多くのレギュラーを抱え、忙しい毎日を送るバラエティ番組の放送作家・三村修治は、体に異変を感じて検査を受けるが、その結果は余命わずか6カ月の末期のすい臓がんという信じがたいものだった。放送作家として、世の中のさまざまなこと「楽しい」に変えて来た修治は、自分がいなくなったあとも、妻が前を向いて生きていけるようにと、ある企画を思いつく。それは、自分が死んだ後の妻の新たな結婚相手を探すことだった・・・・。

放送作家の樋口卓治による同名小説の映画化。基本的に悪い人間は出てこないので、気持ちよく観れる作品。ただ、題材はシリアスな設定なので、ときどき涙を誘うが、織田裕二演じる主人公の修治が憎めない軽めのキャラクターなため、設定ほど深刻な状況という雰囲気は感じさせなかったのも気持ちよく観れた原因かも。修治が考えた奇想天外な企画も、自分がもし同じ立場だったら理解はできる。しかし、残された者の気持ちはどうか?そこを映画ではどう終わらせるのか?修治が選んだ新たな結婚相手と結局、結ばれなかったら消化不良に陥るし、かといって、夫の死後の新たな結婚相手を夫の生前に受け入れる妻だとしたら、それもどうかと思う。いったい、どういう落としどころで結末を迎えるのか?と思いながら観ていたが、納得のいくラストで安心した。その点でもいい映画。

劇場公開日 2016年11月5日



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2017-05-09

ホワイトリリー

★★
ホワイトリリー
鑑賞No:02846
製作:2016年/日本/80分
監督:中田秀夫
出演:飛鳥凛/山口香緖里/町井祥真/西川カナコ

傷ついた過去を抱えるはるかと登紀子は、互いを慰めあうように寄り添いながら生きている。そんな2人の秘密に踏み込んできた悟の存在によって、それぞれの愛が暴走をはじめる・・・・。

日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念し、日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作。ロマンポルノとは言いながら、そこまで厭らしさは感じない演出だった。けれどもそこは「リング」で有名な中田秀夫監督。次第にその片鱗を見せ始め、終わってみればホラー?と思わせるようなホラー要素がしっかりと入っていました。ストーリー的には目新しさはなく、好きなタイプの映画でもないため、この1作でこのプロジェクト作品はもういいかな・・・。

劇場公開日 2017年2月11日



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2017-01-14

星になった少年 Shining Boy & Little Randy

★★★★
星になった少年
鑑賞No:01485
製作:2005年/日本/113分
監督:河毛俊作
出演:柳楽優弥/常盤貴子/蒼井優/高橋克実

哲夢は内にこもる性格と、家が動物プロダクションを経営していることから学校でいじめにあっていたが、購入した仔ゾウとの出会いから象使いを志すようになる。そしてタイにある象訓練センターに単身留学することに。見知らぬ土地と見知らぬ人々の中で戸惑いながらも訓練を続け、やがて象とも周りの仲間たちとも心を通わせていく・・・。

物語は、「日本での象使いを志すまで」「タイでの象使いの修行」「日本に戻っての象使いとしての活躍」の3つに大きくは構成されるが、どれも手を抜かず丁寧に描いている。その分、あまりにも早すぎ、あまりにもあっけなさ過ぎる死にとても切なくなった。主役の柳楽優弥も「誰も知らない」からひと回り成長した感があり、演技も板についてきている。ラストの常盤貴子演じる母親と蒼井優演じるガールフレンドとの会話のシーンは思わず泣けてしまった。

劇場公開日 2005年7月16日



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2016-06-12

ぼくたちと駐在さんの700日戦争

★★★★+
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
鑑賞No:01540
製作:2008年/日本/110分
監督:塚本連平
出演:市原隼人/佐々木蔵之介/麻生久美子/石田卓也

