
鑑賞No:02887
製作:2017年/日本/149分
監督:原田眞人
出演:岡田准一/役所広司/有村架純/平岳大
幼くして豊臣秀吉に才能を認められ、取りたてられた石田三成は、秀吉に忠誠を誓いながらも、正義ではなく利害で天下を治める秀吉の姿勢に疑問も抱いていた。そんな三成の下には、猛将として名高い島左近や伊賀の忍びの初芽らが仕えるようになるが、秀吉の体調が思わしくないなか、天下取りの野望を抱く徳川家康は、言葉巧みに武将たちを自陣に引き込んでいった。そして1598年8月、秀吉が逝去。1600年9月15日、毛利輝元を総大将に立てた三成の西軍と、家康率いる東軍が関ヶ原で天下分け目の決戦に挑むこととなる・・・。
司馬遼太郎の名作小説の映画化。原作は30年以上前に読んだが、ついに映画化されたかという感慨深い作品。ただ、原作は単に徳川家康VS石田三成という構図ではなく、関ヶ原の戦いに参加した武将たちのそれぞれの目的・意図、思い・駆け引きなどを立場立場で描いた群像劇の様相が強い。そこを映画でどう描かれるかが私の最大の注目点だったが、やはり2時間余りでは十分満足できる内容は無理だったようだ。関ヶ原の合戦シーンはCGも駆使し、迫力あるシーンが展開するが、アクションシーンとしての凄さであって、原作を映像化したものとは言い難い。また、家康や三成自体も十分ではなかったが、その他の武将はほとんど個として描かれておらず、それゆえ、合戦シーンへの布石になっておらず、何かごちゃごちゃした分かりにくい合戦シーンになってしまった感がある。もう少し、群像劇の様相を感じる後世にして欲しかったが、大河ドラマのように1年かけて描かないと描けない原作だったように思う。
劇場公開日 2017年8月26日