昭和54年のとある田舎町。どうしょうもないイタズラ好きの高校生7人組“ぼくたち”は学校や町でイタズラをしては楽しんでいた。その彼らに毅然と立ち向かったのが新任の駐在さんだった。かくしてぼくたちと駐在さんのしょうもない戦いが始まることに・・・。

約1年半で1000万を超えるアクセス数を記録したブログ小説「ぼくちゅう」の映画化。くだらないイタズラ満載の映画だが、これが笑える、笑える!久しぶりに無邪気に笑える映画に出会った感じだった。原作はブログ小説らしく、読んだことはなかったが、どうもまったくのフィクションでもないよう。時代も昭和54年という設定で、最近流行の昭和ノスタルジーからは少し新しい昭和ではあるが、30歳代以降の人にとっては懐かしい歌やモノが次々と出てくるのも楽しい。クールな演技とコミカルな演技を両方自然にこなせる駐在役の佐々木蔵之介の好演も光る。笑い満載ながら、ジーンとさせるシーンもある、是非お勧めの映画。

劇場公開日 2008年4月5日



(キャスト一覧)
市原隼人(ママチャリ)
佐々木蔵之介(駐在さん)
麻生久美子(加奈子)
石田卓也(西条)
加治将樹(孝昭)
賀来賢人(グレート井上)
脇知弘(千葉くん)
冨浦智嗣(ジェミニー)
小柳友(辻村さん)
豊田エリー(美奈子さん)
倉科カナ(和美)
成嶋こと里(前園ミカ)
ガッツ石松(孝明の父)
安藤玉恵(孝昭の姉)
水沢奈子(井上夕子)
掟ポルシェ(花火師)
石野真子(たみ子)
竹中直人(親方)
森崎博之(寺島先生)
坂井真紀(白井恭子先生)
根岸季衣(バーバー吉田のばばあ)
志賀廣太郎(神主)
片桐はいり(みどり屋のおばちゃん)
酒井敏也(電気屋のおじさん)
宮地雅子(看護婦さん)


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2016-04-28

僕の彼女はサイボーグ

★★+
僕の彼女はサイボーグ
鑑賞No:01566
製作:2008年/日本/120分
監督:クァク・ジェヨン
出演:綾瀬はるか/小出恵介/桐谷健太/鈴之助/吉高由里子

20歳の誕生日も一人ぼっちで過ごす寂しい大学生のジローの前に、突然キュートな“彼女”が現れる。彼女と楽しいひとときを過ごしたジローだが、彼女は突然姿を消してしまう。それから1年後の21歳の誕生日。ジローは再び彼女と再会するが、去年の彼女とどこか違うものを感じていた。それは彼女が、未来の自分からジローを守るために送り込んだサイボーグだったからだ・・・。

舞台も日本で、俳優も日本でも、監督・脚本が韓国人だとやはり韓国映画という感じ。日本映画のような作りこんだ繊細さはなく、ストーリーも人間描写も雑といった感は否めない。どうも“彼女”シリーズの1本のようで、強い彼女とチョット頼りない男性のコンビという設定は踏襲しながらSF的要素(タイムトラベル)が入っている。設定は興味深く面白いと思ったが、脚本が雑な上、タイムトラベルものにはつきもののタイムパラドックスが露骨に表れてくる。後半に起こる大地震は、そのタイムパラドックスが原因による矛盾への修正事象かと思ったがそうでもなかったよう。(つまり、監督はそんな些細なことには一切気にしていないよう)主演の女優の綾瀬はるかについてはよく知らないが、いわゆるサイボーグ役をよく好演していたように思う。ちなみに“僕の彼女”=サイボーグとしているが、一般的には身体の一部を機械化した人間をサイボーグと呼んでいる。具体的にはペースメーカーや人工心臓をつけた人をいう。“僕の彼女”は人間に模して作られたいわゆる人造人間なので、この場合はアンドロイドという方が正しいといえる。なおアンドロイドは厳密には男性を指すらしく、この映画では女性型人造人間のため厳密に言えばガイノイドというらしい。

劇場公開日 2008年5月31日



(キャスト一覧)
綾瀬はるか
小出恵介
桐谷健太
鈴之助
吉高由里子
斉藤歩
田口浩正
遠藤憲一
小日向文世
竹中直人
吉行和子


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2016-03-21

包帯クラブ

★★★★
包帯クラブ
鑑賞No:01498
製作:2007年/日本/118分
監督:堤幸彦
出演:柳楽優弥/石原さとみ/貫地谷しほり/田中圭

高校生のワラは偶然知り合った少年ディノとのやりとりをきっかけに、タンシオやギモたちと“包帯クラブ”を始める。“包帯クラブ”とは、自分が傷ついた出来事をインターネットサイトに投稿してもらい、その傷ついた場所に包帯を巻き、その写真をメールで投稿者に送るというものだった。自分に自信が持てず、絶望感すら抱いていた彼らは、この活動に充実感を覚えていくが・・・。

天童荒太の同名小説の映画化。ささやかだが他人のために何かをする、他人の痛みを少しでも自分のものとして感じ癒そうとする彼らの行為は、現代人に欠けている“他人への思いやり”というコミュニケーションにおける基本的なアイテムの大切さを訴えているかのように思えた。“包帯クラブ”のメンバーも、他人の痛みを癒しながら、それぞれ内に秘めた傷を抱えており、活動に並行してそれが明らかになっていく展開も非常によかった。ディノ役の柳楽優弥が話すぎこちない関西弁が変に鼻に付いたが、それも設定のうちだったので、一応納得。それにしても「誰も知らない」以降、どちらかと言うと寡黙な少年を演じ続けてきた彼にとって本作は新境地開拓となる作品だったような印象を受けた。同様に(個人的には)可憐なイメージのある石原さとみの演技も、イメージを打ち破るような演技で驚いた。

劇場公開日 2007年9月15日



(キャスト一覧)
柳楽優弥
石原さとみ
田中圭
貫地谷しほり
関めぐみ
佐藤千亜妃
原田美枝子
風吹ジュン
岡本麗
大島蓉子
国広富之
塩見三省


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2015-05-08

ホットロード

★★★
ホットロード
鑑賞No:02630
製作:2014年/日本/119分
監督:三木孝浩
出演:能年玲奈/登坂広臣/木村佳乃/小澤征悦

望まれて生まれてきたわけではないと知り、心を痛める和希は、転校生のえりに誘われて行った夜の湘南で暴走族「Nights(ナイツ)」の春山に出会い、不良の世界に居場所を求めるようになる。次第に春山への思いを募らせていく和希だったが、Nightsのリーダーとなった春山は敵対するチームとの抗争に巻き込まれていく・・・・。

紡木たくによる少女コミックを実写映画化した青春ドラマ。他の人の評価では原作との違和感を訴える人も多かった作品だけれど、原作を読んでいない私には全然違和感なく観れた。ただ、ストーリーはきれいすぎる。原作通りなのかもしれないが、仮にも暴走族のリーダーとのラブストーリーなのに、観ていて歯がゆくなるほどピュアすぎた。これが原作通りの時代設定ならまだよかったかもしれないが、現代ではちょっと考えられない感じ。

劇場公開日 2014年8月16日


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2015-02-05

ホームレス中学生

★★★+
ホームレス中学生
鑑賞No:01741
製作:2008年/日本/116分
監督:古厩智之
出演:小池徹平/西野亮廣/池脇千鶴/イッセー尾形

夏休みの前日、中学2年生のたむちんと兄姉は自宅を差し押さえられた父親に家族の“解散”を宣言される。そして兄姉に迷惑をかけないため、友達の家に世話になるといって一人分かれるが、行く当てもなく公園でホームレス生活をはじめることに。しかし、やがて空腹に耐えられなくなり、見かねたクラスメイトの家で居候させてもらうことに・・・・。

お笑いコンビ麒麟・田村裕が実体験を綴った同名ベストセラーの映画化。映画での出来事が実話だとすると、まだまだ子供に毛の生えたような中学生にとってあまりにも過酷な出来事のように思うが、その割には悲愴感・絶望感などが思ったよりも伝わってこなかった。意外にも周りの人が皆、良い人たちばかりであったこともあるが、やはり究極の貧乏人を演じるのに小池徹平という、明るく可愛くお坊ちゃま然とした俳優を配したのがリアリティを減じさせていたのかもしれない(見た目もそうだが・・・・)。小池徹平自身はアイドルにもかかわらず体当たり演技で頑張っていたと思うだけに少し残念。でも無責任な父親は別として、兄弟3人の兄弟愛は胸にジーンとくるドラマである。


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2014-08-23

ポストマン

★★★
ポストマン
鑑賞No:01641
製作:2007年/日本/111分
監督:今井和久
出演:長嶋一茂/北乃きい/原沙知絵/竹中直人

郵便局に勤める龍兵は、妻亡き後、中学生の娘あゆみと小学生の息子鉄兵を男手一つで育てていた。そんなある日、あゆみが高校進学のことで、家を出て寮に入りたいと龍兵に訴える。しかし、家族は一緒に住んで一緒に食事をするのが一番と考えている龍兵は頑として耳を貸さなかった。次第にあゆみは父への反発を強めていくが・・・。

長島一茂の素人くさいぎこちない演技は多少気になるが、全体的にはジワッーとした感動が伝わる映画。主人公の龍兵は、生き方や考え方の違いから、娘や職場の同僚と対立する局面も迎えるが、彼の妻や郵便配達業務に対する一途な思いがやがて周りにも伝わって理解し合えるようになっていくさまはよく描かれている。長島の朴訥な演技がかえって田舎臭さを演出していてよかったが、映画としての完成度としてはイマイチかな。犬塚弘と手紙をやり取りする相手と、その内容のオチも粋でよかった。(ネタばれになるので書けないが・・・) でも郵便配達業務にこだわることは理解できなくもないが、何で龍兵が自転車での配達にこだわるのかは理解できなかった。(効率化に反対イコール郵政民営化反対のメッセージが製作サイドにあるのだろうか?)

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2014-08-12

ぼくらの七日間戦争

★★+
ぼくらの七日間戦争
鑑賞No:02206
製作:1988年/日本/94分
監督:菅原比呂志
出演:宮沢りえ/五十嵐美穂/安孫子里香/菊池健一郎

ある日、校則に反発した青葉中学の一年・菊地ら男子生徒8人が学校を無断欠席し失跡した。彼らは自衛隊の廃工場に立てこもっていたが、ひとみら女生徒3人も加わり、11人での自炊生活か始まった。彼らの居場所を知った教師や親が説得にやってくるが、それを追い帰し、やがてバリケードを作って武装し始める・・・・。

酷い大人たちへの、中学生の精一杯の反抗だが、やはり大人側の仕打ちが酷いため、子供たちを自然、応援したくなる内容。ただ、中学生の反抗にしては戦車も登場してくるなど、まさにタイトル通り、戦争さながらで、ぶっ飛んだストーリーになっているが、といって青春ドラマの域は超えないテイストも保っている。内容的にはさほどでもないが、やはり当時、美少女として名を売った宮沢りえの可愛さが際立って印象深い作品。




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2014-07-29

僕は友達が少ない

★★★
僕は友達が少ない
鑑賞No:02536
製作:2014年/日本/114分
監督:及川拓郎
出演:瀬戸康史/北乃きい/大谷澪/高月彩良

聖クロニカ学園に通う高校2年生の羽瀬川小鷹は、金髪でハーフ、目つきが悪いといった外見からいじめられることもあり、いつもひとりで過ごしていた。ある日、同じく友だちがいないという風変わりな美少女・三日月夜空と知り合った小鷹は、「手っ取り早く友だちを作りたい」という夜空が立ち上げた、友だち作りのための部活動「隣人部」に強引に入部させられるが・・・・。

原作は知らず、予備知識はまったくゼロの状態で鑑賞したため、どういうストーリーか興味を持って観た。タイトルとあらすじからは、友達のいない主人公が友達作りのために悪戦苦闘する話かと思いきや、まるでそんな風ではない。友達は欲しいが、特別努力するわけでもなく、挙句の果てはゲーム世界の仮想空間で自分の思うとおりに友達作りができるという、呆れた展開に睡魔が襲ってくるほど。原作はどうか知らないが、ゲーム世界に入り込んでいく展開はこの作品の残念なところ。もう少し、友達作りのくだりは現実的なアイデアが欲しかった。




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2014-05-16

北斎漫画

★★★★
北斎漫画
鑑賞No:00337
製作:1981年/日本/119分
監督:新藤兼人
出演:緒形拳/西田敏行/田中裕子/樋口可南子

定職を持たない鉄蔵(のちの葛飾北斎)は毎日絵を描いてぶらぶら暮らすていたらくで、鉄蔵には娘のお栄がいたが二人は佐七(のちの滝沢馬琴)の家に居候していた。ある日、鉄蔵はお直と名乗る魔性の女と出会い、その虜になってしまう。しかし彼女を描くことで現状を打破しようとするが上手くいかず、お直を養父の伊勢に紹介することで彼女と別れ、さらにお金をせびることにした。しかし、お直の魔性にとり憑かれた伊勢は首をくくって死んでしまう・・・・・。

歴史上の人物として、あるいはその作品の名前はよく聞くが、生身の人間としての人物像までは詳しく知らない葛飾北斎と滝沢馬琴。もちろん史実とは違ったフィクションでしょうが、生身の人間として身近に感じられる作品となっている。北斎の生き様には色々意見が出るとは思いますが、春画にかける情熱は強く感じられるような表現になっています。緒形拳、西田敏行という配役もよく、エンターテイメント作品としても面白く仕上がっています。もちろん当時話題となった樋口可南子や田中裕子の脱ぎっぷりのよさも評価したい作品です。

北斎漫画-1 北斎漫画-3

出演者
緒形拳(鉄蔵)(葛飾北斎)
西田敏行(左七)(曲亭馬琴)
田中裕子(お栄)(鉄蔵の娘)
樋口可南子(お直)
乙羽信子(お百)(左七の女房)
佐瀬陽一(伍助)
殿山泰司(彫師)
宍戸錠(十返舎一九)
大村崑(式亭三馬)
愛川欽也(歌暦)
梅津栄(岡っ引)
戸浦六宏(番頭)
観世栄夫(狩野融川)
大塚国夫(鳶屋重三郎)
森塚敏(刷師)
今井和子(お品ばばあ)
フランキー堺(中島伊勢)

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2014-02-06

亡国のイージス

★★★+

鑑賞No:01774
製作:2005年/日本/127分
監督:阪本順治
出演:真田広之/寺尾聰/佐藤浩市/中井貴一


東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそかぜ」で艦長が何者かに殺される。副艦長の宮津は先任伍長の仙石に、犯人が仙石の部下・如月一等海士であると告げ、乗務員を艦から退去させる。しかし、実は宮津は某国の対日工作員・ヨンファと共謀してある計画を実行しようとしていた・・・・。


福井晴敏の同名小説の映画化。スケールの大きな内容の映画だが、舞台のほとんどがイージス艦内のため、スケールの大きさは実感では伝わってこない。また、閉鎖空間で多くの敵を相手に孤軍奮闘す様は、「沈黙の戦艦」のスティーブン・セガールや「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスに酷似している。しいて言うなら、単なるアクション映画ではなく、至るところで、長い間の平和に安穏としている日本に戦争という現実を突き付け、自衛隊とは?国家とは?国民を守るとは?などといったテーマを再認識するよう訴えかけている映画。それにしても、プロのテロ集団に対し、一伍長があそこまで戦うのはチョット行き過ぎ・・・?





  1. 邦画-ほ

2013-10-21

北辰斜にさすところ

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:01849
製作:2007年/日本/111分
監督:神山征二郎
出演:三國連太郎/緒方直人/林隆三/佐々木愛


かつて第七高等学校の野球部のエースとして活躍し、その後軍医として出兵、終戦後は開業医となり、今は悠々自適の老後生活を送っている上田勝弥。その勝弥のもとに「五高七高対抗戦百周年記念試合」の案内状が届く。これは野球部の仲間たちが勝弥の故郷・熊本県人吉市の球場で開催を決めた試合だったが、なぜか勝弥はこの案内を頑なに拒むのだった・・・・。


時代、野球、七高、人吉、などの映画に関連するキーワードに関係ない人にとってはある意味つまらない映画かもしれない。戦争を知らない世代が大半を占める世の中になり、出演者の多くがその当時の若者だったという設定のいわゆる老人ばかりで、老人向けの回顧映画のようにも思える。内容も九州に限定されたローカルな話でなかなか他地域の人には共感しにくい点もあったが、さすが三國連太郎の重厚な演技にはどこか映画を引き締める貫禄を感じる作品。


  1. 邦画-ほ

2013-09-26

本陣殺人事件

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01683
製作:1975年/日本/106分
監督:高林陽一
出演:田村高廣/中尾彬/高沢順子/村松英子


岡山県の旧本陣の末裔・一柳家で長男の賢蔵と克子の婚儀が執り行なわれていた。婚礼は滞りなく済み、新郎新婦は母屋から庭一つ隔てた離れに寝ることに。しかし夜も明けぬ4時過ぎ、克子の悲鳴によって母屋にいた克子の叔父・銀造たちが離れに行くと、そこには血まみれで死んでいた賢蔵と克子の姿があった。ところが犯人の姿はなく、離れには錠がかかっており、深夜から降り出した雪の上には足跡もない完全な密室殺人だった・・・・。


横溝正史の同名小説の映画化。原作はあの名探偵・金田一耕助のデビュー作でもある。原作は読んでいたのでストーリーや犯人は知っていたため、どちらかと言うと小説の内容をいかに映像化しているかというのを確認しながら観たような感じ。金田一耕助役はお馴染みの石坂浩二や古谷一行ではなく、最近バラエティなどで露出度の高い中尾彬。この金田一といい、作風といい、角川映画の金田一シリーズとは一線を画する映画となっている。馴染みの金田一作品で強調されるおどろおどろらしさはあまり感じられず、犯人探しを主眼とした怪しげな人物設定も少ない。金田一自身も今や定着したイメージの石坂・金田一とはかなり違ったイメージを醸し出している。何もかも他の金田一作品とは違う感のある作品で面白い反面、事件の動機や謎解き部分の描き方が物足らない感じも残る。


  1. 邦画-ほ

2013-08-25

ボクたちの交換日記

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02414
製作:2013年/日本/115分
監督:内村光良
出演:伊藤淳史/小出恵介/長澤まさみ/木村文乃


甲本と田中のお笑いコンビ「房総スイマーズ」は結成12年目になるが、いまだ鳴かず飛ばず。気がつけば30歳になり、もう後がない2人は、互いの本音をぶつけ合い現状を打破するために交換日記を始める。そして日記を通して目標を見つめ直した彼らは、お笑いコンビコンテストに再挑戦するが・・・・。


交換日記の内容をナレーションにした構成はストーリーや心情が分かりやすくてとてもよかった。ただ、お笑いコンビでいきなり交換日記をするというのはちょっと唐突な気がして、もう少し経緯や説明が欲しかった。お笑い全盛の現在にあって、さらに塵芥のごとく存在する売れない芸人の日常や苦悩がよく描かれており、その中で「房総スイマーズ」が栄光を勝ち取るサクセスストーリーかと思いきや、コンビ2人の運命は全く違う方向に分かれてしまう展開は意外。そして十数年後に明かされる真実。軽快なタッチで描かれているかに見えたライトコメディが最後は涙を誘うドラマに。軽いノリの女性役が目立つ長澤まさみも今回は夫の陰で尽くす妻役を好演している。

  1. 邦画-ほ

2013-02-28

ホノカアボーイ

★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:01924
製作:2008年/日本/111分
監督:真田敦
出演:岡田将生/倍賞千恵子/長谷川潤/喜味こいし


恋人に振られ、大学を休学したレオは、1年前に訪れたことのあるハワイのホノカアに吸い込まれるようにやってきた。そこでひょんなことから映画館の映写技師として働くことに。そして料理上手の偏屈な老女ビーに気にいられたレオは、彼女の家で毎日食事をする間柄になるが・・・・。


タイトルにつけられている街の名前“ホノカア”をつい“ホンワカ”と読んでしまいそうな映画。この映画も最近の邦画に多い脱力系・まったり映画だが、それにしても脱力しすぎで、退屈感いっぱい、ほとんど印象に残らない映画となった。実際、パソコン作業をしながら観てしまったが、それでもあまり問題は無く、むしろ真剣に観てたら寝てしまったかも!?かなり年取った感のある倍賞千恵子だったが、老女に似合わず主人公の青年に淡い気持ちを抱くシーンはいじらしく可愛い。

  1. 邦画-ほ

2012-12-25

HOME 愛しの座敷わらし

★★★+
シネマ大好き!
鑑賞No:02296
製作:2012年/日本/110分
監督:和泉聖治
出演:水谷豊/安田成美/濱田龍臣/橋本愛


父親の晃一の転勤で、東京から岩手の片田舎に引っ越すことになった高橋一家。それぞれに悩みを抱え、心がバラバラになりかけていた一家が築100年以上の囲炉裏のある茅葺屋根の一軒家での田舎暮らしに慣れてきたころ、不思議な現象の数々に遭遇する。やがて、その家には座敷わらしが居ついていることがわかり・・・・。


左遷やいじめといったホームドラマでは嫌な部分が冒頭出てくるが、さほどきつい表現ではなく、田舎に移ってからは特に悪い人も出てこず、終始アットホームな田舎生活が描かれており、インパク感はないものの悪い感じは全然しない映画。いったん崩れかけた家族の絆を取り戻すきっかけとなる座敷わらしも、特に強いインパクトや主張もなく、ただなんとなく家族を良い方向に導いていく、まさに神様のごとく存在で好感が持てた。「熱中時代」や「相棒」とはまた違った役どころに挑戦し好演していた水谷豊にもあっぱれ。

  1. 邦画-ほ

2012-11-05

ポテチ

★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02300
製作:2011年/日本/68分
監督:中村義洋
出演:濱田岳/木村文乃/大森南朋/石田えり


空き巣稼業をしている青年・今村は、ひょんな事で知り合った若菜という女性と同棲していた。ある日、今村の仕事を見てみたいという若菜を連れて、尾崎というプロ野球選手の部屋に二人で忍び込む。だが、何も盗もうとしない今村。そこへ尾崎に助けを求める電話がかかってきて、二人は尾崎の代理で電話の主のもとに向かうが・・・・。


68分という、とても短い映画だが、内容的にはこれくらいが丁度よい長さで、やたらダラダラ長くしていないところがいい。タイトルのポテチ(ポテトチップス)は内容とは全く関係はないが、今村がコンソメ味と塩味のポテチを間違えて若菜に渡して怒られてしまうが、間違えたポテチの方もそれはそれでよかったというくだりは、この映画の結末を思わせるシーンとなっている。その他には最初は分かりにくかった断片的に出てくる話が、後半になるにつれてちゃんと伏線になっていたことに気付かされ、感心させられる。本当は重いテーマを扱っているにも関わらず、濱田岳の軽妙な演技がコミカルだがちょっと泣かせる映画にしている。

  1. 邦画-ほ

2012-10-21

ボックス!

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02294
製作:2010年/日本/126分
監督:李闘士男
出演:市原隼人/高良健吾/谷村美月/筧利夫


気弱な優等生ユウキは、やんちゃな幼なじみのカブに誘われ、恵美須高校ボクシング部に入部する。怠け者だが天性のボクシングセンスを持つカブは、ボクシング大会でいきなり連戦連勝するが、無敵の超高校級ボクサー・稲村との対決で、あっさり負けてしまう。そして初めての敗北のショックからボクシング部を退部してしまう。一方、そんなカブを横目に、ひたすら鍛錬を重ねていったユウキは、着実に強くなっていく・・・・。


とっても分かりやすい映画ながら、終始主役が市原隼人演じるカブというわけではなく、途中、主役的立場を高良健吾演じるユウキが担うというストーリー構成に目を見張った。そして二人は対戦相手として直接対決へ。しかし、観ていて清々しかったのは、一貫して二人の友情が不変だったこと。谷村美月演じるマネージャーの死は意外で悲しい展開だったが、この一環とした友情関係がこの映画を美しい青春映画として評価を高めたと思う。

  1. 邦画-ほ

2012-09-19

僕達急行 A列車で行こう

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02286
製作:2011年/日本/117分
監督:森田芳光
出演:松山ケンイチ/瑛太/貫地谷しほり/松坂慶子


「のぞみ地所」の社員、小町圭と「コダマ鉄工所」の二代目、小玉健太は趣味の鉄道を通じて意気投合。住まいにもトレインビューを追求する小町は、コダマ鉄工所の寮に入るが、やがて九州に転勤となる。九州で鉄道ファンの人脈を活かし、大手企業「ソニックフーズ」の社長と意気投合した小町は、小玉の鉄工所も巻き込んで商談を成功させていく・・・・。


2011年11月に急逝した森田芳光監督の遺作。誰ひとり悪者が出てこない、いわゆる「ほのぼの系」「ほんわか系」の映画で、趣味を活かしたビジネス成功譚は「釣りバカ」に通ずるところもあり、決して嫌いな映画ではなかった。それどころか、ドキドキ感はないものの、安心して観れる良い映画だった。主役2人も、鉄道オタクながら、オタクっぽさは強調されず、現代の普通の若者の代表のようで、それを力まず自然体で演じているようで好感が持てた。舞台は東京と博多で、職種も違う2人の割には彼らを取り巻く人間関係が偶然にしてはあまりに狭く都合よ過ぎたが、これも愛嬌か?





  1. 邦画-ほ

2012-07-15

僕たちは世界を変えることができない。

★★★★
シネマ大好き!
鑑賞No:02266
製作:2011年/日本/126分
監督:深作健太
出演:向井理/松坂桃李/柄本佑/窪田正孝


医大に通う2年生・田中甲太はある日、郵便局に置かれた海外支援案内のパンフレットを手にする。そこには「あなたの150万の寄付でカンボジアに屋根のある小学校が建ちます」と書かれていた。なんだか物足りない日常を送っていた甲太はカンボジアに小学校を建てるべく仲間を集めるが・・・・・。


正式な映画タイトルは「僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.」。久しぶりになかなか良い映画を観た。お笑い芸人製作・出演による駄作邦画のはびこる中、邦画らしい1作だ。また真実に基づいたストーリーというのもよい。映画中盤で主人公たちが実際にカンボジアに行って現実や過去の暗い事実を知るくだりは、それまでのちやほやした日本での大学生活を描いたシーンとは一変し、辛く悲しく悲惨なカンボジアの歴史をドキュメンタリー風にまとめており身につまされる。主人公たちは自分たちの行為があまりにもちっぽけで世界なんて変えられないと苦悩するが、世界から見るとちっぽけでも、無力な一大学生としては大きな改革であり実行力だと思える。自分自身を変えようとすることが大切だと感じさせる一作。

  1. 邦画-ほ